鍛冶屋日記

年: 2009年

本日は『くらうど』さんでのイベント三日目。
二日目の昨日はお昼から雨でお客さんも激減。午前中は結構賑わってたのに午後はさっぱりでした。

今日は朝からいいお天気。県外ナンバーの車もたくさん、観光バスも時々来たりしてうちの包丁や鋏も兵庫や愛媛に旅立って行きました。
くらうどの料理長さんもカシューのナイフを買ってくれました。「かっこえいっすねぇ。」って言いながら初日から値切られ続けたけどなんとか踏ん張った値段で。

研ぎ直しは三日間とも12~13丁。これくらいが限界です。日に日に腕も足もパンパンになっていきました。今日もしあと3丁持って来られたら「持って帰らせて下さい。明日届けます。」って言うちょったと思います。

さすがに三日間のイベントはしんどいです。でも出先での研ぎ直しには自信がつきました。今日の3時まで流血せんかったし。

また明日から普段の仕事に戻ります。

休みないなぁ。

本日は道の駅『くらうど』さんでのまちかど市テント村一日目。

始まってまもなくお隣のテントで藁焼きたたきが焼けました。

それから
「この包丁いかんぞ。切れん。」
っていう声が聞こえてきました。反射的に
「切れる包丁あるで。買うてや。切れんかったら返品してかまんき。」
で、押し売りしました。

そしたら
「うわっ、めっちゃ切れる!さすがや。」

そうでしょうそうでしょう。なぜならそれはさとるコーナーの一丁ですから。しかもそれまで切れないステンのやつでカツオさんを切っていたので余計に切れ味の違いを感じるはずでございます。

「今お金無いんでタタキ売れてからでいいですかー?」
「おぅ、かまんかまん。」
ついでにそれまで使ってたステンのやつをサービスで研ぎ直し。

その後はポツポツ包丁売れたり包丁を13丁研ぎ直したりしてました。
お隣さんもタタキが完売したようで4時間後に無事売り上げ成立。

暇な時間もあったり研ぎが集中して忙しくなったりしながら一日目が終わりました。

明日はお天気が心配ですがまた二日目も頑張ってきます。

藁焼きたたきは一舟400円、一節2000円です。

「香川県の川崎さんてお客さんから電話。」
って母に言われて電話に出たら
『神奈川県川崎市の○○さん』でした。

素晴らしい電話の取り次ぎ。天然なので許しました。

明日からの三連休、いの町の道の駅『土佐和紙工芸村くらうど』さんでイベントがあります。まちかど市テント村として、いの町で出来たものやよそで出来たものが売られます。もちろん焼き鳥や牛串などおいしいお店も出ます。藁焼きたたきもあるそうです。

そんなイベントで刃物研ぎをします。
「うちの包丁ちょっと切れんぜよ。」って人は持って来て下さい。
たぶん忙しくはないのでしっかりじっくり研ぎますよー。必要以上に時間かけて。

明日から3日間、21・22・23日です。土、日、月です。
仁淀川です。こんな夕日が見れます。

日曜日は雨降りそうです。
雨の場合は中止になるかもしれません。ご注意下さい。

仕事着でお待ちしております。

昨日、子供達を雑貨屋さんに連れて行きました。

「今からお店に連れて行っちゃおきお母さんに誕生日プレゼントを選びなさい。それぞれ一個ずつ。お金は気にせんでかまんき。」
「はーい。んー、バッグとか?」
「…あんまり高いがはいかんで…。」
「いくらまで?一万円?」
「…値段は気にせず選んでかまんき。とりあえずえいって思うのがあったら言うてくれたらその時判断するき。」
「はーい。」
「えいかや。プレゼントは値段じゃないがぞ。あげる人のことを思って、これ喜びそうとか、これ似合いそうとか、自分がこれかっこえいって思うものをあげたらえいがやき。」
「わかったー。」
「その人を思って買いに行く時間とか選びゆう時間が大事ながやきにゃ。」

むしろ、いかにお金をかけずに喜ばすかってことを追求してきた親父の流儀を少しだけ教えてやりました。生まれてこのかたいっぱいお金を持ったことがない男の言い訳を正当化しただけやけど。

キリンがさかだちしたピアスでえいがやき。たぶん800円ばぁで買えるはず。
シャガールみたいな青い夜らぁてたぶんただやしね。

涼太くんは自分で選んできました。凜くんは悩みよったきアドバイスしちゃったけどきちんと最後は自分で決めました。

無事今日プレゼントすることが出来ました。

ほらね、喜んでくれたろ。

こんなご注文がありました。

旦那様から奥様への結婚記念日のプレゼント。メッセージ入り。
反対側には「2009.11.15」の日付が入ってます。

まっすぐ。ストレート。

とっても素敵だと思いました。

「ありがとう」って言わんといかんね。

土曜日の朝起きたら喉が痛くなってました。
すぐに喉の痛さは落ち着きましたがそれからずっと風邪っぽいです。

昨日の日曜日はいの町のすこやかセンターにて『健康まつり』というイベントに出店して来ました。お天気も良くたくさんのお客さんで賑わってました。ただ出店した場所が会場の離れの日の当たらない寒い所で僕達のお店の前の人通りはまばら。あまりに暇だったので店番放り出して、会場に来ていた献血バスで献血してきました。
AB型を400ml。

血と引き換えに歯磨き粉と卵6個をもらって持って帰ったら奥さんが「よくやった。」って褒めてくれました。おみやげに買って帰った一個160円の焼きたてメロンパンよりずっと喜んでくれました。さすがやね、生活必需品パワー。一瞬、誕生日プレゼントも上質なティッシュとかいい香りの洗剤とか美味い米とかにしようかと思いました。

それから凜くんの自転車のパンクを直したり、お風呂で涼太と凜の髪を切ったり、太刀魚をごちそうになりながらビールを飲んだり、朝3時まで遊んだりしてました。

今日は朝からだるいです。鼻水ズルズルです。咳もようやく出始めました。

仕事しててもずっと熱っぽいので朝から何度も何度も熱を計りましたが決して36.5℃を超えません。

しんどくてもだるくても数字が挙がらない限り単なる寝不足です。

丈夫に出来ちゅうにゃあ、俺、って思いました。

無事是名馬。

契約書がやって来ました。
残念ながら今週中に。でも黒いスーツじゃなくて紺のスーツが。ちょっと年上かなぁってくらいの人でした。しかも黒いスーツとは別の会社らしい。

黒いスーツの人の会社は「自販機置いて下さい。」って開拓するだけ。
これからジュース売って儲けるのは紺の人の会社。
ちなみにジュースを詰めに来たツナギの人もまた別会社。
あぁ、ややこしい。

もちろん文句言いました。

「ちょっとほったらかし過ぎですよ。すぐに来れんでも電話は入れれるはずです。もう機械持って帰ってもらおうと思ってました。」

謝られます。でも響いてない感じ。この人謝り慣れちゅう。やっぱりこういう時はキレて怒鳴るくらいの方が効くがやろうなって思いました。難しい。
黒いスーツの兄ちゃんに責任を押し付けようとする感じも見えたので「それはきちんと引き継いでないあなたのせいです。」って言ったけど、「すみません。」で済んでしもうた。

モヤモヤです。

それから黒いスーツの若い兄ちゃんは会社を辞めたと聞かされました。あの子が来たき置くことになったがやのに。

なんだか切ない。

彼を立派な営業マンに育ててやることが出来ませんでした。
もっと早く呼びつけて注意しちゃったら良かったなあ。辞めるにしても次の仕事のためになったがやないかなぁ。

そんな感じでモヤモヤしたり黒いスーツの若者の行く末を案じたりしながら、主役が僕の前から消えてしまったので、この物語は完結です。

つづきです。

翌日、機械の設置がおわり
「ありがとうございました。」って黒いスーツが帰ろうとするので

「契約書とか書かんでえいが?」って聞きました。

「あ、また来ます。」
「はい。」

それから10日程連絡なし。ほったらかし。ちょっといかんにゃあ、って思ってるところに配送の兄ちゃんが自販機にジュースの補充に来ました。

そこで親父がキレました。
「アサヒさんはどうなっちゅうがな!機械置いたっきりなんの連絡もないが!」

助けに入ります。

その兄ちゃんに言うてもいかん。ジュースを詰める係の人やき。関係ないのに怒鳴られてむごい。ほったらかしにしちゅうがは黒いスーツの人。そのツナギ着た人はわるくない。
親父をなだめてツナギの兄ちゃんに
「ごめんよー。」って言ったら
「すみません。どうなっちゅうか連絡してみます。」電話してくれて
「来週来るって言ってます。」
「わかったー。」

その来週はもうすでに今週です。案の定、音沙汰はありません。今週も残り少なくなりました。「来る。」言うたがやき来れんなら来れんで電話入れんといかんと思います。そのあたりの感覚が不思議に思えます。

もし今週中に連絡が無ければちょっと懲らしめてやろうと思います。

親父のように上手に怒鳴れないので、冷静に言います。

「もうかまんき機械持って帰って。」

ドキドキしてきた。

うちの工場の前にはジュースの自動販売機が並んでます。Dydo、KIRIN、SUNTORY。

10月の初めにアサヒさんが営業に来ました。
「自販機置かせて下さい。」
二十代半ばの今風のちょっと男前な黒いスーツの兄ちゃんでした。条件がまあまあ良くて絶対損せんシステムだったので置いてみることにしました。
「かまんよー。置いてみいや。」
「ありがとうございます!」

それから三週間近く何の連絡も無し。どうなっちゅうがやろうって思いよったら突然電話がありました。

「明日10時に設置に行きます。」
「はい、どうぞ。」

五分後にまた電話。

「今、上司からお電話がありまして11時に変更になります。」
「…はい。」

『上司からお電話』はおかしいと思いました。

つづく。

前言撤回。
ないないと思っていた暇がこんなところにありました。

おそらく自分史上最長だった髪の毛を切ってきました。

「えい長さやん。どこ切るがですー?」
「どうします?はげしい感じ?やさしい感じ?」
「ボブが流行っちゅうがですよねー。」
って美容師さんと話した後、オーダーは『ばっさり、やわらかい感じで』。
しばらく悩んだ美容師さん。「よし、イメージできた!」って切り始めました。どうやらボブをベースにアレンジするらしい。

途中で
「オトメンみたいになったらどうしよう…。」とか
「これで前髪パツパツに切ったらふかわりょうですよー。」とか
「あ、今松っちゃんの映画の時のヅラみたい。」
とか言いながら鏡の中で半笑いで仕事するボンニー南国店マネージャー。

「写真持ってきたりしてこれにしてって言われるより、こうやってざっくりがっつりまかせてくれて自由にやらせてもらう方が難しいけど面白いですよー。」
「自分の中に笹岡さんはこう、っていうイメージの芯みたいなのが一本あってそれに沿っていっつも切ってます。」
これもまた職人。クリエーターってやつか。

完成したあとのアドバイス。

「これで一日、二日風呂入ってない感じでスタイリングしてくれたら完璧。」

汚いのと紙一重のところにあるかっこよさを狙えってことだそうです。

髪切るのって楽しいなあ。

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