鍛冶屋日記

年: 2020年

黒目に小さな小さな鉄粉が突き刺さって眼科に行ってカリッカリっと取ってもらいました。
鍛治屋さんにはよくある話。

 

昨日、兵庫県小野市から若い鍛治屋さん(まだたまごかな、ひよこかも)3人がうちの工場を見学に来てくれました。

兵庫県小野市も刃物の産地です。
そこにある後継者育成施設「シーラカンス食堂」で研修しているみなさん。

 

 

楽しかったー。

鍛治屋さんになったらこんなに明るい未来があるよ。こんなやり方でうまくいってます。大丈夫、絶対行ける。

こんなことをいっぱい話しました。
おそらくたぶんあっち側はもっと技術的なことを聞きたかったりしたのだろうけど、完全にお客さまとの関係性や売り方見せ方ややり甲斐のお話。

(技術や作り方は親父さんが伝えてました。目を輝かせて話を聞く若者たちに囲まれてうれしそうに教えてました。)

いつも思うのだけれど、技術は毎日やってたら誰でも絶対に身につく。それ以上に技術だけでは生きていけない時代に入っていること。20〜30歳くらいは年下の彼らにはより一層そういう部分が求められるはず。

 

過去の多くの鍛治職人が感じることが出来なかった素敵な世界があるのです。

やり甲斐と楽しさは伝えられたかなぁ。

 

 

工場のゴミ箱に捨てられた製作途中でキズが出たり先が折れてしまった鋏たちを見て

「これもらっていいですか?」

2時間話した帰り際にひとり

「ひとつお花鋏買って帰りたいです。」

 

すごいなぁ。この意欲。貪欲さ。
がんばれ。

 

 

また今後、日々の仕事や研修の中で技術や売り方やメンタルに悩んだ時はいつでも会いに来てください。facebookで繋がったのでいつでもメッセージください。

 

僕も機会を見つけて仕事の仕方や技術を教えてもらいに会いに行きたいと思います。

 

 

なんか希望しかなかった。

こういう役割、活きるよね、俺。

 

 

 

10月1日のタバコ値上がりに向けてしっかり買い込みました。タバコ歴30年、何度も値上がりを経験してきたけど買いだめしたのは初めてです。
10月1日スタート時点で84箱。いつなくなるか楽しみです。

後継者育成失敗問題(漢字ばっかり!)について「これが原因かも」って浮かんだので次書きますねって言いながら、やっぱりやめようとか考えたりしてました。

浮かんだのは
「任せられない問題」と「コミニュケーション不足」のふたつ。

解説しようと思っていたけれど、やっぱりやめます。どうにもこうにも文章にまとまりません。

ごめんなさい。

 

 

書くことにに困ったのでちょっと切り替えて、モチベーションについて書きます。

「モチベーションでは仕事してないよ。」って思ってました。
モチベーション下がったので辞めます、モチベーション上がらないので適当に働きます、なんてあり得ないと思ってました。

けれどモチベーションが高く持てる要因は
「矢面に立つ」
「裁量権を持つ」
その上で
「フィードバックを一番最初に受ける人」だそうです。

 

自営業そのものです。
自営業最高。
矢面、裁量権、フィードバック(プラスもマイナスも)、全てにおいて全身で感じてます。

 

次世代に繋げるにはやっぱりこういう部分をあっさり速やかに渡して行く必要があるがやろうね。

 

 

すでに後継候補を抱える社長さん、明るい未来のために早く渡してあげましょう。
後継者候補のみなさん、やりがいを奪い取りにいきましょう。

 

 

切り替え切り替え。

 

 

 

『宣言』って大袈裟なタイトルで「後継者を作ります」ってブログを書いた3日後に弟子に「笹岡鋏製作所を辞めます。」って言われてから3週間、なんとも言えない日々を過ごしていたはさみ屋です。

 

 

高知県の「伝統工芸後継者育成事業」という補助金を使って受け入れた鍛治屋志望者は二人。
二人とも鍛治屋として育てることが出来ませんでした。土佐打刃物の後継者育成に失敗した笹岡鋏製作所。二回とも。
(この先10年経ったら二人とも鍛治屋さんやってたりしてくれる可能性はあるけれど。)

 

東京から来た当時21歳の若者。
福岡から来た当時45歳の女性。

年齢も性別も全く違う二人。
高知まで移住してまで鍛治屋になりたいのだからどちらももちろんやる気まんまんでした。

そのやる気が2年で別の仕事を選んだり、3年半ではさみ屋を離れたくなったり。

 

 

笹岡鋏製作所に何か問題があるがやろうね。

 

出来ることはやったし、そう思うちゅうなら言ってくれれば良かったのに、とか思ったりもしたけれど、この問題を解き明かさないと「後継者を作ります」なんて言えません。
なかなか教えてもらえないのだけれど。

 

 

10年20年かけて成し遂げたい目標を掲げたのに早くも前途多難です。

人を育てるのが滅茶苦茶下手くそな訳で。
告白されたはずが気づけばフラれてしまってる訳で。
挑戦をやめなければ失敗なんてないことはわかってるので、チャレンジは続けていきたいのだけれど、この結果は78歳にはちょっと負担が大き過ぎる訳で。

 

 

最初に研修生が一緒に働き始めたのが2015年10月1日でした。
ちょうどまるまる5年経って久しぶりに親父さんと2人きりで仕事をしています。
(5年前のお茶の時間はお母さんと3人やったなぁ。)

 

次があるのかほんとにわからなくなったけれど仕事は続いていくので今日も明日も鋏を作ります。包丁を研ぎ直します。

 

 

 

って書いてるうちに「あー、これが原因かも」って思うことが浮かんできたのでまた次回それについて書きますねー。

 

 

 

 

どんな未来を迎えに行くのか。

今年の抱負がまだはっきりと決まってなくてずっとふわっと考え続けておりました。

こんな時代にもそれなりにうまく回っている仕事と生活の中で、何を目指して生きるべきか。働くべきか。

1月8日のブログにも「今年の抱負、まだ固まってないのでちょっと考えてみます。」って書いておられる。

決めました。
今年の抱負ではなくてこの先10年からこの先20年の目標。使命。

 

 

『後継者を作ります』

 

 

親父さんがつくった笹岡鋏製作所の後継者を作ります。宣言。

25歳ではさみ屋に就職して23年。
やりたいようにやらせてもらえてやりたいようにやってきて。新進気鋭の鍛冶師を気取っておりましたが、もう50歳がすぐそこに。一年と少し。こわい。

ガツガツ働くのも元気に過ごしてあと20年。
働き盛りの期間も後半にさしかかりつつあるような。

今、そして今からあとに買ってもらえる鋏や包丁、僕が辞めたら誰が直すのか。これからもっと年下の若い方々にも買ってもらわんといかんのに。
そんなことはずっと考えていて。

つまり、作る刃物の寿命と自分の職人としての寿命がそちこちなくなってきたような。

若い植木職人さん、困るよね。

鍛冶屋さんの後継者の作り方。
実践しようと決めました。

まず考えるべきことは、息子さんが2人います。23歳と21歳。
この2人が鍛冶屋をやるかやらないか、全くわかりません。
だって自分だって25歳まで鍛冶屋になるとかなりたいとか全く考えてませんでした。

流れです。人生どう転ぶかわかりません。
「やりなさい、やりや、やったら?」なんて言ったことはないような。
言ったことはないけれど「やりたい」って言われた時に「おー、やれや。」って言える状況は作りたいとずっと思って進んできました。

「自営業さいこー!」とか「仕事めちゃ楽しいで。」「うん、稼げるよ。」ってのはチャンスがある度に伝えてきました。

なので、5年くらいは待とうと思います。
やっぱり一番スムーズなのは「息子が継ぐ」この形。
それから、誰か別の後継者候補が先にいたら入りたいと思っても入りにくいもんね。

しばらくその枠は空けちょきます。

そのあと2人が自分の人生をしっかり見つけてそれが鍛冶屋の人生でなければ、違う誰かを探します。

「もう自分の代で終わる、だから自分だけ食べて行けたらいいよー。」ってだいぶカッコわるい。

(個人的な見解です。)

 

少なくとも10年後、60歳くらいでは息子たちなのかそれとも別の誰かなのかを見つけて

(逆かもなー。僕が見つけてもらう、僕の仕事を見つけてもらう必要があるかも)

そこから10年、教えられることは教えて職人人生を全うしたいと思います。
そして、親父さんから受け継いだ技術も工場も機械も販路も渡す。

 

あー、実現出来たらカッコいいなー。
親父さんは実現しちゅうもんなー。ほんとすごいなー。

 

こうやったらこの仕事楽しいよ。
お客さんと直接繋がるとやり甲斐ハンパないよ。

そういうことを若い職人さんたちに伝えよう伝えようと頑張ってきましたが、いまいち結果が出せないので、そういう活動じゃなくてもっと具体的に「笹岡鋏製作所を次に繋ぐ」ってことをやることにします。

 

ま、ぼんやりイメージしていたことをここで宣言しただけながやけど。

そこに向かって進むことは決めたので、応援してくれたらうれしいです。

そんな未来を迎えに行くことに決めました。

よろしくお願いします。

 

 

 

先週金土日はお盆休み三連休。

金曜の16時〜24時と土曜の14時半〜24時まで麻雀しました。2日連続の幸せ。

 

金曜は息子の少年サッカー時代の友達のお父さん達+次男りん。

土曜は僕の高校の同級生2人+次男りん。

 

 

初めて次男りんくん(来週21歳になります)とガチ麻雀をしました。

大学生になって1年と数ヶ月。すっかり麻雀出来るようになっていてうれしかったです。

最初は「いっちょまえに盲牌しゆう。」とか「ちゃんと役も数えれるやん。」とか「うわー、対子落としとかしてくるやん。」とか感じながら。

それが後半は全く気にならなくなるくらいやり込んでやがりました。普通に麻雀出来るやつでした。

「息子といつか酒を酌み交わしたい」なんて思ったことはないけれど、あれを言うお父さんはこういう気持ちながやね。

「息子と点棒のやりとりをする」という夢が叶う。

 

 

初日は元奥さんが立派に麻雀を打つ息子を見て「あんたは大学で何を学びゆうが?」って突っ込んでました。

「強さは遺伝しちゅうかね?」って聞かれたので

「親父が強いかどうかわからんき何とも言えんけど、好きさは遺伝しちゅう。」って答えました。間違いない。

 

「明日もたいちゃんらぁとやるけどおまえも来る?」

「行く!」

 

で、2日目は我が家で再会、再開。

ここで、りんの人生初の役満に立ち会う事が出来ました。大三元。正真正銘生まれて初めての役満だそうです。

これは幸せ。麻雀しない人にはなんのこっちゃでしょうが、息子の初役満見れるなんてないで。想像もしてなかった。

 

プロ野球選手が30年間現役続けよったら息子が相手チームに入団してきて初めての対戦で息子の初ホームランを目の前で見る。

これ!この感じ!

 

自分の初役満なんていつどこでなんて覚えてないもんね。

 

立派になりました。

まだまだ成長すると思います。

素敵な学生生活を送ってほしいです。

大学に行かせた甲斐があるってもんです。

 

 

僕に麻雀がなければ初日の飲み会(すみっこで麻雀大会)には呼ばれてないろうし、麻雀がなければ2日目のメンツたいちゃんとこういちとは浪人時代から30年ずっと遊んでないことでしょう。麻雀があるからこそ今の自分を生きていけてます。

そこに入ってくる次男りんくん。

素敵でした。

「好きなことをやり続ける」

「勝とうが負けようが結果は自分が受け入れる」

 

振った時、負けた時にこそ器がバレるきね。

そんなことを学んでくれたらと思います。

 

負けても負けても麻雀したい気持ちが消えなかった19歳の自分(注・浪人生です)を思い出しました。

 

また打とうぜー。

 

過去のりんくんとの素敵エピソード貼っときます。8年前、りん6年生。お時間あればご覧ください。

『なりたい職業』

 

 

 

 

 

パソコン仕事をしていたら工場から水分補給に降りて来た親父さんに「エアコン入れて仕事したら?」って言われました。

炎の前で働く78歳に暑さを気遣われる机の前で働く48歳はさみ屋です。

 

この度全国制覇を果たしました。

ネット通販で鋏を日本全国にお届けし始めて16年。

ついに47都道府県すべてにお届けすることが出来ました。北海道から沖縄まで。

7月末に青森県へ植木鋏を送って達成です。

5月末に青森県から鋏の研ぎ直しの依頼があったので青森にもお客さまは出来ていたのだけれど、この度のご注文によりしっかり達成です。

このことについて以前ブログに書いたことがありました。こちら↓

https://www.hasamiya.jp/blog/6292

2011年6月だから9年前。この時34県。

ペースが速いのか遅いのかはわかりませんが、とりあえず2020年7月に47都道府県達成です。

 

どこからの注文が多いかというと

(件数ではなくお買い上げいただいたお客さまの数で)

①東京都 73人

②神奈川県 61人

③埼玉・愛知 44人

以下、大阪・兵庫・京都・広島・千葉

ここまでが20人以上。

やっぱり都会が数は多いです。

 

さっき紹介した過去ブログに「初めてのご注文!」って書いていた北海道は9年経った今、13人のお客さまがいます。

 

一歩一歩です。ネット通販て言っても魔法の道具じゃない。だからひとつひとつのご注文の積み重ねでしかありません。

その点で言えば頑張ってきました。

(あと大きいのは買っていただいたお客さまがインスタやブログで褒めてくれたこと!これは遠く離れた高知で仕事する職人にとってはものすごく力になりました。口コミです。ネット上の口コミです。ものすごく実感してます。)

 

現在、はさみ屋でインターネットを通じてご注文いただいたお客さまは760人。

そのうち2度以上のご注文をいただいたリピーターさんが244人の方々。

3割2分の確率でリピートしてくださっています。

(この確率がデータを取り始めてから3年間変わらない。新規のお客さまが増えたらその中の3割ちょっとがリピートしていただけています。)

始める前から言うと予想外。

長く使える良い道具を作るべく仕事をしているものとしては、鋏も包丁も次から次へと消費していくものではない。お菓子みたいに食べてなくなるならリピートしてもらうことは大事やけど、って考えてました。

でも、結果は全く違う。

ひとつ買って気に入ってもらえたら「サイズ違いをもうひとつ」や「自分の理想の形をオーダーメイド」とか「鋏が良かったので包丁も」「自分で使って良かったからあの人にプレゼント」みたいなリピートが起こってます。

 

そんなやりがいを直接感じられるネットの直接販売です。

もちろん2回目の注文から10年経つ人。ほぼ毎年注文もらっていたのにこの3年間ご注文のない人。(どこか別の鋏に乗り換えられたのかも。そんなさびしさも実感してます。)

いろいろ含めての数字のデータです,

だから、ネット上にお店を出してもやれることは実店舗と同じ。

見つけてもらう努力。

見つけてもらった時に出来る限り面と向かったお客さまと同じように対応すること。

 

技術も仕上げもメール対応も目一杯。

手を抜くとバレる、嘘つくとバレる時代です。

 

さらけだすしか出来ないはさみ屋にはさらけだすことが強みになる時代で良かったです。ほんとうに。

だから麻雀やタバコやビールや競馬が好きですってことももっともっとさらけだしていきたいと思います。

 

 

47都道府県に行き渡ったことをきっかけにして、また気を引き締めて頑張っていこうと思いますので、よろしくお願いします!

 

 

 

週一回のジム通いが始まってひと月半。
ランニングマシーンに乗っかって時速7kmで20分間走れるようになりました。先週までより5分延ばすことに成功。
一塁までの全力疾走は23年間ずっと続けて来たけれど持久走(って言っても二千数百メートルしか進んでないけど)なんて高校以来の30年振り。ちょっと気持ちいいです。

 

 

研ぎ直しにまつわるエピソード。

 

いつも来てくれるお客さん(小学校時代の2コ上のお兄ちゃんのお母さん、だから70代かな)が遅めの時間に飛び込んで来て

「さとるくん、助けてー。」

子供の時から知ってるのでファーストネームです。

手にはサビた剪定鋏。

お話を聞くとこの剪定鋏は

・30年くらい前にお父さんがドイツ旅行でお土産に買って来てくれたもの

・ご主人がそれをとてもとても大切に長い間使っていたこと(ご主人にとっては義理のお父さんからの贈り物です。しかも海外からの。)

・それを知っていたから自分が使う時もそれはそれは丁寧に扱っていたこと

 

こんな背景。

 

そんなある日ご主人から

「あの鋏が見当たらんけど、知らん?」

「知らんよー。どっかにポンと置いちゅうがやろ。もっとしっかり探してみいや。」

 

ご主人が本当に大切にしていたのを理解していたので自分だって適当に扱う訳がないという思い込み。自信満々にご主人に答えたそうです。

 

「それがよー、今日畑にいったら草の中から出て来てよー。こんなに錆びて。出て来た場所からして完全にわたしの置き忘れ。」

 

ニコニコで話してくれました。
素敵エピソードです。

 

「なんとかなる?」

「大丈夫ですよー。」

「良かったー!直してもろうたら気付かれんようにこっそり返しちょかないかんき、よろしくねー。」

 

普段の「切れるように研ぎ直す」以上の意味を持つご依頼でした。
鋏の研ぎ直しの仕事をしていて良かったです。

 

昨日取りに来られてお持ち帰りいただきました。

 

ご主人が最後に手にした時よりピカピカになったはずやけど、バレんがやろか。
あえてのダメージ加工まで施すべきやったかなぁ。

 

素敵エピソードの続きが聞きたいので、またのご来店をお待ちしてます。

 

 

 

 

「よう切れよったのになんか固いもん切ったら先が開いて切れんなった。なんとかなる?」っておっちゃんがもってきた植木鋏をコンコンと叩いて噛み合わせを直しました。ほんの2分の仕事。

外へ出て葉っぱを切ってみたおっちゃん。

「バッチリ直った。いくら?」

「叩いただけやき今回はかまんよー。」の後、おっちゃんわざわざ車に戻ってリポビタンDを持ってきてプレゼントしてくれました。

常備しちゅうがや、リポD。

 

今日は23歳の若者がふらっとお店に入ってきました。バニーアイズのチームメイト。

試合では毎月会うけど、そんなにがっつり話したこともない23歳が来たので

「ん?どした?」って聞いたら

「ここでバイトさせてもらえん?」やって。

 

仕事を辞めることにしたので鍛冶屋でのバイトの打診でした。

「無理よー。」

そんなに簡単にバイト雇える仕事じゃないがよねぇ。

 

それからちょっと話をしました。

仕事について、腰掛けでバイトさせてくれって雇ってくれるようなとこなんてないこと、いい機会やき真剣に未来まで見据えて仕事のこと考えてみたら?みたいなこと。

何かヒントになったかなぁ。

 

しっかり向き合う仕事との出会い方ってどうしたらえいがやろうねぇ。

僕だって25歳までフラフラしよったし。そこにたまたま家業があったき今やりがいとか新しいやり方とかもっともらしいこと言いゆうがやけど。親父さんが鍛冶屋じゃなかったらどうなっちょったかなぁ。

 

今の脳味噌で今23歳やったら何か伝統工芸探すかなぁ。出来る限り設備を必要としないやつ。

新規開業とか独立を考えると鍛冶屋は工場から機械から初期投資がなかなか大変です。

けれど、伝統とか歴史を味方につけるのはだいぶ有利な気がします。

 

植木屋さんとかクリーニング屋さんとかポン菓子屋さんとか公務員とか電気工事士とかIT社長とか、やりがいとか使命感を持って働きゆう人がたくさん周りにはおって。

はさみ屋のように家業としてたまたまその仕事に出会った人もおるし、出会った仕事を続ける中で今の向き合い方に至ったやつもおるろうし。

マニュアルやハウツーなんてないもんね。

 

仕事を探す23歳のチームメイトには気の利いたことは何にも言えんかったけれど、仕事や会社や組織に対して愚痴らない大人になってほしいなぁ、と思いました。

そういう大人にたくさん出会えるといいよね。

 

「ま、もうちょっとしっかり考えてみいや。いつでも相談にのるき。」

 

でもなんで突然うちに来たがやろ。不思議。

 

 

 

 

 

やっぱり想いや助言を相手に届けるにはもっと圧倒的な結果が必要だと感じ始めたはさみ屋です。中途半端な結果しか出してないやつが何を言っても心を動かしたり行動を変えるところまで行けないようなのでもう一段がんばってみようと思います。

 

 

笹岡鋏製作所は今年2020年4月1日で創業50年を迎えました。

親父さんが1970年に今の場所に工場を建てて開業届けを出した春、親父さん当時27歳から50年。

(その前に12年間の修行時代があるので鍛冶屋歴は62年。圧倒的な数字。)

 

昨年から意識していた笹岡鋏製作所50年の節目でしたが、コロナ旋風でタイミング逃しまくりで今更感しかありません。ごめんなさい。

 

創業50年て一代で行けるがやね。

実際親父さんは今でもバリバリ仕事をしていて、僕がこの仕事に入ってなくてもたぶん続いていたと思います。もちろん規模やスタイルは全然違っていると思うけど。辞めてはないはず。

 

で、2代目の僕は創業100年にはたぶん立ち会えんよね。50年経ったら98歳。うん、無理。

健康に行けたとしてまぁあと30年、78歳くらいかなぁ。

 

今20歳の後継が出来たらなんとか70歳まで働いてもらって100年に届くって計算です。

やっぱり三代続くとか創業100年とかってすごいことながやなぁとあらためて思いました。

 

まぁ50年単位で意識しても仕方ないので、次の1年をいい感じで過ごして行けるように頑張ってまいります。

 

とりあえずは創業50年。めでたい。

(3ヶ月前のことやけど。)

 

 

 

 

鍛冶屋になった年から23年間毎月1回続けてきたソフトボールのリーグ戦が3月から(コロナさんのため)中止になって体を動かすことが全くなくなってしまったので週一でジム通いを始めました。バキバキになってやります。

 

この度フランスから刈込鋏のご注文が舞い込みました。

過去にも一度はさみ屋に来てくれて買ってくれてたノルウェーの方から追加注文で包丁を海外発送したことがあったのだけれど、全然会ったことのない海外の方からのメールでのご注文は初めてでした。

「I would like to buy a 植木鋏 with long oak handle 60cm and a nice blades 240mm.Can i make this deal with you?」

植木鋏だけ漢字。かわいい。

とりあえずGoogleさんで翻訳。

「60cmの樫の柄で240mmの刈込鋏がほしい。これでお取引き出来る?」

「フランスへの送り方とか送料とか調べるき、ちょっと待ってね。」

返信する時もGoogle翻訳を駆使。便利な時代になってます。

 

前述のノルウェーに送る時にも使った郵便局へ問い合わせ。フランスまでの送料と準備する書類。これは経験があったのでスムーズに進む。フランスまで刈込鋏の大きさでも5,000円で届く。意外と安いじゃん。しかも1週間くらいで着くらしい。

 

問題は決済です。代金受け取り。

前回ノルウェーに送った時は決済を銀行振込に。そしたら計算していた金額より5,000円も少なくなって入金されました。おそるべし手数料。

 

その時に「何かいい方法は?」って調べて登録していたPayPalというサービスをもう一度調べる。登録は2年半前。それから一度も使うことなく2年半。

調べてもよくわからなかったので電話で問い合わせ。ものすごく丁寧に教えてくれました。PayPalさんありがとう。

で、フォーマットに沿って請求書を作り決済用のURLを貼り付けてフランスへメール。あっという間に手続きしてもらえて入金完了。

あとは梱包して発送するだけ。

あ、メールで「研ぐ時の角度教えて」って質問されたので説明をどうにかこうにか英語に直して、言葉より絵が伝わるろ、ってことで簡単な図解も絵に描いて、お手紙を刈込鋏の柄に巻きつけて一緒に発送。

 

ここまで最初のメールもらってから5日。

よく頑張った。

郵便局の追跡サービスを見るともう大阪から飛行機には乗ってます。

 

最後にもらったメール

「PayPalで決済済ませたよ。この注文に対応してくれてありがとう。2020の春の私の庭の写真送るね。このフレッシュで魂の庭を感じてください。」

きれいです。

「this fresh and soul garden.」

どうやら庭師さん。 Gardener さん。

どうやってはさみ屋のホームページまで辿り着いたがやろ、謎。

あとは使ってもらってどんな感想いただけるか。簡単に返品交換出来る距離じゃないので、なかなかのドキドキです。

 

まぁそんなこんなで海外への通販のノウハウが完成しました。

もう次からはサクッと対応出来るはず。

それでもまた2年とか間空いたら忘れるかもしれませんので、お早めに次のオーダーお待ちしてます。

 

 

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