鍛冶屋日記

年: 2011年

「そんなんじゃ友達なくすよ。」
「残ったもんが友達だろ。」
映画『たみおのしあわせ』より。
清志郎さんのセリフ。いい言葉。でもそんな風には生きられません。

昨日の話です。

土曜日のひなまつりで久しぶりに会った小学校の同級生の女の子、ゆきちゃんが電話をくれました。

「お母さんに話したら包丁が欲しいって言いゆうき連れて行く。砥ぎ直しも頼みたいし。」

うれしい宣伝です。ありがとう。お待ちしてます。

午前中、たいちゃん(高校時代からの友達)がお店に寄ってくれました。お店の前にあるうちが管理する自販機の缶コーヒーをおごってくれました。

ごちそうさまでした。

夕方、みのるちゃん(涼太の友達のお父さん)から電話がありました。

「生きちゅう?」
「生きちゅうよー。」
「そうか。しばらく見てないき元気やろうかと思うて。生きちゅうならえいわ。おやすみー。」

愛されちゅうにゃあ…。

大事にしよう。

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お天気もちました。
良い天気。

こちらは毎年お隣で出店の手作りお菓子屋さん。普段はこの車で移動販売だそうです。
ホームグラウンドは百石町の『空き地』やって。かなりのんびりな空気が流れてます。
クードクール』さんです。見かけたら寄ってみましょう。
ちょっとご紹介しといてから2日目のリポート。

小学校の同級生が偶然通りかかって買ってくれたり、商工会の青年部部長が以前買ってくれてたのを砥ぎ直しに持って来てくれたり、バニーアイズの名捕手が砥ぎ直しの仕事とともにうどんを差し入れてくれたり。いくつか来た包丁の砥ぎ直しをやってたら知り合いのおんちゃんが「おんしゃあ、ようがんばるのう。」ってチオビタ2本とコロッケを差し入れてくれたり。

全然暇することなく過ごせたし売上的にも前日土曜日の5倍。

試し切りコーナーにもいろんな人が寄って来てくれました。

前を通るたびに3回も4回もトマトを切るために寄り道してくれた小学校高学年の女の子3人組

「普段お料理する?」
「トマト切るのはあたしの仕事!」
「おー、えらいじゃん。お家の包丁と比べてどう?」
「切れる!」
「よし、帰ってお母さんに宣伝しちょってよー。」

言い出しにくいけど切ってみたいなぁ、って雰囲気を漂わせてた就学前であろうおとなしそうなの女の子

「切ってみる?」
「うん…。」
「やってみいや。気をつけろよー。」
神妙な顔で切ってくれました。
「どう?切れたろ?」
「うん!」
笑顔になりました。
「よし!大きくなったら買いに来てよー。」
「うん!!」
もっと笑顔になりました。

小さな小さな種まきです。

いつかきれいなおねえさんになって、すてきなおかあさんになって
「ひなまつりの時にトマト切らせてもろうたがですよー。」って買いに来てくれたらどうしよう。

泣くね。

.

予告するのが抜かってましたが、今日は「かみのまち・いの・ひなまつり」に出店。

ぽかぽか陽気の中、包丁を砥いだり売ったりして来ました。

だいたいこんな感じです。

明日もあります。
雨っぽいなぁ…。

朝飯食ってる時に言いました。
「帰ったらすぐ宿題しちょきよ。」
「わかったー。」

晩の7時にコンビニでチンしてもらったチャーハンを届けに帰ったら真っ裸でした。
「お、風呂入ったか。」
「うん。遊びに行ってぶちこけてどろんこになったき先入った。」
「そっか。宿題した?」
「まだー。」
「じゃあこれあったかいうちに食べてすぐやっちょきよ。お兄ちゃん迎えに行ってくるき。」
「おっけー。今日はプリント一枚だけやきすぐおわる!」

サッカーの練習からお兄ちゃんを迎えて10時前に帰り着いた時はTV観てました。お兄ちゃんのと自分の晩飯を準備してさあ食べようとゆう時に思い出して聞きました。

「宿題した?」

その瞬間『ハッ!』って音がしました。

声じゃなくて音でした。

少しの間が空いて

「人ってこんなにすっかり忘れることってあるがやねぇ…。」

やって。

もう、まるで計算なし。

こんな無垢な姿見て、こんな無邪気なこと言われたら許すし。

The 大物感。

.

日曜日の晩にあるミーティングに出席。ある大きな、そして非常に困難かつ繊細なプロジェクトの話し合い。

最終的には高校の同級生350人と一緒にやりたいことながやけどまだまだ始まったばかり。
何が出来るかもわからんけどなんかしたい、せんといかんでね、っちゅうことで、先月から月一で集まって話してみようってスタートしました。

先月の一回目は3人。今回は6人。先は長い…。

けれど今回はすごく中身ある話が出来ました。人数も倍やしね。高校時代は全然話したことなかったり卒業からほとんど会ったことなかったやつらといろんな話が出来ました。議題についても、また全然関係ない話も。

そこで思ったこと。

「みんな元気なくせにいろんなもん持ちながら抱えながら生きゆうがや…。すごいにゃあ…。」

自分の浅さを痛感します。
軽い、俺。
恵まれ過ぎや、俺。
なんかそんなこと思いました。

まだまだここでは具体的なことは書けないのでわけがわからん文章になってますがこの気持ちを忘れんように書いちょきたかったがです。ごめんなさい。

ま、とにかく自分の成長のためにもこのプロジェクトを少しずつでも前進させてまいりたい所存でございます。

えーと、このブログをこっそり読んでくれた僕(あらためまして、笹岡 悟と申します。高知在住、39歳。)の高校の同級生の方、「何が始まっちゅうがな、おんしゃあ!」って連絡下さい。

すぐに巻き込んでさしあげますので。そのうち連絡は行くがやけどね。あ、全然変なことじゃないです。もちろん無理強いもしません。

よろしくお願いします。

.

このボルト抜きます。

明日入院。その原因はこちら
さぁ、忙しくなるぞー。

先日、うちの鋏を使ってくれてる植木屋さんの鋏を手砥ぎで仕上げてみました。
包丁は手砥ぎで仕上げてますが鋏は今のところ機械による刃付けです。

この植木屋さんにはそんなこともバレていて

「ちょっと僕の鋏も手で砥いでみてくださいよー。」

そんなわけです。

手で砥ぐと刃が通常より薄く仕上がるので切れ味は上がるにちがいない。けんどトマト切るわけじゃないし…。
それより木を切るための強度とか耐久性の方に心配がありました。弱くなるんじゃないろうか。

そんなことも伝えた上でお渡し。

翌日、電話がありました。

「いいっすよ!切れ味2割増しっす。」

その後、数日使ってもらってからの感想も

「問題ないっす。2割増しの切れ味がしっかり持続してます。」って。

うん、そんなにちがうのか。わかる人にはわかるがや。

今後は鋏もそうやって仕上げることも考えていかんといかんね。いいヒントをいただきました。
けど、今すぐ全部変えることはできません。すみません。時間的な問題です。余裕がないっす。
今は普段の仕事と包丁砥ぐので手いっぱいです。ごめんなさい。もちろん求められたらやります。要求して下さい。

今回そんな風に「もっとえいもん作ってやー。」って要求してくれた植木屋さんがブログで誉めてくれてます。

はさみ屋が誉められてるの読みたい方はこちらをご覧ください。

まぁ、半分「サクラ」です。
ほとんど「はさみ屋の回し者」です。

だってこの植木屋のにーちゃん、出会って一年半足らずでもうすでに『麻雀仲間』ですから。

いや、『敵』か…。

.

昨日、涼太くんの中学校で「親子ドッジボール大会」がありました。学校行事。

保護者チームは三連敗であっさり予選リーグ敗退、涼太くんのクラスは決勝進出!

決勝進出の2チームが整列して、さぁゆっくり決勝戦を観戦、息子の応援しよう、ってところでマイクを持った先生が怒り始めました。

「大変残念なことが起こりました!」

「なになに?」って思って聞いてたら

「この中に卓球部のピンポン球を勝手に取って来て遊んでる人がいます。今ピンポン球を持ってる人はすぐに○○先生に渡して下さい!大会中止になりますよ!」

誰なやー、って思いながら先生の視線の先を見るとまず目に入ったのは陸人(鴨田FCOB)が隣の子にピン球をなすりつけてる姿。ずるい…。

それから健太(鴨田FCOB)が立ち上がり先生にピン球を渡しに行く。翔(鴨田FCOB)が、翔悟(鴨田FCOB)が先生にピン球を…。先生の怒りの標的の8割は知ってる顔でした。

おいおい…涼太の元チームメイトだらけかや…。(残念ながら涼太は決勝進出のためこの事件には無関係。)

「さすがやにゃあ、鴨田FC。あのメンバーのうちの一人になりたいにゃあ…。」って思ってたら僕のすぐ後ろにいた直樹(またまた鴨田FCOB)がこっそり話掛けてきました。

「ねぇねぇ、涼太の父さん。あのピン球最初に取って来たがぁ俺ながよね…。」

「おまえのせいか!」

「うん。あそこの倉庫から20個ぐらい取ってきた。」
ってはにかんだ笑顔で言ってきます。

もうその口調が

「先生はあいつらを怒りゆうけど本当は悪いがは俺ながで。」って感じじゃなくて

「先生はあいつらを褒めゆうけど本当にえらいがは俺ながで。涼太の父さんだけはわかっちょってよ…。」

って感じながです。

「うん、えらいぞ、直樹。おまえ、かわいいのう。俺はおまえが好きや!」

って気持ちで胸がいっぱいになりました。

いいなぁ、中学生。

いいなぁ、涼太。

素敵な友達いっぱいや。

俺はおまえらの同級生になりたいぜよ、心からそう思った一日でした。

.

昨日の日曜日は昨年9月以来の『おかみさん市』、帯屋町での売り出しでした。
毎月第一日曜日に行く帯屋町はいままで基本的に父の仕事でしたが今月から乗っ取らせていただきました。

乗っ取り記念にまな板を持って行きました。昨年春から頭にあった企画で秋にはまな板も買って準備してましたがようやく実現、実行。

『試し切りコーナー設置大作戦』です。

朝行って商品並べて砥石を構えてから砥ぎかけの包丁を砥いで仕上げました。

それからまな板の上にトマトを出して柄もついてない砥ぎたての包丁で切ってみました。

「よし!」

(切る対象としては、トマトは水分が多い、ナスは色が悪くなる、キュウリでえいやん、とかいろんな議論がありましたが、切れ味実感にはやっぱりこれや!ってことでトマトにしました。一種類じゃなくていろいろ構えて行ってもえいかもね。人参、玉葱、ジャガイモ持ってって晩飯はカレー作ります、みたいなのもありや。)

そんなこんなで、さぁ、誰でも切って下さい!って置いちょったけど誰も切ってくれません。

一組の若いご夫婦が包丁を買ってくれそうだったので
「切れ味試してみてください。」ってお勧めしたら切ってくれました。
奥様が小さな声で「うはっ!」って言ってくれました。買ってもらえんでもそれだけで満足です。無事お買い上げいただきましたけど。

包丁買うつもりがない方の財布の口を開かせるほどの効果はないかもしれませんが、「欲しいと思うちょったけどこの兄ちゃんの包丁に決めてえいがやろうか?」とか「ちょっといつも買うのより値段はるけど本当に切れるが?」ってお客様への一押しにはなるんじゃないかと思います。

次回からはもっとたくさんのお客様にトマトを切ってもらうために「試しに切ってみて!」ってPOPを作っていかなければ、と思っています。

次回のイベント出店は月末26、27日の『かみの町・いの・ひなまつり』です。

その翌週はまたまた『おかみさん市』。3月6日の帯屋町は『とさのおきゃく』も開催されるようなので人も出るはず。よし、いっぱい持って行こう。

あ、野菜じゃなくて包丁をね。

.

「おまえ、自由気ままか!」
ほらね、やっぱり怒られた。ごめんなさい。

とあるソフトボールチームの飲み会における小学校からの幼なじみ3人の会話。
しゃべってるのは、ゆうせい(ゆ)しげる(し)さとる(さ)。

ゆ「うちのメンバーを『ONE PEACE』で言うたら誰が誰やと思う?」

し・さ「んー。」

ゆ「やすひろ(4番ショート)はゾロやろ。」

し・さ「うん、ゾロや!」

さ「じゃあひろや(5番)は?サンジ?」

し「全然ちがう。ひろやはエロくないも。あいつもゾロ。」

ゆ・さ「うんうん。」

ゆ「じゃあおまえ(しげるっち)は?ウソップ?」

し「いや、…ウソップは…偉大過ぎるろ…。」

そう言えるあなたが偉大だなぁ、と酔っ払った僕は思いました。
なんだかグッときたけど3人とも今年40歳になります。

その日の帰り、夜中の2時に車の中で 「俺にニコ・ロビンの強さがあったらにゃあ…ってマジで思う…。」ってつぶやくしげるっちがいました。

去年の夏、試合の前に
「『ONE PEACE』読みゆう?あれすごいぞ。子供に人気かしらんけどあの漫画の本当の良さは絶対子供じゃわからん。」
ってしげるっちに教えてもらったけれどほったらかしで過ごして来て、今年になって(りんくんのおかげで)読み始め、まだ37巻までしか読めてない僕にはそのニコ・ロビンの強さってやつがまだ見えてません。
でもウソップの偉大さはしっかりと感じております。そして37巻までで4回泣きました。

50歳になっても60歳になってもこんなこと言いゆうがやろうにゃあ…、幼なじみ。

あ、これは今日見せてもらった教え子かれんの卒業アルバムの寄せ書きページ。
卒業やってさ。

今年の恵方は南南東とか西南西とか聞くけんど

「今年の恵方は西!」

みたいなすっきりした年はないのか。
16分割ながやき4年に1度はそんな年があってもえいのに、って思いました。
そんな単純に順繰りで決まるもんじゃないがかもしれんけど、ちょっとうさんくささを感じます。
なんかありがたいもんね、『東北東』とかの方が。『南!』よりも。

今日は商工会青年部の会。
27歳の若きクリーニング屋さんの話を聞きました。
『岡田クリーニング』の後継ぎの池田くん。複雑です。お母さん方のおじいちゃんの仕事を継いだからそんなことになったそうです。

競合大手との差別化、お得意さんの高齢化、若い世代へのアピールなどなど、どこも同じような課題を抱えてるなぁ、という印象。

今まで乗り越えてきたこと、これからやろうとしてること、伝えられることは伝えられたらいい。

仕事始めて一年半、「技術はまだまだです。」っていう池田くんですが大丈夫な気がします。

なんだか職人のにおいがしたき。きっと大丈夫。

お客さん側としても、せっかくクリーニング屋さんで食っていこうと飛び込んできたこういう若い技術者を育てちゃらんといかん気がする。未熟でもあえて頼んで文句言って要求して一人前にする。そんなお客さんもおってもらいたいなぁ。なかなか難しい話ですけど。

そんな気持ちで母に聞いてみました。
「こんな若いクリーニング屋さんがおるがやけどどう?頼んでみようと思う?」

「上手ならね。」

やっぱそこかー。

がんばれ。

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