いわゆる伝統工芸

金曜日の会からの帰り道に本屋さんに寄りました。本屋さん久しぶり。今年初めてじゃなかろうか。
龍馬さんがいっぱいいました。

そこでこんな本に出会いました。
ちょっとデザイン的なヒントが欲しくてそんなコーナーの本見てる時にみつけました。
『ナガオカケンメイとニッポン』

裏表紙に見つけた「伝統工芸」の文字。土佐の刃物は国に指定されてる立派な伝統工芸品です。

なのでパラパラめくってみました。この方はデザイナーでそこから伝統工芸をみています。その先に環境問題を据えてます。

買いました。

昨日読み始めました。
ブログを本にしたものなので読みやすい。

半分ばぁしか読んでないけど、伝統工芸ってどこも同じ問題抱えちゅうがやね。
業界の体質(いろんなしがらみや一部の人だけ儲けたらいかんという平等主義)、後継者問題、何より需要の減少。

それらの打開策であるはずの国の補助金事業である「ジャパンブランド」の問題点を指摘してます。

「国の補助金で、需要の見えない商品が、デザイナーの手によってどんどん生み出されました。」

ホントや!

土佐打刃物はこのジャパンブランドの補助金で新商品を開発しました。

『鰹』
漆塗りの柄がついたカツオ包丁と刺身包丁とタタキ焼くための網、それにまな板と砥石のセットです。
誰が買う?
欲しい人はおるかもしれん。
けんどこのセットで12万円。

『誂』
いろんなタイプの包丁と漆塗りの柄の組み合わせが選べます。
ホームページで家庭用の包丁選んでみたら3~4万円。
再び、誰が買う?

刃は何も変わらん。研がずにずっと切れる訳じゃない。おんなじような包丁が何千円で買えるのに。デザイン料と柄代と箱代で何万円に化けちゅう。

この具体例を知ってたのですごく納得しました。この本読むまでそんなに問題視してなかったけれど。

伝統工芸に必要なのはそんな一発屋的な仕掛けじゃなくて、長く継続していく環境、ゆるやかに長く販売し続ける仕組みを作ることだと。それをこの人は47都道府県すべてに作ろうとしちゅう。そのためにデザインに何が出来るか考えゆう。

伝統工芸品に必要なこととして
「若いターゲットを意識すること。本質を変えずに大切なことを伝えながら若いリアルな需要に沿ったアプローチを見せて行こう。」って。
それから
「問題を抱えながらも若い作り手がもがいてるのも事実。」
この理解がありがたいです。救われた気になります。もっともっともがかなければ、と思います。

まだ読み終えてませんが、もし、こんな人が土佐打刃物を見つけた時に、きちんと対峙できる自分になっていたいなぁ、と思いました。

うん、いい本見つけた。
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