鍛冶屋日記

年: 2010年

金曜日の会からの帰り道に本屋さんに寄りました。本屋さん久しぶり。今年初めてじゃなかろうか。
龍馬さんがいっぱいいました。

そこでこんな本に出会いました。
ちょっとデザイン的なヒントが欲しくてそんなコーナーの本見てる時にみつけました。
『ナガオカケンメイとニッポン』

裏表紙に見つけた「伝統工芸」の文字。土佐の刃物は国に指定されてる立派な伝統工芸品です。

なのでパラパラめくってみました。この方はデザイナーでそこから伝統工芸をみています。その先に環境問題を据えてます。

買いました。

昨日読み始めました。
ブログを本にしたものなので読みやすい。

半分ばぁしか読んでないけど、伝統工芸ってどこも同じ問題抱えちゅうがやね。
業界の体質(いろんなしがらみや一部の人だけ儲けたらいかんという平等主義)、後継者問題、何より需要の減少。

それらの打開策であるはずの国の補助金事業である「ジャパンブランド」の問題点を指摘してます。

「国の補助金で、需要の見えない商品が、デザイナーの手によってどんどん生み出されました。」

ホントや!

土佐打刃物はこのジャパンブランドの補助金で新商品を開発しました。

『鰹』
漆塗りの柄がついたカツオ包丁と刺身包丁とタタキ焼くための網、それにまな板と砥石のセットです。
誰が買う?
欲しい人はおるかもしれん。
けんどこのセットで12万円。

『誂』
いろんなタイプの包丁と漆塗りの柄の組み合わせが選べます。
ホームページで家庭用の包丁選んでみたら3~4万円。
再び、誰が買う?

刃は何も変わらん。研がずにずっと切れる訳じゃない。おんなじような包丁が何千円で買えるのに。デザイン料と柄代と箱代で何万円に化けちゅう。

この具体例を知ってたのですごく納得しました。この本読むまでそんなに問題視してなかったけれど。

伝統工芸に必要なのはそんな一発屋的な仕掛けじゃなくて、長く継続していく環境、ゆるやかに長く販売し続ける仕組みを作ることだと。それをこの人は47都道府県すべてに作ろうとしちゅう。そのためにデザインに何が出来るか考えゆう。

伝統工芸品に必要なこととして
「若いターゲットを意識すること。本質を変えずに大切なことを伝えながら若いリアルな需要に沿ったアプローチを見せて行こう。」って。
それから
「問題を抱えながらも若い作り手がもがいてるのも事実。」
この理解がありがたいです。救われた気になります。もっともっともがかなければ、と思います。

まだ読み終えてませんが、もし、こんな人が土佐打刃物を見つけた時に、きちんと対峙できる自分になっていたいなぁ、と思いました。

うん、いい本見つけた。
.

行って来ました。

闘ってきました。

勝ち取ったものがあります。その代わりにいろいろ失ってます。

確かに二つ三ついらんこと言いました。

想いがズレてるのはずっと前から分かっちゅうことです。傍観しようと思っていました。いろんな人にそう言われました。しばらく黙っちょきなさいって。でも、どうしてもそこまで達観できません。悟れません。波風立ててます。立てまくってます。乱しまくりです。俺、ここにおってえいがやろうかとすら思いました。

でも結果は自分の思う方に転がってます。
「こんな事言う人がいるのでそうします。仕方ないので。」みたいな感じですけど。

これは勝ち取ったことになるがやろか。

本当に失うなぁ。まぁ、しばらく経って全部失ってたら俺の負けってことです。
平和主義者で争いは避ける人やと思ってたら意外に好戦的な自分に驚かされてます。逃げてきただけかもしれません。しっかり闘ってみようとも思います。

愚痴やね。
ごめんなさい。

朝青龍が大好きでした。

.

ひやいっす。

仕事してても7時まわったらオートで鼻水が流れます。誰にも止められません。

そんな立春の今日は7時になる前に切り上げて『いの・まちかど市』の会に行って来ました。

この会は本当に刺激になります。常に結果に繋がってるわけでもないけれど、何やらパワーがあります。さすがは商売人の集まりです。会に来たからにはなんか結果出しちゃろう、なんか持って帰っちゃろう、って雰囲気を感じます。もちろんそうじゃない方もおられますし、あまりにガツガツし過ぎてる方もおられますが。その「し過ぎてる感」がとっても新鮮に映ります。

鍛冶屋が集まって話すると「さぁ、どうやって売るぜよ。」って集まったのにいつの間にやら「さぁ、どうやって飲むぜよ。」ってことしか決まってなかったりします。会そのものが「まぁ、飲みながら話そう。」やったりして何にも話が進まんかったりもします。やっぱり職人は商売人にはかなわんがやろうね。その呑気さも決して嫌いじゃないがやけんど。

そんな思いをポケットに忍ばせながら今日も会に臨んだのに、いくつかの報告事項だけであまりにあっさり終わりそうになって「あれれ?」って思いよったらやっぱりさすがでした。

「なんか来月への課題を設けましょう。」って提案がありました。
「こんな感じじゃ来月来る気になれません。」
ピシャリって音が聞こえました。

同感でした。今日の話なら毎月集まらんでえいやんって思ってました。

そっからまたポンポンといくつか意見が出て終わってみれば良い会だったなぁと、来月も来んといかんって思えました。

さぁ、明日はZAKURIの会です。はい、鍛冶屋が集まって話をします。

何かひとつでもいいから報告したくなるようなことがあればいいなぁ…。

.

10歳の男の子が泣きます。

普段泣かない子が泣くとよけいに痛い。
それだけしんどかったんだなぁ。
天真爛漫に振る舞いながらいっちょまえにプレッシャーとか感じてたんだなぁ。本人もそれとは気付かないうちになんかイヤな感じを察知しちゅう。

だから反省。そこはごめんなさいって謝る。それからヤツの行きたい方向を探ります。親やら周りのことは考えなくていいからあなたの心はどうしたいのか聞き出そうとします。なかなか言葉が出て来ないのでいろいろ提示してみます。
でも、提示してみてからそれはやっぱりそうあってほしい姿なんじゃないかとも思う。ありのままを受け入れますよって言いながら。また自問自答。
苦しまなくていいよって言ってから、苦しんだ先にもきっと何かあるでって教える。矛盾。

長い長い話し合い、っていうよりほぼ投げかけっぱなしの末に(むこうは泣き続けてるので)やっと一つの想いを吐き出させることに成功。
これは本当の気持ちながやろうなぁって思ってちょっと震えました。こいつの心の中は自分でもどっちへ行きたいのかわけわからんなってモヤモヤゴチャゴチャしちゅうがやけど、そんな中からやっと見つけた素直な感情。
泣きそうになるのをぐっとこらえて、よし、そうしようって伝える。よう言えた、って伝える。

まだまだ根っこまで解決したわけではないので本当にこれからながやけど。ひとすじの光ってやつです。

重たかったら捨てたらいい。
でも背負って歩く方法もあるし、そんな強さも必要。
重さを感じないようにしてあげれたらいいと思う。
ちょっと重いけど、まぁ、持てんことはないでー、持っちゅう方が楽しいし、ってなればいい。

とりあえず
「時々僕は無理に君を僕のかたちにはめてしまいそうになるけれど…。」
ってことを学びました。
わすれな草。

りんはりんです。

.

うちの奥さんが言いました。
「父さんに報告しちょきや。」
少しもじつく涼太くん。
「どした?なにした?」

「んーとねぇ、学校でお菓子食べたのがバレて怒られた。」

十数名一斉検挙らしい。

「おー、やるじゃん。父さんも小学校の時、掃除の時間に体育用具倉庫で友達と二人で隠れてガム食べよったら先生にガラガラってドア開けられてバレたことあるで。」

階段下の狭い暗い密室は甘いガムの匂いがいっぱいですぐバレました。
その時も『隠れてお菓子』が蔓延していて何人も逮捕されました。最終的に誰が最初ぜよ、ってことになり一学年上のけんいちくんが責任を独り占めさせられて、うちの教室まで来て帰りの会で謝罪して一件落着。

これは大人になってからも同級生と飲むと
「あの時のけんいちはかわいそうやったにゃあ…。」
って時々引っ張り出される定番エピソードです。

横で聞いてた凜くんが言いました。
「おー。遺伝や。」

涼太くんが呟きます。
「けど、なんでバレたかわからんがよねー。」

誰かが密告したに決まっちゅうやん。全校生徒全員にお菓子配っちょかんと絶対バレるわや。俺は現行犯やったけど。

「それでめっちゃ怒られて『きちんと親に話してなんて言われるか聞いて来い!』って先生に言われた。」

「………。」

先生ごめんなさい。
笑い飛ばした挙げ句に自分の武勇伝まで披露してしまいました。

今更怒れんしねぇ。反省。

凜くんには伝えました。
「という訳で、学校でお菓子食われんぞ。」

「わかったー。」

こんな感じです、先生。
以後気をつけるのでお許し下さい。

.

「頭えいつもりかや!」
って非難されたことがあります。
そんなつもりは全然ないけれど、筋道立てて説明したり、例えを用いてわかりやすく納得させようとするのは好きです。なので自分の中でスジが通らないと身動きがとれなくなります。一生懸命納得できる理由を探します。理不尽はいやだ。

今日はいろいろ考えてみました。
「これはちょっとチャンスかもしれん。」って話が昨日前進したので(仕事においてね)一日思考を巡らせてみました。

親父さんが機械を回しゆう音が聞こえる中、机に向かって文章やアイデアを書き連ねたりキライなパソコンに向かって調べものしたりしてました。

「あー、うちの親父は働き者やー。今の俺はなんにも生み出してないー。」って思いながら
「いやいや、これも仕事やき。」って自分に言い聞かせながら。

考えたことが具現化してはじめて今日の分のサラリーを貰えるシステムならもっと気が楽なのに。

なんにせよ、三つくらいは形にしなければならないことを見つけ出したのでなんとかせねば、と思っています。時間的猶予はあんまりなくて、全部二週間くらいで仕上げなければなりません。まだまだはっきりとは見えてきてないし。

でも、何故だかわかりませんが晩の7時頃から左側の後頭部がズキズキするので明日はあんまり考えず鋏を作ろうと思います。

ガンガン火を焚いて汗をかこうと思います。

それからまた考えよう。

.

話かけなければならない状況、でもないけれど話かけたほうがいいなぁって状況だと感じたので話かけました。
咄嗟に出たどうでもよい質問「儲けゆう?」に返ってきた答えは

「儲けてます。」

その後彼が言ったセリフ。

「そう言うちょった方がえいでしょう。不況なんて聞き飽きました。」

この人はたぶん僕の好きな類いの人。全然よく知らんしほとんど喋ったこともないけど。

素敵です。

見習おう。

.

昨日はいの町商工会青年部の月例会でした。

異業種の集まりなので自分たちの仕事内容や業界の現状をそれぞれが自分でみんなに講義するという企画が今月から始まりました。

今回は損保の代理店さんが講師でした。

保険業界の現状と見通しなど難しい話から、自動車事故の処理に関するエピソードまでとっても興味深い話が聞けました。

「金はいらんきこの顔の傷を治せって14人に囲まれたことがあります。」
「死亡事故起こした時のお葬式。行ったら怒られるし行かんでも怒られる。」
「保険かけずに走りゆう車もおる。」
「若い人も入ってくるけどどんどん辞めていく。」
「謝るのは上手になりました。」
「でも、確実にストレスは溜まります。」
「保険入っちょってよかった、あなたがおってくれてよかったって言われてうれしくなることも時々あります。」

大変や…。

結論

保険に入って事故には気をつける。
保険に入る時はこういうしっかりした人(代理店)を選ぶべし。

来月はジャンケンに負けた僕が講師。

なに話そうかなぁ。

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昨日、お客様から戴きました。

以前、研ぎ直しの包丁の受け渡しに失敗して(あやしいクスリか身代金のようですが…)包丁を紛失してしまったことがあり、ずっと気になったまま月日は流れていってましたが、この度また研ぎ直しを頼んでくれたので渡すついでに新品を1丁プレゼントしました。

そしたら、娘さんに贈りたいって包丁2丁注文貰いました。

昨日取りに来られるというので仕上げて待ってたらおみやげにカステラが。有名な老舗のお菓子屋さんのカステラらしい。うちの母も知ってました。

『菓仙 山本』

さらにご自身でお使いになるためにもう1丁お買い上げ。
そのうえご自分の包丁5丁とともにお知り合いから預かった包丁も研ぎに持ってきてくれました。
宣伝してくれてるみたいです。

もちろん少しは値引きさせて頂きましたが、何丁も買ってくれて何丁も研ぎ直しに持ってきてくれて周りに宣伝してもらってカステラまで食べれる。

こんな仕事なかなかないね。鍛冶屋で良かった。

ありがとうございました。

さぁ、しっかり研ごう。

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『あひるの空』の単行本を買おうと心に決めました。マンガの話です。
少年マガジン1号で百春のダンクが決まった瞬間でした。かっこよくてうるうるしました。
サッカー小僧に読ませたいと思いました。バスケ漫画やけど。

前から面白かったけど最近俄然面白くなりました。お父さんがコーチになってから。ヤスさんカッコいいし。誰かとこの感動を共有したいけど最初から読んでないとこのダンクの素敵さは届かんろうなあ。だから単行本買わないかん。

あー、25巻も出ちゅう…。

夜中にマガジン読んで泣きそうになるとはね。

そういやこの前広島のファミマでスピリッツ立ち読みした時もうっかり泣かされそうになりました。

『上京アフロ田中』
ロボの結婚式。

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