鍛冶屋日記

日: 2020年8月29日

どんな未来を迎えに行くのか。

今年の抱負がまだはっきりと決まってなくてずっとふわっと考え続けておりました。

こんな時代にもそれなりにうまく回っている仕事と生活の中で、何を目指して生きるべきか。働くべきか。

1月8日のブログにも「今年の抱負、まだ固まってないのでちょっと考えてみます。」って書いておられる。

決めました。
今年の抱負ではなくてこの先10年からこの先20年の目標。使命。

 

 

『後継者を作ります』

 

 

親父さんがつくった笹岡鋏製作所の後継者を作ります。宣言。

25歳ではさみ屋に就職して23年。
やりたいようにやらせてもらえてやりたいようにやってきて。新進気鋭の鍛冶師を気取っておりましたが、もう50歳がすぐそこに。一年と少し。こわい。

ガツガツ働くのも元気に過ごしてあと20年。
働き盛りの期間も後半にさしかかりつつあるような。

今、そして今からあとに買ってもらえる鋏や包丁、僕が辞めたら誰が直すのか。これからもっと年下の若い方々にも買ってもらわんといかんのに。
そんなことはずっと考えていて。

つまり、作る刃物の寿命と自分の職人としての寿命がそちこちなくなってきたような。

若い植木職人さん、困るよね。

鍛冶屋さんの後継者の作り方。
実践しようと決めました。

まず考えるべきことは、息子さんが2人います。23歳と21歳。
この2人が鍛冶屋をやるかやらないか、全くわかりません。
だって自分だって25歳まで鍛冶屋になるとかなりたいとか全く考えてませんでした。

流れです。人生どう転ぶかわかりません。
「やりなさい、やりや、やったら?」なんて言ったことはないような。
言ったことはないけれど「やりたい」って言われた時に「おー、やれや。」って言える状況は作りたいとずっと思って進んできました。

「自営業さいこー!」とか「仕事めちゃ楽しいで。」「うん、稼げるよ。」ってのはチャンスがある度に伝えてきました。

なので、5年くらいは待とうと思います。
やっぱり一番スムーズなのは「息子が継ぐ」この形。
それから、誰か別の後継者候補が先にいたら入りたいと思っても入りにくいもんね。

しばらくその枠は空けちょきます。

そのあと2人が自分の人生をしっかり見つけてそれが鍛冶屋の人生でなければ、違う誰かを探します。

「もう自分の代で終わる、だから自分だけ食べて行けたらいいよー。」ってだいぶカッコわるい。

(個人的な見解です。)

 

少なくとも10年後、60歳くらいでは息子たちなのかそれとも別の誰かなのかを見つけて

(逆かもなー。僕が見つけてもらう、僕の仕事を見つけてもらう必要があるかも)

そこから10年、教えられることは教えて職人人生を全うしたいと思います。
そして、親父さんから受け継いだ技術も工場も機械も販路も渡す。

 

あー、実現出来たらカッコいいなー。
親父さんは実現しちゅうもんなー。ほんとすごいなー。

 

こうやったらこの仕事楽しいよ。
お客さんと直接繋がるとやり甲斐ハンパないよ。

そういうことを若い職人さんたちに伝えよう伝えようと頑張ってきましたが、いまいち結果が出せないので、そういう活動じゃなくてもっと具体的に「笹岡鋏製作所を次に繋ぐ」ってことをやることにします。

 

ま、ぼんやりイメージしていたことをここで宣言しただけながやけど。

そこに向かって進むことは決めたので、応援してくれたらうれしいです。

そんな未来を迎えに行くことに決めました。

よろしくお願いします。

 

 

 

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