鍛冶屋日記

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昨日は「それはいかんろ。だめなやつになりゆう。」って言ってくれる人がいて今日は助けてくれる人が現れる。
どっちもありがたいことです。
バカ素直に頼ります。
「バカ素直」っていい言葉やね。

今年の今日は寒かった。
そして門を開けてくれてました。
塀を乗り越える必要なし。

年月はこんなことも変えてくれる。

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もうすぐ春なのでちょっと気取ってみます。

親父さんが仕事中にちょっとひどめのケガをしてしばらく仕事出来なくなったり、未来への不安に押しつぶされそうになったりそれを克服したり、サバにあたって体中にじんましんが出て顔が腫れて別人みたいになって点滴打ってすっかり元気になったり、忙しくしてました。

なかなかやるにゃあ、厄年め。

今日は仕事を早退して、卒業式をあさってに控えた凜くんを連れていつもの美容院へ。

髪切られながら『ドラえもん』を読む凜くん。また『ドラえもん』や。

ついに散髪鋏を置く日がやって来ました。
お兄ちゃんが産まれて15年。
もう誰かの髪を切ることはありません。

さびしい気もしますがかっこよくなった凜を見るとこれからの楽しみの方がずっとずっと大きい。

凜も学ランか。
あっと言う間です。

あ、男前。

少し前の話。素敵な話。

うちの息子B(凜くん・小6)に聞かれました。

「仕事しててうれしいこと、しんどいことはなんですか?」

答えながらプリント覗くと『なりたい職業について』みたいなレポートの宿題。

うわー、『はさみ屋』って書いちゅう。でも平静を装う。

それから数日後また質問を受けました。

「あのよー、はさみ屋になるのになんか資格っているが?」

「んー、資格はいらんで。」

「じゃあどうしたらなれるが?」

「えーと、しっかり勉強してしっかりスポーツしよったらなれる。父さん見たらわかるろ。」

「そうかー。」

「あ、あと麻雀出来たらえいね。勉強とスポーツと麻雀。父さんはそれでなれた。」

「ふーん。」

ここで横から息子A(涼太くん・中2)が茶々を入れます。ちょっと弟をバカにした雰囲気で

「おまえ、はさみ屋になりたいが?」

そして凜くんの答えがかっこよかった。

「いかんがー?」

いかんくないです。

ないですがオヤジは少し困惑しました。
照れくさいようなうれしいようなずずーんと責任がのしかかるような不思議な感覚。

「休みなくて大変やねぇ。」とか言いながらも楽しく働きゆうように見えゆうがやろか。

小学生の無邪気な思いやけどやっぱり「よし!」って感じはあるね。

『なりたい職業』に自分のオヤジの仕事を書く小学生、なかなかおらんにちがいない。

あんなこと言いよったねぇ、ってあっという間に変わってしまってもこの一瞬そう思ってくれちゅうってことがうれしい。

あ、やっぱりうれしいがや。

なので、これからもしっかり仕事したいと思います。

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日々、いろんな人に怒られたり嫌われたり誉められたり仲良くなったり。
忙しい。

ひなまつり2日目は朝から雨。
満を持して土曜日の帰りに「まちかど市」の店頭につるしたてるてる坊主敗北。

寒かった。

それでもお客様が来てくれました。ありがたい。

もちろん良いお天気だった一日目より人出は少なく、だんだん雨が強くなって商品に吹き降ってきたのでテントだけ残してはさみ屋は店じまい。
それからは食べ歩き。ライスコロッケ、おからドーナツ、カレー、おでん、ぜんざい、お腹いっぱい。
どのお店も売上がさびしかったはずなので、ちょっとでも。

今日は昨日濡れてしまった商品を一回出して乾拭き、油拭き。テントも干します。雨は大変。

用事で昼休みにまちかど市に寄ったらスタッフから

「てるてる坊主片付けたら晴れました。」って。

…ごめんなさい。

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売上を伸ばすために魔法をかけてカエルにしてしまうような会社の商品は使いたくないと思いました。あれはこっそりやるべきです。

先週、仕事以外の用事で仕事を抜けて一日中いの町をうろうろした日の出来事。

帰って来たら親父さんから報告。

「『てんこす』のイベントでお前と話したってお客さんが砥ぎ直しを6丁持ってきてくれて鎌を二つ注文してくれた。」

「それから、いのの『まちかど市』で片手鍬を買ってくれたっておばあちゃんが砥ぎ直しをどっさり持って来てくれちゅう。ひなまつりに持って来てやと。」

よし。

これ結果でね。

そんな出会いを求めてまた明日、明後日はいの町商店街にて『かみのまち・いの・ひなまつり』。

売れん売れん言いながらも少しずつ減ってしまった包丁も残業で仕上げて補充に成功しました。できたてほやほやを持って行きます。

それから、規模のだいぶちっちゃい『職人ストリート』もあります。

遊びに来てください。

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日曜日は28日振りのお休みでした。惜しい。
もうちょっとで「1ヶ月休みなかったちや。」って言えたのに。
そんな久しぶりの休日は6時半起きでバニーアイズの開幕戦を戦ってきたけれど…。

今度の土日は『かみのまち・いの・ひなまつり』。

お天気微妙なので今回のイベント主催者である観光協会せいちゃんに電話で要請。

「土日は晴れさせてください。」

「そうしたいですけど僕の力では…。」

「てるてる坊主で対応しましょう。」

「わかりました。」

で、昨日観光協会のブログ見たらさっそく出来上がってました。こちら

すばやい。

けどすばや過ぎ。昨日お天気が持ったのはこいつのおかげじゃないろうか。
今日も晴れちゅうし。

吊り下げられるのが金曜日の晩でありますように…。

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昨日は七色ロードのお疲れ会。打ち上げ。

盛り上がる。一生懸命やったら打ち上げは盛り上がる。本当に盛り上がる。このパワーはきっと次に繋がる。

2次会は古民家。

そこで未来の話が出る。
飲み会の席であっても、頼られて期待されて悪い気はしないのだけれど、そんなことしよったら俺仕事出来んくなるにゃあ…って思う。

押し付けられてはいけません。
選び取らなければ。

「無理無理。」って言ってしまえれば簡単ながやろうけど…。

調子乗りは「俺しかおらんじゃん。」とか思ってしまいます。

反面、一職人でいたいです。
とか、かっこいいことも言ってみる。

まぁ本当に壊れてしまいそうなので「無理無理。」ってことにしときます。

今日は弱気。

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素敵な教え子ありさ(17歳)との楽しい会話。

「ねぇねぇ、鴨南蛮そば食べたことある?」

「ん?あるよ。」

「あれってよー、フツーじゃない?」

「おいしくない?」とか「まずくない?」とかならわかりますが、自分がフツーと思ったことにあえて同意を求める人に初めて出会って笑い転げてしまいました。

「お母さんが死んだ夢見てよー。起きたらお母さん美容院に行っておらんかって、めっちゃお母さんに会いたくなったー。またすぐ寝たけど。」

昼寝やね。

「それから絶対お母さんの老後の面倒見ちゃろうって思った。」

かわいらしいじゃんか。

「おまえももう高3になるがや。あと一年やね、ここに通うのも。」

お兄ちゃんお姉ちゃんも教えてきたので(途中ブランクがあったりもしましたが)もう12年通ってます。

「そう考えたらちょっとさびしいにゃあ…。」

「じゃあ、あたしに子供が出来て中学生くらいになったら雇うちゃお!」

ありがとう。

そん時、俺いくつやろ…。

あ、おまえに給料もらうのなんかいやや。

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今日、危うく大人の事情に流されそうになりました。よく踏ん張ったと思います。

土日は『てんこす』さんの2周年記念イベントの2週目に出店。

売れたか売れんかはご想像通りですが、同級生が何人か会いに来てくれて「がんばりよー」って差し入れくれたり、家族連れの青年部の前部長に出会ったり、商工会の美人職員さんが通りがかりに声かけてくれたり。
いいことたくさんの2日間でした。
土曜日は粉雪が舞う中めちゃくちゃ寒くて冷たくて泣きながら包丁砥ぎましたけど。

この度のイベントに先立って『てんこす』さんよりガラガラ抽選会の景品提供の要請があり、包丁を3丁提供させていただきました。

土曜日にその包丁が当たったというお客様と会うことが出来ました。

「昨日ガラガラで包丁当たったので今日もまた来てみました。一等より包丁が当たってうれしかった。もったいなくてまだ使ってません。中に入ってたお手紙(リーフレット)が良かったです。」

こんなとこにも出した意義、出てきた意義を見つけさせてもらえます。

買ってもらわずとも出会えたお客様。もちろん使ってもらってからが重要ですがこの時点では喜んでもらえてました。
そんな方があと2人潜んでいることを願います。

とってもうれしいので、またこういうチャンスがあれば活かしていきたいと思います。

それから土曜日に隣同士で出店してたジャム屋さんでおみやげに『桑の実ジャム』を買いました。

日曜日はちょっと離れた場所での出店でしたが最終日やし閉店間際にご挨拶、と思って「今日は売れましたかー?」って聞きに行ったら

「これ持って帰りー。」って2つもジャムをいただきました。

『ブラックベリージャム』と『文旦マーマレード』。

さらに、片付けしてたらお向かいのお菓子屋さんからも「寒い中4日間お疲れ様。」って『高知城最中』をいただきました。

いい人ばっかり。

またどっかで会えますように…。

いや、またもらいたい訳ではなくて、その時はしっかり買います。

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先日、いの町商店街で開催した『によどがわ七色ロード―花色の巻―』の反省会がありました。

お客様のアンケートや商店街の店主さんの声などをもとに次へ向けての改善点や次回の予定などを話し合いました。これだけなら普通の反省会。

ですが、今回は素晴らしいことに新しい力が会に参加してくれてとっても良い反省会になりました。

参加してくれたのは子育て世代のお父さんお母さんのサークル『いたどり』さんからお二人。

今回の『七色ロード』に出店者として参加してくれていて、出店者として、お客さんとして、また子供たちを遊びに行かせるお母さんとしての目線から、イベントへのさまざまなご意見ご提言を持って来てくれました。

商工会、行政、商店主、という今までの主催者側の面々とは違った感覚。

厳しい意見がたくさんあってちょっと凹んだりもしましたが、

お話ししている間にこちらの思いもわかってもらえたり、絶対参考にすべきご意見やアイデアをいただけたり。

何より「町のために、商店街のために力になりたい。子供たちが楽しめる場所をつくりたい。子供たちが生活していく地域のために、出来ることあるならお手伝いしますよ!」って熱い気持ちが伝わってきて本当にうれしい出会いになりました。

だってわざわざ意見言うために出て来れんでね。
よそではあーだこーだ言えても「一緒にやりましょう!」なんて本当になかなか言えんことやと思います。

この熱い力に頼りたいし頼るべき。

こういう新しい出会いが作れただけでも『七色ロード』は成功です。今のところ。

この先例えば、地元高校生の代表だったりお年寄りサークルさんだったり少年野球チームだったり、いろんな世代、いろんな感覚を持つ人たちがほんの少しでも関わりを持ってもらって、そこから仲間に入ってきてくれたりしたら、『七色ロード』はすごいことになる。

そんな夢を見てしまいそうになる素敵な反省会でした。

今回は向こうから来てくれたけれど、待ちゆうだけじゃなくて巻き込まんとね。

がんばります。

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