鍛冶屋日記

年: 2011年

またまたオファーがありました。家庭教師の。中学二年生だそうです。大人気です。塾開こうかにゃあ。

あえて言いますけど、僕は鍛冶屋です。

鍛冶屋ですので、こんな包丁の注文がありました。

刃渡り10㎝くらいの小さな包丁。背中のカーブが重要とのこと。

土佐和紙の町いの町の役場の職員さんから(夏にお祭りの実行委員長やった効果やね)

「和紙の原料である楮(こうぞ)の皮をへぐる(剥ぐ)包丁」

『いの町雇用創造協議会』というところがお年寄りにアルバイト的に木の皮を剥いでもらうそうで、見本を借りて10丁作りました。
取りに来こられた時にまた10丁の追加注文。

数日後に追加分が出来たことを連絡すると
「刃がまっすぐの方が使いやすいようです。」

この前お渡ししたやつを使った後のご意見。
「んー、出来上がっちゅうがですけど…。」

「遅かったか。じゃあ取りにいきます。」

その後その包丁を見てくれた別の方からまたご注文。また20丁です。

今度は『ふるさとの楮を守る会』さんから「見本持って行きます。」って作ったのがこれ。(左が見本)

初めにやったのと微妙に形がちがいます。今度は刃のラインのまっすぐさが重要らしい。
「このラインが丸過ぎると使えんき。」
って言われたので、初めの20丁の役場の職員さんに連絡しました。

「○○さんからも注文もらったんですけどやっぱり刃のラインはまっすぐ目がえいらしいです。この前の20丁直しますのでかまん時に持って来てください。」

そしたらすぐに持って来てくれました。
やっぱり使い辛かったがやね。

で、刃のラインをまっすぐ目におとして砥ぎ直したのがこれ。

わかりにくいかにゃあ…。完全な直線ではないけどだいぶ丸みはなくなりました。

せっかくうちに注文もらったのに「使いにくいのう…。」って思われるのはよくないことですき。

それからまたご紹介で別の二人の方から個人的に5丁づつご注文いただきました。あっという間に仕事が降ってきます。

兎にも角にも、これで『へぐり包丁』(形は2種類)がレパートリーになりました。

が、どこへ宣伝してどこへ営業かけたらえいかわかりません。ほんのひと月で50丁になる需要はあるみたいですけど。

口コミ以外ない話です。

でもここで一応宣伝しましたので、楮(こうぞ)の皮をへぐる方、おられましたらご注文ください。

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「あー、暇…。」って思いゆう時に「何しゆう?予定ある?よし、おごっちゃおき飯食いに行くぞ!」って電話くれてレバ刺しを食わしてくれる。
これもまた親友のなせる技だなぁ、と感謝する。
俺は誰かにこんなことしちゃれゆうろうか、って我が身を振り返る。

バニーアイズの新年会がありました。
試合の時より集まりがよくて8人出席。

僕以外全員がA型であることがわかり、やるじゃん俺、って思いました。
8人中6人が同い年で、監督しげるっちが
「俺ら前厄やろ?誰か厄抜けとかした?」って質問に誰も何もしてないことが判明。する気もない。いいチームだなぁ。男前。

去年入ってくれた年上の新しいメンバーに言われました。

「エラーした時に『へたくそ!帰れヘボ!』ってしげるくんに言われるさとるくんがうらやましい。そんな風に言われたい。」

言ってる意味はよくわかるけれど実際言えるかにゃあって想像するとなかなか難しそうです。
でも、そういう関係を作っていけたらいい、とは思います。

世紀末の兎年に誕生したバニーアイズも一回り。だから『Bunny Eyes』です。
血の入れ替わりや存亡の危機や雨天中止や準優勝などいろいろ乗り越えてなんとか続いてきました。幸せ、幸せ。

今年もがんばっていこうと思います。

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あ、忘れちょった。

去年の終わりにかずえちゃん(涼太の友達けんたのお母さん)に包丁のご注文をいただきました。

「いとこにプレゼントしたいきひとつ作っちょってー。」

ありがとうございます。
かずえちゃんはこのブログを読んでくれてるので

「忙しそうやき時間あるときでかまんで。あわてんき。」

その時は
「出来かけがあるき砥いで仕上げたらすぐ出来る!」って思うちょったのに

反比例とかsin30°の勉強したり、ONEPEACE読んだりしゆう間にすっかり後回し。

1ヶ月経っちゅう…。
ごめんなさい。
プレゼントのタイミング逃したがやないろうか…。

ハッと思い出して一昨日仕上げてもう後は柄をつけて箱に入れるだけになっておりますので今週末にはお届け出来ると思います。もうちょっとお待ちください。

「優しい言葉には甘える」という性質がありますのでお気をつけください…。

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うれしいことがありました。

去年の5月に高知駅前の『とさてらす』にイベント出店した時にあるお客様に出会いました。
大豊町からの母娘連れのお客様でうちの包丁を見てもらっていろんなお話をしてその日はリーフレット渡しただけだったけれどなんとなく気に入ってもらえた気がしてました。手応えありな感じ。

そのお客様から二日程前に
「そちらは高知駅に出店してた刃物屋さん?」ってお電話いただき、本日ご来店。
その時見てくれてた菜切り包丁をお買い上げいただきました。8ヶ月後のお買い上げ。

「あの時チラシもらったけど失くしてしまって、確かいの町の刃物屋さんやったって記憶をたよりに電話帳で調べたり、娘にインターネットで調べてもらって探し当てた。」って。

うれしい。

遠いところ本当にありがとうございました。

イベント出店の大切さ、実際のその日の売り上げ以外の部分の大切さが実感できました。PRってこういうことや。接客した人を全部獲得できるわけではないけれどこうやって遠いのに探してまで来ていただけることもあるわけです。うん、本当にうれしい。

出会ったその日は必要なくても「あ、鋏欲しい。包丁欲しい。」って思った時に思い出してもらえるようにいろんな場所へがんがん出て行かんといかんし、思い出してもらえる職人でおらんといかん。そして何より、感じのいい兄ちゃんでおらんといかん。

そんなことをあらためて思いました。

こんな風に包丁ひとつ買うために大豊から探して来てくれる人もおる。

この前は10月の刃物まつりでたまたまうちの包丁買ってくれたお客様が「よう切れる!けんど落としてちょっと欠けたがやけど直るかえー?」って奈半利からわざわざお店まで来てくれたり。

東京から高知へ帰省する度に「砥いでー。」ってしっかり使ってくれてる包丁を持って来てくれる人もおる。

グローバリゼーションやね。

やっぱり精一杯の仕事しちょかんといかんろ。

ねぇ!

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本屋さんでがっつり立ち読みした後に吸うタバコはうまい。

ここ数日はなにやら書くネタが浮かばないのでこんな些細な幸せをご報告してみました。

それから気になったのは「ホソガイハジメ」。

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「そこまで言うか…。おまえも偉うなったにゃあ…。」

こんなこと言わせてしまって一瞬ひるんでしまいましたが、それで良い方向に向かうのならばそれでえいじゃん。

あー、タタカッタ。

そんなセリフを引き出すくらいがんばって闘った証ということで。

結果を出さんと責任がのしかかるとこまでやっとたどり着けた感じです。

さぁ、いろいろ考えながらいっぱい仕事せんといかんぜよ。がんばる。

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先週、家庭教師の依頼がありました。

受けました。

元教え子である「とおる」と「かれん」の妹「ありさ」です。高一です。

ここまでは面倒見んといかんろ…。
今晩久しぶりに行ってきます。

がんばって仲良くしたいと思います。

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りょうじ(りんのチームメイト)のお母さんに聞かれたので書きます。

「パソコン直った?」

ご迷惑、ご心配をおかけいたしましたが復旧いたしましたのでご報告。

前回書いたセミナー後の懇親会の終わりに町長が声をかけてくれました。握手しながら

「町内のあちこちでおまんくの刃物を見かけるようになってうれしいぜよ。」

ありがとうございます。

3年前のあるイベントで町長さんの包丁を砥ぎ直したのが最初の関わりだったような…。

いの町商工会の青年部に誘われたのをきっかけに、町内のイベント・お祭り・会合に声かけてもらって都合の許す限り出続けた結果、いろんな方に出会うことができ、いろんな場所にうちの品を置かせてもらえてます。
今となっては町内だけでなく高知市内や県外へのイベント出店のお話なんかもいただいてます。

同業者の枠だけで過ごしてた頃とは違う繋がり、広がり。同業者や取引先との付き合いだけで工場にこもって仕事してたら全然種類の違う職人になっていたことでしょう。

いろんなところに顔出してきてよかったなぁと再認識。

町長さんとの握手でそんなことを思いました。

これからもどこへでも出て行きますのでどんどんお声かけください。
おそらくたぶんこれからは声をかける側にもなっていかんといかんがやろうなぁ…。

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一昨日、あるセミナーに行ってきました。いの町商工会主催。タイトルは「集客のアイデア」みたいな感じやった気がします。佐賀県の広告デザイン会社の社長さんの講演でした。詳しくは部長ブログで。

商売のポイントから、チラシ作成のテクニック、お客様との関係作り、新しいアイデアのひねり出し方、それから最後に商売する上での心構え。

習ってきました。

テクニック的なものは非常に勉強になりました。活かしていきたいと思います。

心構えの話は常々考えていることでしたが、先生と呼ばれる人の言葉になると、自分の考えがなんだか裏付けてもらった気がして気分良かったです。

一番残ったこと。

「お客様の期待に応えるとお客様は満足。期待外れだと不満。お客様をだますと怒りになる。
反対に期待以上だと感動してもらえる。それを越えると感激になる。その上をいくと感謝にかわる。」

怒り<不満<満足=期待<感動<感激<感謝

だそうです。

「けれど満足を目指しても満足すら得られませんよ。それ以上の感動、感激を目指して仕事してやっと満足にたどり着けます。お客様は厳しいですよ。」

うすうす感じていることでもわかりやすく教えてもらうとやる気に変わるね。

よい勉強になりました。

その後の懇親会ですかさず先生に近づいて自作手書きのはさみ屋リーフレットを見せました。

「こんなん作ってるんですけど、どうっすか?」

「いいと思いますよ。職人って堅いイメージですけどやわらかく書けてて良いです。こうゆうのをみんなに広めてあげてください。」やって。

まるで「お手本になれるよ」って感じに誉められてホッとしました。が、それで終わり。

「ここをこうすればもっと良くなる。」って鋭いご意見を無料で手に入れたかったがやけどなぁ。

求めたお言葉もらえず。
作戦失敗…。

まぁ、このリーフレットも配り始めてそろそろ一年になるし、今回聞いた話を活かしてリニューアルも考えていきたいと思います。

乞うご期待。

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はさみ屋のホームページを作ってくれた人がいます。この方はホームページ制作屋さんではなくてインターネット通販を生業としてます。
仮にストリームラインさんとしましょう。

はさみ屋の鋏を使ってくれてる植木屋さんがいます。

月に1、2回不定期ですがはさみ屋の前でポン菓子を作って売るポン菓子屋さんがいます。

登場人物は以上です。あ、ポン菓子屋さんの奥様がいました。

一昨日、植木屋さんとポン菓子屋さんご夫妻をストリームラインさんに紹介してきました。

それぞれ雑談の中で

「植木剪定の前と後のちがいを写真撮ってブログとかで発信してみたい。」

「ポン菓子をネットで売っちゃろうと考えゆうがやけどどこに頼んだらえいかまるでわからん。いくらかかるが?けど絶対やりたい!」

「こんな人おるで。」って話をストリームラインさんに話したら「そんなニーズがあるならやってみようか。」ってことでご紹介。費用もとってもリーズナブルな設定になってます。頼みやすい。これ大切。

はさみ屋がホームページで大成功しているかどうかはよくわかりません。やり方によってはもっと売れる、売るべきなのかもしれませんが今のところそこそこご注文もいただきながら損することなくやってます。

そんなホームページを「この人に頼んで良かった。」って思うこと。
困った時に助けてくれる、わからんことにきちんと答えてくれます。余計なことまで答えてくれます。
つまりは、作りました、はいどうぞ、ってただのホームページ屋さんとはちがいます。
運営、商売しながら起こりうる疑問や対処法を教えてくれます。充実のアフターサービス。
(その都度請求書が発行されるなんてこともありません。ですが、コーヒーくらいは飲ませましょう。)

パソコンの技術的なことからお客様とのやりとりのノウハウ、売上を作るための戦略まで。通販会社だから全部乗り越えてきてる訳です。扱う品が違うので全てあてはまる訳ではないけれど参考にはなります。そっから先は自分で考えるべし。取捨選択してアレンジ。本当にいらんことまで教えてくれます。

だから紹介しました。

自分の経験からしゃべればいいのでおすすめしやすいしやすい。営業マンてこんな気分か。

みんなうまくいけばいいなぁ。

ネット通販始めたい方、通販はしないけれど会社案内のホームページ作りたいとお考えの方、いいとこ紹介しますよー。
あ、また営業しゆう。

以上、1日に2件のお客様を引っ張ってくる敏腕営業マンでした。

はさみ作れや。

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