鍛冶屋日記

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黒目に鉄粉が刺さりました。

「なんか目が痛いにゃあ…。」って感じで仕事しましたが、夜になるとどんどん痛くなって眠れませんでした。
翌朝、病院に行きました。

「刺さっちゅうねぇ…。よし、異物除去!」

って言われて、カリカリって取ってくれました。

「本体は取れたけどまだ細かいサビが残っちゅう。まばたきするたびに取れていくと思うけど、また来てね。目薬出します。」

だいぶ楽になりました。

帰って親父さんに報告すると
「この仕事しよったらよくあること。」

(僕の場合はコンタクトしてるからかこの痛みは初体験。)

親父さんの話は続きます。

「自分の弟子時代は兄弟子のを取ったり兄弟子に取ってもろうたりしよった。シュロの箒の先っちょをガジガジって噛んぢょいてピンってはじいて。」

「……。」

「取るのがものすごい上手な兄弟子がおったわ。」

時代…。

きちんと防塵ゴーグルつけて仕事しましょう。

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次の日。

お昼にとっしゃん家でアヒアンのイスラエル料理をごちそうになってから再び工場へ。

どんなナイフを作りたいかを聞いてオヤジさんにアヒアンを預けました。オヤジさんあっさり引き受けてくれます。こういうとこやっぱりでかいね。

教える職人と教わる旅人。

鋼材を焼いてハンマーで叩いて延ばしてざっくり形を作ってからグラインダーで成形。さらに細かいバフで磨くとこまでアヒアン自力。

焼き入れはオヤジさんがやりました。

その後また習いながらアヒアンが自分で機械で砥いだところで

僕の出番。砥石で刃を付けて出来上がり。

「出来たよ。」って渡してあげるとうれしそうな笑顔。

「スゴイ…。イチニチデ…。」
自分のヒゲに刃を当てながら
「オー…、シャープ…。」

本当にうれしそう。

なぜだかアヒアンナイフは7丁も出来ていたので最後の2つは仕上げ砥ぎも自分で。

「むずかしい?」

「ムズカシイ。デモ、ムズカシイハイツモオモシロイ。」

苦労しながら刃付けも終わり、最後に椿油で拭き上げてアヒアンナイフ7丁完成。

ケースを付けて「どうぞ。」って言ったら「ゼンブ?」って。

「イスラエルに持って帰って友達にあげればいい。これから旅の途中でお世話になった人にプレゼントすればいい。『ボクガツクリマシタ。』ってね。」

「オー…。アリガトウ。」

仕事を終えて再びとっしゃん家で晩ごはん。
さっそく2晩泊めてくれたとっしゃんにナイフをひとつプレゼント。めちゃ誉めてくれて喜んでくれたね。

その日は8時から用事があったのでお別れです。

「アヒアン、I have to go….」

握手しました。ハグしてくれました。

「アー、ササオカサン、ホントニスベテノexperienceガオモシロイデシタ。アリガトウ。」

「いえいえ、どういたしまして。じゃあね、バイバイ。」

クールにお別れしました。
うれしそうなはにかんだ笑顔がめちゃくちゃかわいいやつでした。いい子でした。

その晩、もう二度と会えんがやぁ…って思ったらさびしくなりました。

翌朝も仕事しながらずっとさびしいさびしいって思ってました。

お別れの時に

「俺も楽しかった。またおいで。」

ってきちんと伝えればよかったなぁ…。

元気でね、アヒアン、またおいで。

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来ました。

「名前は?」

「アヒアン。」

ユダヤ人・189㎝・デカい・23歳。

月曜日のお昼にやって来て半日仕事をじっと見てました。

「Try?」

「ハイ。」

テントを担いでヒッチハイクで日本縦断している(西表島から沖縄・九州・山口・広島を経て愛媛から高知に入って、この後北上するらしい)アヒアンに聞きました。日本語は充分通じます。

「今日はどこで寝る?」

「ンー、キマッテマセン。」

一人の友達の顔が浮かびました。神戸出身、いのへ農業しに来て古民家に一人暮らししている「とっしゃん」です。この前アルゼンチンからの旅人を受け入れていた素敵な友達。

「イスラエル人泊めちゃってくれん?」
「まじっすか!?いいっすよ。」
あっさりOK。宿確保。

晩はちょうど飲み会の予定があったので一緒に行って晩ごはんとビールとワイン。
宗教上の理由で食べられないものがいっぱい。エビ・タコ・イカはダメ。
「ウミノモノハサカナダケ。」
「オニクヲタベテ3ジカンハミルクカラノモノ(乳製品・バターを使ったお菓子も)ハタベナイ。」

日本人なら言うはずです。

「エビおいしいのに…。」

それからとっしゃん家へ預けに行って3人でしばし語らいました。

イスラエルには兵役が3年間あること。女の子も2年間あること。それを終えたらだいたいみんな長い旅に出ること。イスラエルで忍術を習ったこと。日本に来て3ヶ月半。高知に来たのは日曜市を見るため。
「オオキイマーケットハモノモヒトモイツモオモシロイ。」
高知の後は香川で讃岐うどんを食べてから神戸の教会を目指し、さらに北海道までヒッチハイクで行って飛行機で戻って富士山に登ること。9月にイスラエルに帰って10月から大学に行くこと。

異文化聞くのとても楽しい。

こんな旅を経験してダメな大人になるはずがない。

2人でとっしゃん家まで歩く途中でアヒアンが静かに言いました。

「アシタハ、ナイフツクリタイ。」

あ、明日も来るがや。

「オーケー。お昼に迎えに行く。」

続きます。

.

今日は帯屋町でおかみさん市。

売れませんでしたが11丁砥いでお預かりが5丁。

繁盛しました。

いろんな人が立ち止まって話してくれたりリーフレットを持ってってくれたり。

そんな中一人の外人さんに話かけられました。

「コノknifeハドコデデキテマスカ?」

「ボクガオヤジトフタリデツクッテマス。」

「オー、カジヤ?」

「ウン、カジヤ。」

『鍛冶屋』って単語を知ってるめちゃかっこいい金髪の背の高い若者。イスラエル人。

半年かけて日本を縦断しているそうです。
日本語しゃべれてました。
以前、イスラエルで少し鍛冶の仕事をしていたそうで日本で鍛冶屋さんを探してたらしい。
やっと出会えた鍛冶屋さんが僕でした。

道具としての刃物そのものより鍛冶仕事の方に興味があるようで

「ツクッテルトコニイッテイイデスカ?」

「イイデスヨ。」

「アドレスハ?」

リーフレットを渡して
「コレデス。」

「アー、カンジヨメナイ。」

「オー、イノチョウイケノウチハチジュウゴノナナ。」

ローマ字でメモってました。
インターネットで調べて明日来るそうです。

「ジャア、マタアシタ。」

来るかなぁ。

楽しみ。

.

教え子ありさに沖縄土産の紅いもタルトを渡したら

「アグーせんべいがよかった。めっちゃおいしいのにー。」

彼女は修学旅行で沖縄体験済みです。

でも、今更言われても…。
お土産に買うどころか食べれてもない。

「行く前に言えやー。」

「そっか…。でも、また行くろ!」

…そんなにさいさい行けるとこではありません。

アグーせんべい。
食べてみたい。

.

沖縄に行って来ました。
商工会青年部の視察研修の名を借りた観光旅行です。

高松空港で浮かれた行動をとり飛行機に乗った途端にじんましんを発生させて沖縄に着いたら病院に直行する人。
沖縄空港で最初に渡された各観光施設のフリーチケットを翌朝琉球村に着いた時に「あ、それ捨てた…。」って言う人。
オリオンビールに「たっすいがぁいかん!」などと負けん気を表す人。
1日目のホテルに携帯を忘れて着払いで送ってもらうお願いをする人。
ソーキソバを頼んで「この肉いらん。あげる。」って僕にくれて帰りのタクシーの運転手さんにその肉こそが『ソーキ』であることを知らされソーキソバを頼んだのにソバしか食べてなかった事実を知らされる人。

少年サッカーの遠征とたいして変わらない光景です。注意するコーチがいないだけ。

そんな40歳そちこちのおっさんばっかり13人と豪華リゾートホテルに泊まって来ました。

それでも、まぁ、つつがなく視察と観光をして来ました。

梅雨明けと同時に沖縄に入り、エメラルドグリーンとコバルトブルーの海は見ることが出来ました。それから美ら海でじんべえも。

一番の収穫は1日目の晩に行った飲み屋さんでお店の人に泡盛についての質問をしたらお客さんの中に泡盛メーカーに勤める人がいていろいろ教えてもらえたことです。
日本酒との違い、原材料はタイ米であること、おいしい飲み方などなど。

素敵な優しい兄ちゃん(山形出身)だったのでメーカーの名前を聞いて酔った頭に刻みました。

こういう出会いでモノが売れるのは好きだ、と思ったので、帰りの空港でしっかりお土産に買って帰って来ました。

『松藤』

よい旅でした。
また行きたいです。

.

続きです。

夜は打ち上げ。

職人ストリートや商店街や商工会のメンバーやアーティストやアメリカ人や福岡から職人ストリートのCMを作るために来てくれた人やアルゼンチンから来た旅人や近所のおばちゃんたちと飲みました。詳しくはこちら
 
こんなとこを高校生に体験させれたら一発でファンになるにちがいない。

翌日曜日は各班にわかれて体験したこと、お店や商店街への提言の発表会。

職人ストリートに来てくれた子たちと一緒に考えました。真面目に進めようとする子に感心したり茶化すやつにイラッとしたり。でも「俺はたぶんこっち側やった。」って15歳の自分を思い出してみたり。

さらに発表内容や発表態度の審査をさせられて、35班全ての発表を聞き終えるとものすごく疲れてました。審査員って大変。

終わってみて思うこと。
この新しい試みは高校生にとってだけでなく受け入れる側の自分たちにも大変有意義だったと思います。こちらも不慣れで先生や学生さんの期待に応えきれてはないと思いますが、来年以降もまたチャンスをもらえるといいなぁ。

職人ストリートは今回一緒に過ごした高校生からいただいた提言を次回『七色の巻』(7月16日)に必ず活かしたいと思います。

159分の1でも2でも遊びに来てくれますように…。

商店街は明日から

イノビ・オーダー2.0

(拡がりと繋がりから新しい価値を見出す町歩きアートイベント)

来週月曜まで。是非。

先週土曜日は『によどがわ七色ロード~蒼色の巻』でした。

健闘むなしく大雨。

伊野商業の高校一年生159人が七色ロードでインターンシップ。
職人ストリートにも男子2人女子3人がお手伝いに入ってくれました。

お客さんはいません。
大雨なので。
町を歩くのは高校生と先生だけ。
先生方にポン菓子を売りつけまくる女子高生。

はさみ屋は売上ゼロを覚悟してたのに包丁もひとつ先生に売りつけてくれました。素晴らしい営業力。

七色のミッションの受付、案内をお願いするつもりでしたがこれもお客さんが来ないので断念して彼らに体験してもらいました。包丁砥いだりアイロンかけたりヒゲ剃ったり。

 

勉強になったのか楽しんでもらえたかはわかりません。少しは仲良くなれた気がします。雨の予報に「お客さん来なくても160人の高校生が入って来るがやき彼らをいののファンにすればいい。」って強がりましたが、やっぱりいいお天気でお客さんがいて賑わう商店街を見せたかったです。

続きます。

今日は試合でした。暑い。
忘れんように書いちょきます。

一試合目に快勝して迎えた二試合目。
1-2から最終回の表に2点取られて1-4で最後の攻撃。
それまで機能してなかったクリーンナップが踏ん張ります。

三番岡村 セカンド強襲(記録はE)

四番やすひろ サードベース直撃のヒット

五番ゆうせい 美しいセンター前

ノーアウト満塁

六番さのっち 高いバウンドでサードの頭を越える2点タイムリーツーベース

1点差

七番にお願いしますの気持ちを込めて代打しげるっち 三振

八番はなんでこんな強打者残っちゅうがよ、もう決めて来てってことで代打ひろや フォアボールで再び満塁

ヤバい流れを感じながら
九番も代打森田さん 三振

回って来ました。

一番サードです。

最終回1点差
ツーアウトフルベース。

もうみんなでがんばってつないで出来上がった場面です。

しびれる場面。集中集中。

空振りしたり見送ったりして2ボール2ストライク。
頭の中で繰り返しました。

「ダウンスイングダウンスイングボールをしっかり見てダウンスイングボールをしっかり見てダウンスイング」

打ちました。やりました。
ショートの頭を超えました。やりました。
セカンドランナーも帰って来て逆転サヨナラ2点タイムリー。

一塁ベースを回ったところでガッツポーズです。みんな喜んでます。整列して挨拶終わってもみんな喜んでます。みんな誉めてくれました。

まじで興奮しました。
帰りに車に乗ってもしばらくぼんやりしてました。

25歳でソフトボール初めて15年やり続けてきて、生まれて初めてのサヨナラヒットです。

うれしかったです。

もう本当に。

.

まだ住み着いてはいません。
立ち寄ってくれる程度です。

それでも名前は付きました。

『ルパン』(named by lin)です。初めまして。よい名前。

昨夜は「七色ロード」の会。
来週16日に迫った『蒼色の巻』の詰めとその次の『七色の巻』7月16日(日)の分の話し合い。

いろいろ話して会は9時前にお開き。
そっからが熱かった。本当に熱かった。
みんななかなか帰らない。

とっしゃん(根菜職人)が言いました。

「7月16日は絶対暑いっすよねぇ。時間ずらしたらどうです?」

今までは10時~15時でやって来ました。真夏の日中は確かに暑い。お客さんも大変です。

「15時~19時とか。」

話が回り出します。

夕涼み、夜店、夜市、焼き鳥、屋台村、ビアガーデン。こんなキーワード。

イベント終わりで飲める話になって来ました。

「えい、えい。やろう!」

酒屋さんとか居酒屋さんとか商店街にありながら今まで巻き込めなかったとこも巻き込めそうです。

さらに話は飛んで行きます。
朝4時集合で山に登って日の出を見るところまで。

(説明すると長くなるので省きますが、いの町でなぜ「七色」なのかって言う基になる碑がある場所です。七色紙とか養甫尼(ようほに)とかで検索してみてください。商店街のお肉屋さんに行くと詳しく教えてくれます。)

一般にも募集掛けますので一緒に日の出を見に行きましょう。

夜明け前から七色ウォーキングで山に登って、それから山から降りて七色モーニングをみんなで食べてゆっくりして15時から七色ロードのイベント。さらに七色ビアガーデン。

The 七色の日。

「やろう、やろう!」

朝の4時に集まることに難色を示すやつがいないところがすごい。

「おもしろそう。楽しい。やろう。」ってやつらばっかり。

本当にコロコロ転がって行きます。

きっと体はしんどいけれど心は楽しいはず。

こんなに熱い場所があるがやろうか、ってくらい熱くて楽しい。いの町は大丈夫な気がしました。

そして、この好き勝手な自由な話を止めない事務局が素敵です。
余計な段取りがどんどん増えて行くにちがいないのにみんなのアイデアを潰そうとすることなく、乗っかるところは乗っかって、しっかり背中を押してくれるいの町商工会宮脇さん。間違いなく一番大変な人やのに。素晴らしい。

好き勝手な雑談から生まれた話をきちんと形にすべく、着地点を見失わないようにこれからもしっかりがんばろうと思いました。

『七色の巻』7月16日(祝日・海の日)。

あ、その前に『蒼色の巻』6月16日(土)です。

よろしくお願いいたします。

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