鍛冶屋日記

年: 2014年

中・高・予備校・大学までずっと同じ学校に通った友達に会う。

「新聞良かったねぇ。」

「ありがとう。新聞効果であるお店から商談の電話があったりしたよー。」

「すごいじゃん!あれ(デザイン包丁)を作ったことよりも、今までコツコツより良い仕事を目指して来たことが花開いた感じやね。」

「やろか?」

「そやろ。Bさんも言うもん。『やっぱり仕事っぷりが職人や!』って。」

Bさんてのはこの友達が紹介してくれた服屋さんの店長さん。
定期的に洋裁鋏の研ぎ直しを依頼してくれます。

仲良しが僕の仕事をお知り合いに紹介してくれる

依頼がくる

研ぎ直す

仲良しを通じて『仕事っぷりが職人や』って感想が返ってくる

手ぇ抜けんよね。
やり方変えれんよね。

より良い鋏とかより良い切れ味とかを求めゆうというよりは、誰かのこういう言葉が欲しくて仕事をしてます。
刃物の優劣を決めるコンテストで優勝したい訳じゃなく、売上を大きくしてお金持ちになりたい訳でもなく。(もちろんこの仕事で飯食っていくために売上拡大の努力はするけれど。)

誉められたいから、こう動く。
ほとんど子供です。

Bさんにはまだ会ったことがありません。
鋏は送ってくれます。出来上がったらお送りします。
研ぎ直した鋏を見てくれて、使ってくれてるだけです。
なので、どこをどう見てこう言ってくれるのかはわからないけれど、

「仕事っぷりが職人や。」

今まで通り続けます。

はさみ屋、高知新聞に載りました。
高知新聞に載っけてもらうのは12年振り2回目。12年前の記事はこれ。30歳の僕。

今回の記事はデザイン包丁の取り組みについて。

もう2週間前やね。
その直後にミリカにも掲載していただく。いの町観光協会さんの強力な後押しで。

新聞 and ミリカ効果でデザイン包丁のご注文が入る。

なぜだか「四国もーる」さんの通販サイトからもデザイン包丁のご注文が立て続けに3つ。しばらく無かったのに。これも新聞効果かなぁ。

高知市内のあるお店から「新聞見たんですけど、当店でも扱わせていただけませんか?」ってお電話をもらいました。願っても無いことです。来週お会いしてお話ししてきます。間違いなく新聞効果。

デザイン包丁の柄を作ってくれている木工職人さんが高松でグループ展をする(キノワクショップ)ってことでデザイン包丁を展示していただきました。ここでも4つご注文が入る。3日間並べて見てもらっただけで。伝え方や見せ方、並べる場所がバチッと合えばしっかり売れる!ってことの証明やね。

以前、デザイン包丁を買っていただいた、しょうがの女神・森島さんから「ストライプを3つ」のご注文。お友達にご紹介してくれたのかも。ありがとうございます!

「てんこす」さんはうちの品をエコポイントの交換の対象にしてくれたらしく、定期的に注文をいただくようになってます。
注文から3週間お待たせしてようやく完成させて昨日5丁届けたら「追加でもう5丁、大至急お願いします!」って。

ふるさと納税は人気爆発のため受注をストップしました。まだまだお待たせしている送り先リストが山ほどあります。頑張ります。

んーとね、すごい。
いろいろすごいです。

今まで武器が無いながらも攻め続けてきた結果、すごいことになってます。

さらに、新しいとこを攻めるためにお店を改装中です。
めちゃくちゃ忙しいのにごちゃごちゃのお店を一旦空っぽにして大工さんに明け渡し、何がどこにあるのやらわからなくなってます。

看板を変えて、内装をキレイにして、より快適に刃物を見てもらえるように。そして、今までとは違った層のお客さんの目に留まるために。

あ、昨日はTVの取材のお電話がありました。まだ実現するかどうかは未確定やけど。これも新聞効果やね。

本当にすごい。
本当にすごいけど、このままじゃダメな気がしてます。

今までにない不安。
対処の仕方がわからなくて困ってます。

忙しくて何の準備も出来てないけど、売りに持っていく品が全然揃ってないけど、今度の土日は刃物まつり。
あ、明日や。

先週末にコンタクトを片方失くして、メガネでの仕事とメガネでのソフトボールを経験しました。
やっぱりのうがわるい。

昨日は次男・凜くんの中学最後の体育祭。
凜くん色団長を務めました。
赤・白・青・黄・緑の5チームで戦ううちの緑組の大将です。開会式ではチームの先頭で旗持って行進。カッコいい。

午後からソフトの試合が入ってたので途中までしか見れませんでした。

ソフトはチームの人数が足りてたら休んで体育祭に専念しようと思ってましたが、朝から「昨日飲み会で財布失くして帰って来て、嫁さんがちょー怒っちゅうき今日は試合行けん。」なんて電話がかかったりで人数足りる訳もなく、後ろ髪引かれながらお昼に体育祭を後にする。

ソフトの試合終わってケータイ見たら「緑、優勝したで。」の連絡が!

やるね!
閉会式で優勝旗を受け取ることが出来るのは全校生徒の中ただ一人。

優勝チームの団長です。
なかなか出来ん経験です。
団長に推されたのか立候補したのかは聞いてません。
推されてもすごいし、立候補出来るヤツもめちゃカッコいいと思います。
目立つ場所に自分を置くことってとってもいいこと。

直前になると、それなりに忙しくて団長としてのプレッシャーもあったのか疲れて元気がなかった夜もあったりしたしね。

そんなこんなも乗り越えての優勝!

見たかったなぁ。
ビデオ見せてもらいます。

緑組優勝おめでとう!
団長お疲れ様でした!

前回は友達がお客さんになってくれたりお客様と友達になったりしたことを書きました。

今日は町の活性化に関わることで仕事に繋がったことを書きます。
こんなのは数え切れないくらいあるのだけれど最近のことを。

昨年からいの町商工会が中心になって動いてる町を全国に向けて発信しようっていう「全国展開プロジェクト」。
その中にテーマによって部会が4つ。

「仁淀川・紙・食・職人」

はさみ屋は職人部会のリーダーやってます。これはもう本当に試行錯誤。

で、仁淀川部会にも出ております。他の部会はどんなこと話してどんな風に進みゆうがやろ、って一回出てみると楽しくてやめられなくなりました。リーダーじゃなくて一人のメンバーとしての立ち位置も楽しい。

その仁淀川部会に出ることで出会って話すようになった町の酒屋さん『大国屋酒店』さんが先週鍬(くわ)を買いに来てくれました。また仕事になった。さらにこんな提案をいただく。

「お酒と鋏でお父さんへの贈り物セットみたいにして売れんかなぁ。」

いいっすね!いの町セット!やりましょう!

次は食部会からもたらされた売上。
食部会は生姜を使っていのを売り出そうと頑張ってます。
そこで登場したのが

『しょうがの女神・森島土紀子さん』

生姜の世界ではすごい人らしい。
僕もTVで見たことあります。
こんなすごい人がいのの生姜農家さんと繋がっていて、この度いのの生姜メニューの開発にご協力いただくことになりつつあるということで8月末にいの町へ来られてました。
その時に町の視察の中、くらうどさんでデザイン包丁を見つけてくれて、わざわざ工場まで来てくれて、「SANUKI no MEGUMI」を買ってくれました。

MEGAMIとMEGUMIは似いちゅうね。

さらに女神のブログで紹介してくれてます。こちらです。ありがたいことです。

こんな風に少しずつ少しずつ仕事に繋がって行きます。夜な夜な会に出て行って顔出すだけで。簡単。

「町おこし」
町がおこされたらはさみ屋にも良いことが回ってくる、と思ってやってきたけど、明らかに町がおきる前にはさみ屋は叩き起こされてます。

もしかしたら結果として町をおこすことが出来なくてもいろんなことがプラスになるのかも。
町を元気に!と思って何かやること動くことだけでいろんな人と出会うことが出来る。
お客様と直接接する自営業にとっては、これだけですごいメリットのあることやし、それが一番大切なのかもしれません。

いや、興さんといかんがやけどね。

顔と名前と仕事を知ってもらうこと。

それは消防団でもPTAでも同窓会でも同じこと。
ただ、町を元気にしたいという同じ想いを持った人の集まりで出会う人達なので結果が出やすいのは間違いない。
この人の品を買っちゃろう、このお店のサービスをみんなに教えちゃろうって意識が強いもんね。

紙部会はリーダーがなかなか手強いので、まだはさみ屋の仕事に活かせてませんが、きっとここでも何かいいことが起きるような気がしてます。

「土佐和紙 × 土佐打刃物」

素敵そうでしょ。

今夜も仁淀川部会です。


だいぶ時は過ぎてしまいましたが凜くん15歳になりました。8月24日。

息子たちが「15の夜」と「十七歳の地図」を同時に満たす9ヶ月が始まってます。誰にも縛られたくないだろうけれど、親の背中にひたむきさを感じてもらえるように。無理か。

先週土曜日、同級生が香川から帰省して花鋏を買ってくれる。奥様のお母様への誕生日プレゼント。わざわざそのために高知に帰って来てくれたらしい。

同じ日、東京から帰省したお客様が数年前に買ってくれた包丁を研ぎ直しに持って来てくれる。毎年包丁を携えて帰省してくれます。もとはお客様やけどもう友達。去年トレーラーで一緒に飲んだし。きっとこの先も繋がっていくはず。

そのあと剪定鋏を研ぎながら気付けばこれも友達の植木屋さんの鋏。こちらももともとうちの植木鋏を買ってもらったところからの始まり。
あ、ソフトのチームメイトの水道屋さんのブリキ切りも一緒に研いだ。

日曜日、帯屋町への出店に同級生の女の子登場。友達へのお祝いにデザイン包丁をご注文いただく。
「お祝いののしつけれる?」
ふるさと納税で培った技が活きる場面が訪れました。観光協会さんのおかげです。
さらに自分用もご購入。
「あんまりお料理せんきよー、形から入ろうと思って。」

もうね、友達だけで仕事は回っていくんじゃないろうか。

だから、僕も友達から買おう、青年部の仲間に仕事として頼もう、地元のお店で買おう、近所のスタンドでガソリン入れよう、と思ってます。

あとはいろんな人と知り合うこと。

出会いは大切。
そのあとも大切。

先週土曜日は佐賀県有田町からいの町へのお客様。

5月のG.W.に有田の陶器市へ出張した時にお世話になった陶山神社の宮司さんと、その時一緒に出会った大学生2人。この時ね。

陶山神社の境内にいの町のパンフレットを持ち込んで見てもらいながらの雑談の中で軽く言った一言。

「今度は宮司さんがいのへ来てくださいよー。」
「そうですね!夏に行きます!」

4ヶ月で実現。

いわゆる口約束ってやつをきちんと実現出来る人、好きです。

そんな素敵な宮司さんと、大学で地域活性化を学びながら有田の町と関わっている学生さん2人が高知へいのへ来てくれました。

そんな訳でいの町観光大使はおもてなしとは何か、頭を巡らす。

いろんな人のアドバイスを聞いて、まちあるきガイドさんをお願いして商店街を散策コースに決定。
普段行き来している場所でも裏路地の秘密や昔の写真と今の風景を見比べながらの町歩きは楽しかったです。お客さんである若い大学生から新しい視点での商店街の魅力も発見してもらったり。

それから少し仁淀川を車で登って川の美しさやゆったり流れる時間や沈下橋を自慢。

夜はこの3人の県外からのお客様を交えての『職人イドバタミーティング・番外編』。
古民家に住む友達に会場をお借りして家主がいないうちから飲み会です。

高知にいらっしゃる前の宮司さんからのメッセージ。

「遊びに行くというより、現地の方との交流を通じて見識を深める事を目的に行きます。笹岡さんのお仲間ともお話が出来たら光栄です!」

この一言で急遽ミーティング開催決定。
美味しいものを食べてもらうより、いつも一緒に頑張ってるみんなに会ってもらいたい、会わせたい。実現。

有田焼という伝統工芸を持つ町の現状・厳しさ・希望。
その真ん中で頑張る宮司さん。
それにがっつり関わりながら現場で学ぶ学生さん。

熱い熱い夜は更ける。
素敵なミーティングになりました。

何よりうれしかったのは声をかけたいの町が誇る若き職人さんがみんな出て来てくれたこと。
都合で遅れて来るメンバー、早く帰らなければならなかったメンバーもいるけれど、急なお誘いにも関わらずしっかり顔出してくれた。

これはうれしかったなぁ。
みんなのおかげでなかなかのおもてなしが出来たと思います。ありがとう。

それから後に合流してくれた会場家主のとっしゃんにも感謝です。
場所があるって大事やね。本当ありがとう。

こんな感じでいの町観光大使、使命を果たす。

宮田さん、水上くん、中村くん、また来てください。いつでもお待ちしております。

その前にこっちからまた有田に行くけどね。
その時はよろしくお願いします!

先週土曜日は『職人イドバタミーティング』4回目。

テーマ「人口減少の街で仕事するためにどう行動する?」

今回座長としてテーマを決めてくれた若き散髪屋さんが自分の事例を挙げて口火を切ってくれたので議論はスムーズに盛り上がる。

2時間越えの楽しく熱いミーティング。

お客さんが来ないと仕事出来ない待ちの商売の難しさ。散髪屋さん。

自分の仕事が研ぎ直しだけならどうするか。持って来てもらわないと出来ない仕事だけだったら。置き換え。

絶対取りに行く。中山間に出向いて研ぎ直しイベントをするか、集配する受付システムを作る。頼みに来たくても来られない人っているはずです。集配ノウハウはクリーニング屋さんに習えば出来上がるよね。

集荷しに行く訳にいかない散髪屋さんの作戦としてはお店の休みを使って介護施設や病院に訪問散髪しに行ってるそうです。
きちんとした対価がもらえるのならやるべきや。
おじいちゃんおばあちゃんは喜んでくれて待ってるだけじゃ手に入らない仕事を生み出す。あり。
そして、こういう需要は絶対増える。

もう一人、僕より年上の散髪屋さんの困りごと。お客さんが土日に集中してせっかく電話もらっても身体一つじゃ捌き切れないジレンマ。
けれど、平日はゼロの日もあるらしい。
「ゼロが3日続いたら心が折れそうになる。自分のどこがいかんかったがやろう?って。」
その一方で週末は大忙し。かと言って、お手伝いしてくれる人を一人雇うのは簡単じゃない。

お客さんが増えればどんな仕事でもあり得る問題。植木屋さんもこの悩みはずっと抱えちゅうよね。
これはもう「一週間先になってもこの人に髪を切ってもらいたい。」って思ってもらえる関係作りしかないと思います。

彼らなら出来そうやし、自分では気付いてないかもしれんけど大部分のお客さんに対しては出来ちゅうはず。それをコツコツ増やしていけばいい。その関係を強く強くしていけばいい。

そんな楽しい議論で時間が足りません。

僕の意見は
「人口減りゆうかもしれんけど、地元の町の全ての人をお客さんには出来てない。知ってもらえてない。まだまだお客さんになってもらえる可能性のある人はそこにもここにもいっぱいおる。そこに届けることが出来たらきっと隣の町にも届くんじゃないかなぁ。隣の隣の町から来てもらえるお客さんも生まれたりするかもよ。」

あとはどうやって届けるか。
ニュースレターかポスティングかfacebookか。
その一つの方法として「職人ストリート」を使ってくれたらいい。
技より人を伝えるために。

このミーティングに出て来てくれる若い職人さんの何かが動いてくれたらいいなぁと思います。

帰りに真っ暗な駐車場で若い散髪屋さんが先輩散髪屋さんに質問して話し込んでる光景を見れただけで、この場所を作った甲斐あり!やね。

このミーティング終わりの個別ミーティングが異業種である植木屋さんやはさみ屋に向かって来たら、また一つ違うものが生まれて来るね。

楽しみや。
負けられん。

先週の木曜日。
50代くらいの男性のお客様あり。

「ナイフあったよね?」
「はい、こちらです。」
「んー、これちょーだい。」

18000円也。
高額商品あっさりご購入。

お話を聞くと
・3月のひなまつりで見ちょった
・その時僕と話した
・いのの町なかの方
・キャンプに持って行くのにちょうど良さそうだった

来ました!
職人ストリート効果!
成果か。

5ヶ月経って結果が出ました。

あの日いくら売れたかなぁ、あの日も途中から雨やったなぁ、って調べるとひなまつりの当日売上は包丁2丁だけ。9000円也。
3月1日の売上が5ヶ月経って3倍にジャンプアップした気分です。

「刃物買いたいぜよ!」って人が商店街のひなまつりのイベントにどれだけ来るか。来んよね。そう簡単には売れません。

でも、その時出会った人が欲しくなった時、必要になった時に思い出してもらうために売れようが売れまいがお店を出す。

刷り込み刷り込み。

「いの町にも鍛冶屋がいます。こんな感じでいろいろ作ってます。研ぎ直しもお申し付けください。」

今回は5ヶ月やったけど、もしかしたら1年・3年・10年後のお客さんの種もどこかで育ちゆうかもね。けっこう撒き散らして来た自負はある。

10年経って「あの時のイベントでチラシもらったので来ました。」ってお客さんが来てくれたなら包丁ひとつの研ぎ直しでも大成功です。
職人ストリートをやる意義。続けたい。

あ、この秋冬にもいの町でやる予定なので、ご興味ある方連絡ください。
職人ストリートって銘打ってますが、どんな職種でも構いません。出店条件は「心意気」だけ。

おかげでどんどん忙しくなって、特注のご注文をお待たせしていたり、定番の品も品切れのモノがあったりで、作るのが間に合ってなくてご迷惑おかけしたりしてますが、未来のために、行ける場所には行かんとね。

いつまで未来のために動かんといかんがやろ?って思うこともありますが、こうやって成果が出ると「よし!」って思います。

まだ、広げれる。頑張れる。

「涼太がどうしても観たいってチケット取ったら本人は部活の遠征が入って行けんなってチケット余っちゅうがやけど行かん?凜と行くけど。」

という訳で、土曜日朝5時半出発。Jリーグの試合の前に姫路で涼太の試合を観戦。
コーナーキックを直接決めるカッコいい息子の姿を見てから移動。
途中甲子園に寄ってから「ガンバ vs.マリノス」の試合観戦のため万博公園へ。

15000人入ったスタジアムで妹家族(大阪在住)とバッタリ出会う。何にも言ってなかったのに。すごい偶然。出会うものは出会うがやね。

遠藤・宇佐美だけじゃなく俊輔・中澤までが目の前でサッカーしていてテンション上がる。

さらにヤットさんのゴールまで見せてもらって思わず立ち上がりました。

涼太に見せちゃりたかったなぁ。なんで俺がここにおるがやろ。

涼太のゴールと遠藤さんのゴールを朝に晩に見ることが出来た素晴らしい一日。

観戦後、妹家族にガンバのスポンサー『でん』で焼肉をご馳走してもらってから帰路。

「大雨で高知道通行止めになっちゅうで。泊まって明日帰れば?」

それでも帰路。
解除になったらすぐ帰れるように行けるとこまで行ってみる。一晩PAでやり過ごせば解除になると思うよね、普通。

車で朝を迎えたら高知が大変なことになってました。Facebookに上がってくる溢れそうな鏡川や仁淀川、冠水した道路。

このまま待ってもダメそうなので一旦高速を降りて観音寺で朝マック。お風呂に入ろうぜってことで着替えを買って温泉へ。
なんせ日帰り予定なので何にも持ってない訳です。携帯の充電器すら1つを3台で使い回す事態。

そして全く解除になる気配のない通行止め。どんどんひどくなってるのが伝わってくる高知の状況。

温泉でさっぱりした後、お昼ごはんにうどんを食べてからもう一晩宿泊を決断。この日はビジネスホテル。

本来必要のない着替えや予定外の宿泊費や余分なガソリン代で財布の中身はどんどん減っていきましたが、GUやジョイフルや香川のうどん屋さんの安さに助けられて乗り切る。
焼肉をご馳走してくれたひろくん(妹の旦那さん)にも感謝。あの時半分払ってたらパンクしちょったね。

翌朝、寒風山コースで無事帰宅。

日帰り予定からの延長二泊三日。
大阪で二泊すれば良かったね。後の祭り。
遠征涼太くんもSAでバス中泊して同じ日に同じコースで帰って来ました。

どこへ行く訳でもなくいつ帰れるかわからないモヤモヤ状態が続く中、後部座席で寝るか携帯いじるしかなかった凜くんに2日目午後に声を掛けました。

「退屈やろ。」
「しゃーないろ。こういうこともある。」

この辺りの動じないとこ素敵です。デカい。

土曜夜の車中泊から月曜朝の帰宅まで凜くんから出た文句は無し。要望がひとつだけ。
温泉上がってのんびりしながら動くに動けずこれからどうするか悩んでいる時に一言。

「父さん、俺、腹減ったがやけど。」

うんうん、他のことばっかり考えて、お昼ごはん忘れちょったね。
すぐにうどん屋さんへ行きました。

帰ってみると家や工場にも被害はなく、高知がどれだけすごい豪雨だったのかも体験することもないまま終わったので良かったのかもしれません。

長かったけどね。

被害に遭われた方々の一日も早い復旧を願いつつ、日常です。

「量より質の時代へ・生産量日本一に価値がなくなる」
農業のお話として聞いたお言葉を勝手に自分に置き換えて一人喜ぶ。ずっとそう思ってやってきました。そっち向かざるを得なかったのだけれど。

いの町の観光パンフレットを大量に手に入れました。
依然衰えを知らないふるさと納税からのご注文が12セット仕上がって発送しようとした時に思いつく。
「いの町のパンフレット入れて送ろう!」

観光協会にお願いして持って来てもらいました。

どんなきっかけであっても「いの町」を知って、そこの特産品が送られて来るのを待ってる人がたくさんいます。
そこに荷物を送るのに町のパンフレットを入れないのはもったいない。
その中の100分の1でも1000分の1でも将来町へ遊びに来てくれるかもしれません。

ってのが表の理由。

ここからが僕の目論見。

パンフレットには仁淀川とかUFOラインの綺麗な写真や土佐和紙の情報が載ってます。
包丁届いたらとりあえずパラパラめくってくれるはず。秋田や横浜や米子の方々が仁淀川を見る。

そういう人達がこの先「仁淀川」とか「土佐和紙」とかとテレビや新聞で出会ったらうちの包丁と高知の鍛冶屋を思い出してくれんかなぁと。
品は届くので包丁は使ってくれゆう状況ながやけどね。

どこかのキレイな川の映像やラフティングの風景を見ただけで刃物のイメージが蘇ったりするがやないろうか。

いの町とキレイな川とさとる包丁をセットで記憶してもらう。
何年か経って「この包丁はどこで買ったがやったっけ?」ってなった時に「いの町・包丁」とか「仁淀川・鍛冶屋」って検索してはさみ屋まで辿り着いてくれるように。

なんかすごく良い作戦に思えてきたので実行しました。それこそ1000分の1とか1万分の1かもしれんけど。

ただ注文した包丁が届くだけよりいいよね。
普段のはさみ屋のホームページからの通販のお客様(こちらは鋏を必要として探して探して来てくれるお客様ばかり)とは違う感覚でご注文くれたお客様やと思うし。

3月に初めてふるさと納税の注文がきて、売上はびっくりする程上がってますが、それで終わらせるのはもったいない。
国が「ふるさと納税の制度やめます」って言えばなくなる売上です。

せっかく出会えて実際に使ってもらえたお客さんを次にどう繋げるか。大事。

30数件品物を送った中でメールを2件、お電話で2件の反応をいただく。

「良いもの送ってくれてありがとう。」
「気に入って使ってます。」
「使いやすい。またふるさと納税で手に入れます。」
「息子に送ってあげたいのだけれど、どうすれば注文出来ますか?」

なかなかの手応えです。リーフレットやお手紙の効果もあるはず。切れ味だけでそうなれば理想やし楽やけど。

両方必要。全部必要。

買ってくれた、使ってくれたその先へ。

やれることはいっぱいある。
なら、やれることはやってみんとね。

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