鍛冶屋日記

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どんな未来を迎えに行くのか。

今年の抱負がまだはっきりと決まってなくてずっとふわっと考え続けておりました。

こんな時代にもそれなりにうまく回っている仕事と生活の中で、何を目指して生きるべきか。働くべきか。

1月8日のブログにも「今年の抱負、まだ固まってないのでちょっと考えてみます。」って書いておられる。

決めました。
今年の抱負ではなくてこの先10年からこの先20年の目標。使命。

 

 

『後継者を作ります』

 

 

親父さんがつくった笹岡鋏製作所の後継者を作ります。宣言。

25歳ではさみ屋に就職して23年。
やりたいようにやらせてもらえてやりたいようにやってきて。新進気鋭の鍛冶師を気取っておりましたが、もう50歳がすぐそこに。一年と少し。こわい。

ガツガツ働くのも元気に過ごしてあと20年。
働き盛りの期間も後半にさしかかりつつあるような。

今、そして今からあとに買ってもらえる鋏や包丁、僕が辞めたら誰が直すのか。これからもっと年下の若い方々にも買ってもらわんといかんのに。
そんなことはずっと考えていて。

つまり、作る刃物の寿命と自分の職人としての寿命がそちこちなくなってきたような。

若い植木職人さん、困るよね。

鍛冶屋さんの後継者の作り方。
実践しようと決めました。

まず考えるべきことは、息子さんが2人います。23歳と21歳。
この2人が鍛冶屋をやるかやらないか、全くわかりません。
だって自分だって25歳まで鍛冶屋になるとかなりたいとか全く考えてませんでした。

流れです。人生どう転ぶかわかりません。
「やりなさい、やりや、やったら?」なんて言ったことはないような。
言ったことはないけれど「やりたい」って言われた時に「おー、やれや。」って言える状況は作りたいとずっと思って進んできました。

「自営業さいこー!」とか「仕事めちゃ楽しいで。」「うん、稼げるよ。」ってのはチャンスがある度に伝えてきました。

なので、5年くらいは待とうと思います。
やっぱり一番スムーズなのは「息子が継ぐ」この形。
それから、誰か別の後継者候補が先にいたら入りたいと思っても入りにくいもんね。

しばらくその枠は空けちょきます。

そのあと2人が自分の人生をしっかり見つけてそれが鍛冶屋の人生でなければ、違う誰かを探します。

「もう自分の代で終わる、だから自分だけ食べて行けたらいいよー。」ってだいぶカッコわるい。

(個人的な見解です。)

 

少なくとも10年後、60歳くらいでは息子たちなのかそれとも別の誰かなのかを見つけて

(逆かもなー。僕が見つけてもらう、僕の仕事を見つけてもらう必要があるかも)

そこから10年、教えられることは教えて職人人生を全うしたいと思います。
そして、親父さんから受け継いだ技術も工場も機械も販路も渡す。

 

あー、実現出来たらカッコいいなー。
親父さんは実現しちゅうもんなー。ほんとすごいなー。

 

こうやったらこの仕事楽しいよ。
お客さんと直接繋がるとやり甲斐ハンパないよ。

そういうことを若い職人さんたちに伝えよう伝えようと頑張ってきましたが、いまいち結果が出せないので、そういう活動じゃなくてもっと具体的に「笹岡鋏製作所を次に繋ぐ」ってことをやることにします。

 

ま、ぼんやりイメージしていたことをここで宣言しただけながやけど。

そこに向かって進むことは決めたので、応援してくれたらうれしいです。

そんな未来を迎えに行くことに決めました。

よろしくお願いします。

 

 

 

先週金土日はお盆休み三連休。

金曜の16時〜24時と土曜の14時半〜24時まで麻雀しました。2日連続の幸せ。

 

金曜は息子の少年サッカー時代の友達のお父さん達+次男りん。

土曜は僕の高校の同級生2人+次男りん。

 

 

初めて次男りんくん(来週21歳になります)とガチ麻雀をしました。

大学生になって1年と数ヶ月。すっかり麻雀出来るようになっていてうれしかったです。

最初は「いっちょまえに盲牌しゆう。」とか「ちゃんと役も数えれるやん。」とか「うわー、対子落としとかしてくるやん。」とか感じながら。

それが後半は全く気にならなくなるくらいやり込んでやがりました。普通に麻雀出来るやつでした。

「息子といつか酒を酌み交わしたい」なんて思ったことはないけれど、あれを言うお父さんはこういう気持ちながやね。

「息子と点棒のやりとりをする」という夢が叶う。

 

 

初日は元奥さんが立派に麻雀を打つ息子を見て「あんたは大学で何を学びゆうが?」って突っ込んでました。

「強さは遺伝しちゅうかね?」って聞かれたので

「親父が強いかどうかわからんき何とも言えんけど、好きさは遺伝しちゅう。」って答えました。間違いない。

 

「明日もたいちゃんらぁとやるけどおまえも来る?」

「行く!」

 

で、2日目は我が家で再会、再開。

ここで、りんの人生初の役満に立ち会う事が出来ました。大三元。正真正銘生まれて初めての役満だそうです。

これは幸せ。麻雀しない人にはなんのこっちゃでしょうが、息子の初役満見れるなんてないで。想像もしてなかった。

 

プロ野球選手が30年間現役続けよったら息子が相手チームに入団してきて初めての対戦で息子の初ホームランを目の前で見る。

これ!この感じ!

 

自分の初役満なんていつどこでなんて覚えてないもんね。

 

立派になりました。

まだまだ成長すると思います。

素敵な学生生活を送ってほしいです。

大学に行かせた甲斐があるってもんです。

 

 

僕に麻雀がなければ初日の飲み会(すみっこで麻雀大会)には呼ばれてないろうし、麻雀がなければ2日目のメンツたいちゃんとこういちとは浪人時代から30年ずっと遊んでないことでしょう。麻雀があるからこそ今の自分を生きていけてます。

そこに入ってくる次男りんくん。

素敵でした。

「好きなことをやり続ける」

「勝とうが負けようが結果は自分が受け入れる」

 

振った時、負けた時にこそ器がバレるきね。

そんなことを学んでくれたらと思います。

 

負けても負けても麻雀したい気持ちが消えなかった19歳の自分(注・浪人生です)を思い出しました。

 

また打とうぜー。

 

過去のりんくんとの素敵エピソード貼っときます。8年前、りん6年生。お時間あればご覧ください。

『なりたい職業』

 

 

 

 

 

パソコン仕事をしていたら工場から水分補給に降りて来た親父さんに「エアコン入れて仕事したら?」って言われました。

炎の前で働く78歳に暑さを気遣われる机の前で働く48歳はさみ屋です。

 

この度全国制覇を果たしました。

ネット通販で鋏を日本全国にお届けし始めて16年。

ついに47都道府県すべてにお届けすることが出来ました。北海道から沖縄まで。

7月末に青森県へ植木鋏を送って達成です。

5月末に青森県から鋏の研ぎ直しの依頼があったので青森にもお客さまは出来ていたのだけれど、この度のご注文によりしっかり達成です。

このことについて以前ブログに書いたことがありました。こちら↓

https://www.hasamiya.jp/blog/6292

2011年6月だから9年前。この時34県。

ペースが速いのか遅いのかはわかりませんが、とりあえず2020年7月に47都道府県達成です。

 

どこからの注文が多いかというと

(件数ではなくお買い上げいただいたお客さまの数で)

①東京都 73人

②神奈川県 61人

③埼玉・愛知 44人

以下、大阪・兵庫・京都・広島・千葉

ここまでが20人以上。

やっぱり都会が数は多いです。

 

さっき紹介した過去ブログに「初めてのご注文!」って書いていた北海道は9年経った今、13人のお客さまがいます。

 

一歩一歩です。ネット通販て言っても魔法の道具じゃない。だからひとつひとつのご注文の積み重ねでしかありません。

その点で言えば頑張ってきました。

(あと大きいのは買っていただいたお客さまがインスタやブログで褒めてくれたこと!これは遠く離れた高知で仕事する職人にとってはものすごく力になりました。口コミです。ネット上の口コミです。ものすごく実感してます。)

 

現在、はさみ屋でインターネットを通じてご注文いただいたお客さまは760人。

そのうち2度以上のご注文をいただいたリピーターさんが244人の方々。

3割2分の確率でリピートしてくださっています。

(この確率がデータを取り始めてから3年間変わらない。新規のお客さまが増えたらその中の3割ちょっとがリピートしていただけています。)

始める前から言うと予想外。

長く使える良い道具を作るべく仕事をしているものとしては、鋏も包丁も次から次へと消費していくものではない。お菓子みたいに食べてなくなるならリピートしてもらうことは大事やけど、って考えてました。

でも、結果は全く違う。

ひとつ買って気に入ってもらえたら「サイズ違いをもうひとつ」や「自分の理想の形をオーダーメイド」とか「鋏が良かったので包丁も」「自分で使って良かったからあの人にプレゼント」みたいなリピートが起こってます。

 

そんなやりがいを直接感じられるネットの直接販売です。

もちろん2回目の注文から10年経つ人。ほぼ毎年注文もらっていたのにこの3年間ご注文のない人。(どこか別の鋏に乗り換えられたのかも。そんなさびしさも実感してます。)

いろいろ含めての数字のデータです,

だから、ネット上にお店を出してもやれることは実店舗と同じ。

見つけてもらう努力。

見つけてもらった時に出来る限り面と向かったお客さまと同じように対応すること。

 

技術も仕上げもメール対応も目一杯。

手を抜くとバレる、嘘つくとバレる時代です。

 

さらけだすしか出来ないはさみ屋にはさらけだすことが強みになる時代で良かったです。ほんとうに。

だから麻雀やタバコやビールや競馬が好きですってことももっともっとさらけだしていきたいと思います。

 

 

47都道府県に行き渡ったことをきっかけにして、また気を引き締めて頑張っていこうと思いますので、よろしくお願いします!

 

 

 

週一回のジム通いが始まってひと月半。
ランニングマシーンに乗っかって時速7kmで20分間走れるようになりました。先週までより5分延ばすことに成功。
一塁までの全力疾走は23年間ずっと続けて来たけれど持久走(って言っても二千数百メートルしか進んでないけど)なんて高校以来の30年振り。ちょっと気持ちいいです。

 

 

研ぎ直しにまつわるエピソード。

 

いつも来てくれるお客さん(小学校時代の2コ上のお兄ちゃんのお母さん、だから70代かな)が遅めの時間に飛び込んで来て

「さとるくん、助けてー。」

子供の時から知ってるのでファーストネームです。

手にはサビた剪定鋏。

お話を聞くとこの剪定鋏は

・30年くらい前にお父さんがドイツ旅行でお土産に買って来てくれたもの

・ご主人がそれをとてもとても大切に長い間使っていたこと(ご主人にとっては義理のお父さんからの贈り物です。しかも海外からの。)

・それを知っていたから自分が使う時もそれはそれは丁寧に扱っていたこと

 

こんな背景。

 

そんなある日ご主人から

「あの鋏が見当たらんけど、知らん?」

「知らんよー。どっかにポンと置いちゅうがやろ。もっとしっかり探してみいや。」

 

ご主人が本当に大切にしていたのを理解していたので自分だって適当に扱う訳がないという思い込み。自信満々にご主人に答えたそうです。

 

「それがよー、今日畑にいったら草の中から出て来てよー。こんなに錆びて。出て来た場所からして完全にわたしの置き忘れ。」

 

ニコニコで話してくれました。
素敵エピソードです。

 

「なんとかなる?」

「大丈夫ですよー。」

「良かったー!直してもろうたら気付かれんようにこっそり返しちょかないかんき、よろしくねー。」

 

普段の「切れるように研ぎ直す」以上の意味を持つご依頼でした。
鋏の研ぎ直しの仕事をしていて良かったです。

 

昨日取りに来られてお持ち帰りいただきました。

 

ご主人が最後に手にした時よりピカピカになったはずやけど、バレんがやろか。
あえてのダメージ加工まで施すべきやったかなぁ。

 

素敵エピソードの続きが聞きたいので、またのご来店をお待ちしてます。

 

 

 

 

「よう切れよったのになんか固いもん切ったら先が開いて切れんなった。なんとかなる?」っておっちゃんがもってきた植木鋏をコンコンと叩いて噛み合わせを直しました。ほんの2分の仕事。

外へ出て葉っぱを切ってみたおっちゃん。

「バッチリ直った。いくら?」

「叩いただけやき今回はかまんよー。」の後、おっちゃんわざわざ車に戻ってリポビタンDを持ってきてプレゼントしてくれました。

常備しちゅうがや、リポD。

 

今日は23歳の若者がふらっとお店に入ってきました。バニーアイズのチームメイト。

試合では毎月会うけど、そんなにがっつり話したこともない23歳が来たので

「ん?どした?」って聞いたら

「ここでバイトさせてもらえん?」やって。

 

仕事を辞めることにしたので鍛冶屋でのバイトの打診でした。

「無理よー。」

そんなに簡単にバイト雇える仕事じゃないがよねぇ。

 

それからちょっと話をしました。

仕事について、腰掛けでバイトさせてくれって雇ってくれるようなとこなんてないこと、いい機会やき真剣に未来まで見据えて仕事のこと考えてみたら?みたいなこと。

何かヒントになったかなぁ。

 

しっかり向き合う仕事との出会い方ってどうしたらえいがやろうねぇ。

僕だって25歳までフラフラしよったし。そこにたまたま家業があったき今やりがいとか新しいやり方とかもっともらしいこと言いゆうがやけど。親父さんが鍛冶屋じゃなかったらどうなっちょったかなぁ。

 

今の脳味噌で今23歳やったら何か伝統工芸探すかなぁ。出来る限り設備を必要としないやつ。

新規開業とか独立を考えると鍛冶屋は工場から機械から初期投資がなかなか大変です。

けれど、伝統とか歴史を味方につけるのはだいぶ有利な気がします。

 

植木屋さんとかクリーニング屋さんとかポン菓子屋さんとか公務員とか電気工事士とかIT社長とか、やりがいとか使命感を持って働きゆう人がたくさん周りにはおって。

はさみ屋のように家業としてたまたまその仕事に出会った人もおるし、出会った仕事を続ける中で今の向き合い方に至ったやつもおるろうし。

マニュアルやハウツーなんてないもんね。

 

仕事を探す23歳のチームメイトには気の利いたことは何にも言えんかったけれど、仕事や会社や組織に対して愚痴らない大人になってほしいなぁ、と思いました。

そういう大人にたくさん出会えるといいよね。

 

「ま、もうちょっとしっかり考えてみいや。いつでも相談にのるき。」

 

でもなんで突然うちに来たがやろ。不思議。

 

 

 

 

 

やっぱり想いや助言を相手に届けるにはもっと圧倒的な結果が必要だと感じ始めたはさみ屋です。中途半端な結果しか出してないやつが何を言っても心を動かしたり行動を変えるところまで行けないようなのでもう一段がんばってみようと思います。

 

 

笹岡鋏製作所は今年2020年4月1日で創業50年を迎えました。

親父さんが1970年に今の場所に工場を建てて開業届けを出した春、親父さん当時27歳から50年。

(その前に12年間の修行時代があるので鍛冶屋歴は62年。圧倒的な数字。)

 

昨年から意識していた笹岡鋏製作所50年の節目でしたが、コロナ旋風でタイミング逃しまくりで今更感しかありません。ごめんなさい。

 

創業50年て一代で行けるがやね。

実際親父さんは今でもバリバリ仕事をしていて、僕がこの仕事に入ってなくてもたぶん続いていたと思います。もちろん規模やスタイルは全然違っていると思うけど。辞めてはないはず。

 

で、2代目の僕は創業100年にはたぶん立ち会えんよね。50年経ったら98歳。うん、無理。

健康に行けたとしてまぁあと30年、78歳くらいかなぁ。

 

今20歳の後継が出来たらなんとか70歳まで働いてもらって100年に届くって計算です。

やっぱり三代続くとか創業100年とかってすごいことながやなぁとあらためて思いました。

 

まぁ50年単位で意識しても仕方ないので、次の1年をいい感じで過ごして行けるように頑張ってまいります。

 

とりあえずは創業50年。めでたい。

(3ヶ月前のことやけど。)

 

 

 

 

鍛冶屋になった年から23年間毎月1回続けてきたソフトボールのリーグ戦が3月から(コロナさんのため)中止になって体を動かすことが全くなくなってしまったので週一でジム通いを始めました。バキバキになってやります。

 

この度フランスから刈込鋏のご注文が舞い込みました。

過去にも一度はさみ屋に来てくれて買ってくれてたノルウェーの方から追加注文で包丁を海外発送したことがあったのだけれど、全然会ったことのない海外の方からのメールでのご注文は初めてでした。

「I would like to buy a 植木鋏 with long oak handle 60cm and a nice blades 240mm.Can i make this deal with you?」

植木鋏だけ漢字。かわいい。

とりあえずGoogleさんで翻訳。

「60cmの樫の柄で240mmの刈込鋏がほしい。これでお取引き出来る?」

「フランスへの送り方とか送料とか調べるき、ちょっと待ってね。」

返信する時もGoogle翻訳を駆使。便利な時代になってます。

 

前述のノルウェーに送る時にも使った郵便局へ問い合わせ。フランスまでの送料と準備する書類。これは経験があったのでスムーズに進む。フランスまで刈込鋏の大きさでも5,000円で届く。意外と安いじゃん。しかも1週間くらいで着くらしい。

 

問題は決済です。代金受け取り。

前回ノルウェーに送った時は決済を銀行振込に。そしたら計算していた金額より5,000円も少なくなって入金されました。おそるべし手数料。

 

その時に「何かいい方法は?」って調べて登録していたPayPalというサービスをもう一度調べる。登録は2年半前。それから一度も使うことなく2年半。

調べてもよくわからなかったので電話で問い合わせ。ものすごく丁寧に教えてくれました。PayPalさんありがとう。

で、フォーマットに沿って請求書を作り決済用のURLを貼り付けてフランスへメール。あっという間に手続きしてもらえて入金完了。

あとは梱包して発送するだけ。

あ、メールで「研ぐ時の角度教えて」って質問されたので説明をどうにかこうにか英語に直して、言葉より絵が伝わるろ、ってことで簡単な図解も絵に描いて、お手紙を刈込鋏の柄に巻きつけて一緒に発送。

 

ここまで最初のメールもらってから5日。

よく頑張った。

郵便局の追跡サービスを見るともう大阪から飛行機には乗ってます。

 

最後にもらったメール

「PayPalで決済済ませたよ。この注文に対応してくれてありがとう。2020の春の私の庭の写真送るね。このフレッシュで魂の庭を感じてください。」

きれいです。

「this fresh and soul garden.」

どうやら庭師さん。 Gardener さん。

どうやってはさみ屋のホームページまで辿り着いたがやろ、謎。

あとは使ってもらってどんな感想いただけるか。簡単に返品交換出来る距離じゃないので、なかなかのドキドキです。

 

まぁそんなこんなで海外への通販のノウハウが完成しました。

もう次からはサクッと対応出来るはず。

それでもまた2年とか間空いたら忘れるかもしれませんので、お早めに次のオーダーお待ちしてます。

 

 

中学生がzoomでオンライン授業とかしたら、好きな子の顔だけ見て一日中過ごすなんてことが起こりそうで楽しそう。リアルなら教室で面と向かう状態なんてないもんね。

席替えの価値が暴落する時代がやってきました。

 

最近ホームページ経由での研ぎ直しのお問い合わせやご依頼がいくつか続きました。大阪や広島や青森からも!

「モノを大事に、暮らしをていねいに生きる。」

遠慮がちにお問い合わせいただくことがあるのであらためて宣言しときます。

「どこの品でも研ぎますよー。」

 

時々「自社製品、自店で販売したものしか研ぎません」なんてお店を見かけたりしますが、はさみ屋はなんでもどこの品でも直します。技術的に可能なら。

 

自店販売分が大量で今まで売った分で次から次へと研ぎの依頼が舞い込んで他のまで手が回らないのであればそれもアリかと思いますが、「他のは直さないけれどうちで買ってくれたら研ぎ直ししますよ。」っていう囲い込み戦略ならちょっと時代遅れだと思います。

 

研ぎ直しの仕事をひとつの柱としてやってきたはさみ屋の実感としては流れは逆です。

研ぎ直しのサービスからはさみ屋と出会ってくれる方が圧倒的に多い。

従来お使いの他社製品の包丁や鋏を持ち込んでくれる

→直した切れ味を体験してもらう

→良く切れた

→次買う時はここで買おうかな

 

素敵な流れ。

アフターフォローのサービスを実感してもらってからお買い上げの流れです。

「買ってくれたら直します」ではなくて「直してくれたところから買ってみよう」です。

 

 

「買ってくれたらずっとメンテナンスしますよ」ってメッセージを買ってもらう前からアピール出来ます。

一番手軽に数百円からはさみ屋の技術を感じてもらえるサービスが研ぎ直しです。

もちろん逆の流れである「買ってもらえた品の研ぎ直しはうちに戻ってきますように」ってのも願いながら。

 

 

この観点からいくと「刃物製造だけ」「刃物販売だけ」「刃物研ぎ直しだけ」というビジネスモデルより「製造・販売・研ぎ直し・全部やります」の方が強そうでね。

 

全部出来る仕事で良かったと心底思っています。

研ぎ直しだけの人が製造までやってみる、ってのは設備の面でハードルがなかなか高いけれど、製造だけの人が研ぎ直しまで、に進出してくるのは絶対簡単なので鍛冶屋さんみんなが気付く前にもっと差を広げたいと思います。

やらない理由はなんやろね。

 

 

刃物の研ぎ直し、柄の付け替えなど、承りますので、お気軽にご依頼ください!

 

 

 

気分が大変な感じですが、打ち破るべくさっそくオンライン会議を経験しました。1週間で3回。

初めてのzoom会議を主催してみた。やりたがり。成功。簡単。

これに気を良くして2回目を主催したらみんな入って来れなくて失敗。ごめんなさい。たぶん僕のせい。zoomを断念して急遽Lineにて会議。

3回目は呼ばれる側として参加。職人イドバタミーティング。みんなの近況報告。

3回ともビール片手でした。

テレワークが可能な仕事やったらダメ人間になっていたと思われます。

 

 

新しいことに飛びついたり、テイクアウトでピザや鯖の棒寿司を食べたり。

前回書いたけど仕事には今のところあまり影響は見えてません。それでもこの感じ、絶対今まで通りには行かないと思うので、未来を考えてみるために昨年の確定申告のデータを分析してみました。

 

売上の内訳。全体の売上を100として

問屋さんや小売店さんへの卸分が35%。

微かに間が入ってくるアンテナショップや道の駅での委託販売が5%。

はさみ屋からお客さまへの直売が60%。大きくなったなぁ。

(20年前はほぼ100%が卸の仕事でした。)

 

はさみ屋からお客さま直の売上をさらに小分けにすると、

・工場併設店舗での販売 35%

・同じくお店で受ける研ぎ直し 20%

・イベント出店 10%

・ネット通販 35%

 

それぞれがしっかり柱になってます。

お店での販売も伸びてますが、何よりネット通販の伸びに助けられてます。16年前から続けてきて良かったです。これなかったらちょっと怖い。

 

今、世界を見渡すとアンテナショップや道の駅での委託販売はたぶん減るよね。イベント出店もいつ再開されるのか。卸の仕事にもたぶん影響は出るはず。

 

「その分作れるやん。間に合ってない分作れよ。」の声は聞こえてきますが、やっぱり穴を埋めることも考えていきたいと思います。最近新しいことやってないもんなー。やらんとなー。

 

 

今のところ減ってないお店での販売と研ぎ直し需要。地域密着のありがたさと強さは実感中です。

それと同じ気持ちでネットを通じてのお客さまにも向き合ってます。「D2C」

 

この状況で若い鍛冶屋さんから「ネット通販やってみようかと思うんですけど、話聞かせてください。」って複数から連絡もらってうれしくなりました。

やって来たこと感じて来たことは全部伝えます。

動くきっかけになりますように。

 

 

パイを奪い合うのではなくパイを広げて行けばいい。

がんばろねー。

 

 

with コロナ。大変な状況。大変な世界。

普通に生活していてそんなに影響はありません。満員電車での通勤もないし、会社でたくさんの人に会うわけでもなく。

出店予定のイベントが2つ飛んだのと、ソフトボールのリーグ戦がとりあえず3ヶ月中止決定したくらい。

休みの日には桜を見に行ったり海でのんびりしたり。昨夜はビール片手に徒歩で夜桜見に行ってスーパームーンの下でお弁当。

山ほどあった会は減ることでしょう。ZOOMに挑戦してみたいです。

 

そんなことよりも時代が進みます。

前々回の記事「伝統工芸の職人さんへ」の中に書いたオリンピック後の世界。

刃物業界からインバウンドが消え去り海外需要もストップです。激変。

 

はさみ屋はそこに片足を突っ込むことなく、指先で触れていたくらいなのであんまり影響はないと思います。

20年前からの「景気悪いねぇ」って時代から景気に左右されないように、違う、景気に左右されたからこそ、それに負けないような戦略やお客さま獲得の道を親父さんと二人で目指してやってきました。

 

イベント出店に頼って売上を上げていた訳でもなく(イベント出てもそんなに売れんし)、海外やインバウンド向けの品ばかりを作っていた訳でもなく(そんなに大量に作れんし)。

 

地域のお客さまの研ぎ直しのご依頼にお応えしながら、ホームページからのご注文にひとつずつ対応。

この先数ヶ月して国内需要も冷えたりして、問屋さんや刃物業者さんからの注文は減るかもしれません。

それでもやって行ける道を目指して来たし、そこに隙間が出来たらまた新しいこと出来そうです。

景気後退したら研ぎ直しの需要は増えるんじゃないかなぁ。その上で買ってもらえるとこまでどうやって持っていくか。楽しみ。

 

感染は怖いけど、仕事の上ではあまり怖れてません。

 

もうすでに影響が出てる仲間もいます。

鍛冶屋の生き延び方は伝えることが出来ます。ネット通販についても15年やってきました。これは違う業種でも通じるものはあるはず。

誰か聞きに来てくれんかなぁ。

「ネット通販するの大変じゃないですか?」

「facebookとブログってどう使い分けてます?」

「注文減ったけどどうしよう。」

 

こういうの大好物です。教えたがり伝えたがりです。平時なら完全なるおせっかい。

 

やってきてうまく行ったこと、やっても効果がなかったこと、この先やりたいこと。全部伝えます。

 

乗り切りましょうねー。

より良くしていきましょうねー。

 

ピンチはチャンス。

使い古された言葉やけど絶対そうでね。

 

 

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