鍛冶屋日記

カテゴリー: 鍛冶屋日記

パソコン仕事をしていたら工場から水分補給に降りて来た親父さんに「エアコン入れて仕事したら?」って言われました。

炎の前で働く78歳に暑さを気遣われる机の前で働く48歳はさみ屋です。

 

この度全国制覇を果たしました。

ネット通販で鋏を日本全国にお届けし始めて16年。

ついに47都道府県すべてにお届けすることが出来ました。北海道から沖縄まで。

7月末に青森県へ植木鋏を送って達成です。

5月末に青森県から鋏の研ぎ直しの依頼があったので青森にもお客さまは出来ていたのだけれど、この度のご注文によりしっかり達成です。

このことについて以前ブログに書いたことがありました。こちら↓

https://www.hasamiya.jp/blog/6292

2011年6月だから9年前。この時34県。

ペースが速いのか遅いのかはわかりませんが、とりあえず2020年7月に47都道府県達成です。

 

どこからの注文が多いかというと

(件数ではなくお買い上げいただいたお客さまの数で)

①東京都 73人

②神奈川県 61人

③埼玉・愛知 44人

以下、大阪・兵庫・京都・広島・千葉

ここまでが20人以上。

やっぱり都会が数は多いです。

 

さっき紹介した過去ブログに「初めてのご注文!」って書いていた北海道は9年経った今、13人のお客さまがいます。

 

一歩一歩です。ネット通販て言っても魔法の道具じゃない。だからひとつひとつのご注文の積み重ねでしかありません。

その点で言えば頑張ってきました。

(あと大きいのは買っていただいたお客さまがインスタやブログで褒めてくれたこと!これは遠く離れた高知で仕事する職人にとってはものすごく力になりました。口コミです。ネット上の口コミです。ものすごく実感してます。)

 

現在、はさみ屋でインターネットを通じてご注文いただいたお客さまは760人。

そのうち2度以上のご注文をいただいたリピーターさんが244人の方々。

3割2分の確率でリピートしてくださっています。

(この確率がデータを取り始めてから3年間変わらない。新規のお客さまが増えたらその中の3割ちょっとがリピートしていただけています。)

始める前から言うと予想外。

長く使える良い道具を作るべく仕事をしているものとしては、鋏も包丁も次から次へと消費していくものではない。お菓子みたいに食べてなくなるならリピートしてもらうことは大事やけど、って考えてました。

でも、結果は全く違う。

ひとつ買って気に入ってもらえたら「サイズ違いをもうひとつ」や「自分の理想の形をオーダーメイド」とか「鋏が良かったので包丁も」「自分で使って良かったからあの人にプレゼント」みたいなリピートが起こってます。

 

そんなやりがいを直接感じられるネットの直接販売です。

もちろん2回目の注文から10年経つ人。ほぼ毎年注文もらっていたのにこの3年間ご注文のない人。(どこか別の鋏に乗り換えられたのかも。そんなさびしさも実感してます。)

いろいろ含めての数字のデータです,

だから、ネット上にお店を出してもやれることは実店舗と同じ。

見つけてもらう努力。

見つけてもらった時に出来る限り面と向かったお客さまと同じように対応すること。

 

技術も仕上げもメール対応も目一杯。

手を抜くとバレる、嘘つくとバレる時代です。

 

さらけだすしか出来ないはさみ屋にはさらけだすことが強みになる時代で良かったです。ほんとうに。

だから麻雀やタバコやビールや競馬が好きですってことももっともっとさらけだしていきたいと思います。

 

 

47都道府県に行き渡ったことをきっかけにして、また気を引き締めて頑張っていこうと思いますので、よろしくお願いします!

 

 

 

週一回のジム通いが始まってひと月半。
ランニングマシーンに乗っかって時速7kmで20分間走れるようになりました。先週までより5分延ばすことに成功。
一塁までの全力疾走は23年間ずっと続けて来たけれど持久走(って言っても二千数百メートルしか進んでないけど)なんて高校以来の30年振り。ちょっと気持ちいいです。

 

 

研ぎ直しにまつわるエピソード。

 

いつも来てくれるお客さん(小学校時代の2コ上のお兄ちゃんのお母さん、だから70代かな)が遅めの時間に飛び込んで来て

「さとるくん、助けてー。」

子供の時から知ってるのでファーストネームです。

手にはサビた剪定鋏。

お話を聞くとこの剪定鋏は

・30年くらい前にお父さんがドイツ旅行でお土産に買って来てくれたもの

・ご主人がそれをとてもとても大切に長い間使っていたこと(ご主人にとっては義理のお父さんからの贈り物です。しかも海外からの。)

・それを知っていたから自分が使う時もそれはそれは丁寧に扱っていたこと

 

こんな背景。

 

そんなある日ご主人から

「あの鋏が見当たらんけど、知らん?」

「知らんよー。どっかにポンと置いちゅうがやろ。もっとしっかり探してみいや。」

 

ご主人が本当に大切にしていたのを理解していたので自分だって適当に扱う訳がないという思い込み。自信満々にご主人に答えたそうです。

 

「それがよー、今日畑にいったら草の中から出て来てよー。こんなに錆びて。出て来た場所からして完全にわたしの置き忘れ。」

 

ニコニコで話してくれました。
素敵エピソードです。

 

「なんとかなる?」

「大丈夫ですよー。」

「良かったー!直してもろうたら気付かれんようにこっそり返しちょかないかんき、よろしくねー。」

 

普段の「切れるように研ぎ直す」以上の意味を持つご依頼でした。
鋏の研ぎ直しの仕事をしていて良かったです。

 

昨日取りに来られてお持ち帰りいただきました。

 

ご主人が最後に手にした時よりピカピカになったはずやけど、バレんがやろか。
あえてのダメージ加工まで施すべきやったかなぁ。

 

素敵エピソードの続きが聞きたいので、またのご来店をお待ちしてます。

 

 

 

 

「よう切れよったのになんか固いもん切ったら先が開いて切れんなった。なんとかなる?」っておっちゃんがもってきた植木鋏をコンコンと叩いて噛み合わせを直しました。ほんの2分の仕事。

外へ出て葉っぱを切ってみたおっちゃん。

「バッチリ直った。いくら?」

「叩いただけやき今回はかまんよー。」の後、おっちゃんわざわざ車に戻ってリポビタンDを持ってきてプレゼントしてくれました。

常備しちゅうがや、リポD。

 

今日は23歳の若者がふらっとお店に入ってきました。バニーアイズのチームメイト。

試合では毎月会うけど、そんなにがっつり話したこともない23歳が来たので

「ん?どした?」って聞いたら

「ここでバイトさせてもらえん?」やって。

 

仕事を辞めることにしたので鍛冶屋でのバイトの打診でした。

「無理よー。」

そんなに簡単にバイト雇える仕事じゃないがよねぇ。

 

それからちょっと話をしました。

仕事について、腰掛けでバイトさせてくれって雇ってくれるようなとこなんてないこと、いい機会やき真剣に未来まで見据えて仕事のこと考えてみたら?みたいなこと。

何かヒントになったかなぁ。

 

しっかり向き合う仕事との出会い方ってどうしたらえいがやろうねぇ。

僕だって25歳までフラフラしよったし。そこにたまたま家業があったき今やりがいとか新しいやり方とかもっともらしいこと言いゆうがやけど。親父さんが鍛冶屋じゃなかったらどうなっちょったかなぁ。

 

今の脳味噌で今23歳やったら何か伝統工芸探すかなぁ。出来る限り設備を必要としないやつ。

新規開業とか独立を考えると鍛冶屋は工場から機械から初期投資がなかなか大変です。

けれど、伝統とか歴史を味方につけるのはだいぶ有利な気がします。

 

植木屋さんとかクリーニング屋さんとかポン菓子屋さんとか公務員とか電気工事士とかIT社長とか、やりがいとか使命感を持って働きゆう人がたくさん周りにはおって。

はさみ屋のように家業としてたまたまその仕事に出会った人もおるし、出会った仕事を続ける中で今の向き合い方に至ったやつもおるろうし。

マニュアルやハウツーなんてないもんね。

 

仕事を探す23歳のチームメイトには気の利いたことは何にも言えんかったけれど、仕事や会社や組織に対して愚痴らない大人になってほしいなぁ、と思いました。

そういう大人にたくさん出会えるといいよね。

 

「ま、もうちょっとしっかり考えてみいや。いつでも相談にのるき。」

 

でもなんで突然うちに来たがやろ。不思議。

 

 

 

 

 

やっぱり想いや助言を相手に届けるにはもっと圧倒的な結果が必要だと感じ始めたはさみ屋です。中途半端な結果しか出してないやつが何を言っても心を動かしたり行動を変えるところまで行けないようなのでもう一段がんばってみようと思います。

 

 

笹岡鋏製作所は今年2020年4月1日で創業50年を迎えました。

親父さんが1970年に今の場所に工場を建てて開業届けを出した春、親父さん当時27歳から50年。

(その前に12年間の修行時代があるので鍛冶屋歴は62年。圧倒的な数字。)

 

昨年から意識していた笹岡鋏製作所50年の節目でしたが、コロナ旋風でタイミング逃しまくりで今更感しかありません。ごめんなさい。

 

創業50年て一代で行けるがやね。

実際親父さんは今でもバリバリ仕事をしていて、僕がこの仕事に入ってなくてもたぶん続いていたと思います。もちろん規模やスタイルは全然違っていると思うけど。辞めてはないはず。

 

で、2代目の僕は創業100年にはたぶん立ち会えんよね。50年経ったら98歳。うん、無理。

健康に行けたとしてまぁあと30年、78歳くらいかなぁ。

 

今20歳の後継が出来たらなんとか70歳まで働いてもらって100年に届くって計算です。

やっぱり三代続くとか創業100年とかってすごいことながやなぁとあらためて思いました。

 

まぁ50年単位で意識しても仕方ないので、次の1年をいい感じで過ごして行けるように頑張ってまいります。

 

とりあえずは創業50年。めでたい。

(3ヶ月前のことやけど。)

 

 

 

 

鍛冶屋になった年から23年間毎月1回続けてきたソフトボールのリーグ戦が3月から(コロナさんのため)中止になって体を動かすことが全くなくなってしまったので週一でジム通いを始めました。バキバキになってやります。

 

この度フランスから刈込鋏のご注文が舞い込みました。

過去にも一度はさみ屋に来てくれて買ってくれてたノルウェーの方から追加注文で包丁を海外発送したことがあったのだけれど、全然会ったことのない海外の方からのメールでのご注文は初めてでした。

「I would like to buy a 植木鋏 with long oak handle 60cm and a nice blades 240mm.Can i make this deal with you?」

植木鋏だけ漢字。かわいい。

とりあえずGoogleさんで翻訳。

「60cmの樫の柄で240mmの刈込鋏がほしい。これでお取引き出来る?」

「フランスへの送り方とか送料とか調べるき、ちょっと待ってね。」

返信する時もGoogle翻訳を駆使。便利な時代になってます。

 

前述のノルウェーに送る時にも使った郵便局へ問い合わせ。フランスまでの送料と準備する書類。これは経験があったのでスムーズに進む。フランスまで刈込鋏の大きさでも5,000円で届く。意外と安いじゃん。しかも1週間くらいで着くらしい。

 

問題は決済です。代金受け取り。

前回ノルウェーに送った時は決済を銀行振込に。そしたら計算していた金額より5,000円も少なくなって入金されました。おそるべし手数料。

 

その時に「何かいい方法は?」って調べて登録していたPayPalというサービスをもう一度調べる。登録は2年半前。それから一度も使うことなく2年半。

調べてもよくわからなかったので電話で問い合わせ。ものすごく丁寧に教えてくれました。PayPalさんありがとう。

で、フォーマットに沿って請求書を作り決済用のURLを貼り付けてフランスへメール。あっという間に手続きしてもらえて入金完了。

あとは梱包して発送するだけ。

あ、メールで「研ぐ時の角度教えて」って質問されたので説明をどうにかこうにか英語に直して、言葉より絵が伝わるろ、ってことで簡単な図解も絵に描いて、お手紙を刈込鋏の柄に巻きつけて一緒に発送。

 

ここまで最初のメールもらってから5日。

よく頑張った。

郵便局の追跡サービスを見るともう大阪から飛行機には乗ってます。

 

最後にもらったメール

「PayPalで決済済ませたよ。この注文に対応してくれてありがとう。2020の春の私の庭の写真送るね。このフレッシュで魂の庭を感じてください。」

きれいです。

「this fresh and soul garden.」

どうやら庭師さん。 Gardener さん。

どうやってはさみ屋のホームページまで辿り着いたがやろ、謎。

あとは使ってもらってどんな感想いただけるか。簡単に返品交換出来る距離じゃないので、なかなかのドキドキです。

 

まぁそんなこんなで海外への通販のノウハウが完成しました。

もう次からはサクッと対応出来るはず。

それでもまた2年とか間空いたら忘れるかもしれませんので、お早めに次のオーダーお待ちしてます。

 

 

中学生がzoomでオンライン授業とかしたら、好きな子の顔だけ見て一日中過ごすなんてことが起こりそうで楽しそう。リアルなら教室で面と向かう状態なんてないもんね。

席替えの価値が暴落する時代がやってきました。

 

最近ホームページ経由での研ぎ直しのお問い合わせやご依頼がいくつか続きました。大阪や広島や青森からも!

「モノを大事に、暮らしをていねいに生きる。」

遠慮がちにお問い合わせいただくことがあるのであらためて宣言しときます。

「どこの品でも研ぎますよー。」

 

時々「自社製品、自店で販売したものしか研ぎません」なんてお店を見かけたりしますが、はさみ屋はなんでもどこの品でも直します。技術的に可能なら。

 

自店販売分が大量で今まで売った分で次から次へと研ぎの依頼が舞い込んで他のまで手が回らないのであればそれもアリかと思いますが、「他のは直さないけれどうちで買ってくれたら研ぎ直ししますよ。」っていう囲い込み戦略ならちょっと時代遅れだと思います。

 

研ぎ直しの仕事をひとつの柱としてやってきたはさみ屋の実感としては流れは逆です。

研ぎ直しのサービスからはさみ屋と出会ってくれる方が圧倒的に多い。

従来お使いの他社製品の包丁や鋏を持ち込んでくれる

→直した切れ味を体験してもらう

→良く切れた

→次買う時はここで買おうかな

 

素敵な流れ。

アフターフォローのサービスを実感してもらってからお買い上げの流れです。

「買ってくれたら直します」ではなくて「直してくれたところから買ってみよう」です。

 

 

「買ってくれたらずっとメンテナンスしますよ」ってメッセージを買ってもらう前からアピール出来ます。

一番手軽に数百円からはさみ屋の技術を感じてもらえるサービスが研ぎ直しです。

もちろん逆の流れである「買ってもらえた品の研ぎ直しはうちに戻ってきますように」ってのも願いながら。

 

 

この観点からいくと「刃物製造だけ」「刃物販売だけ」「刃物研ぎ直しだけ」というビジネスモデルより「製造・販売・研ぎ直し・全部やります」の方が強そうでね。

 

全部出来る仕事で良かったと心底思っています。

研ぎ直しだけの人が製造までやってみる、ってのは設備の面でハードルがなかなか高いけれど、製造だけの人が研ぎ直しまで、に進出してくるのは絶対簡単なので鍛冶屋さんみんなが気付く前にもっと差を広げたいと思います。

やらない理由はなんやろね。

 

 

刃物の研ぎ直し、柄の付け替えなど、承りますので、お気軽にご依頼ください!

 

 

 

気分が大変な感じですが、打ち破るべくさっそくオンライン会議を経験しました。1週間で3回。

初めてのzoom会議を主催してみた。やりたがり。成功。簡単。

これに気を良くして2回目を主催したらみんな入って来れなくて失敗。ごめんなさい。たぶん僕のせい。zoomを断念して急遽Lineにて会議。

3回目は呼ばれる側として参加。職人イドバタミーティング。みんなの近況報告。

3回ともビール片手でした。

テレワークが可能な仕事やったらダメ人間になっていたと思われます。

 

 

新しいことに飛びついたり、テイクアウトでピザや鯖の棒寿司を食べたり。

前回書いたけど仕事には今のところあまり影響は見えてません。それでもこの感じ、絶対今まで通りには行かないと思うので、未来を考えてみるために昨年の確定申告のデータを分析してみました。

 

売上の内訳。全体の売上を100として

問屋さんや小売店さんへの卸分が35%。

微かに間が入ってくるアンテナショップや道の駅での委託販売が5%。

はさみ屋からお客さまへの直売が60%。大きくなったなぁ。

(20年前はほぼ100%が卸の仕事でした。)

 

はさみ屋からお客さま直の売上をさらに小分けにすると、

・工場併設店舗での販売 35%

・同じくお店で受ける研ぎ直し 20%

・イベント出店 10%

・ネット通販 35%

 

それぞれがしっかり柱になってます。

お店での販売も伸びてますが、何よりネット通販の伸びに助けられてます。16年前から続けてきて良かったです。これなかったらちょっと怖い。

 

今、世界を見渡すとアンテナショップや道の駅での委託販売はたぶん減るよね。イベント出店もいつ再開されるのか。卸の仕事にもたぶん影響は出るはず。

 

「その分作れるやん。間に合ってない分作れよ。」の声は聞こえてきますが、やっぱり穴を埋めることも考えていきたいと思います。最近新しいことやってないもんなー。やらんとなー。

 

 

今のところ減ってないお店での販売と研ぎ直し需要。地域密着のありがたさと強さは実感中です。

それと同じ気持ちでネットを通じてのお客さまにも向き合ってます。「D2C」

 

この状況で若い鍛冶屋さんから「ネット通販やってみようかと思うんですけど、話聞かせてください。」って複数から連絡もらってうれしくなりました。

やって来たこと感じて来たことは全部伝えます。

動くきっかけになりますように。

 

 

パイを奪い合うのではなくパイを広げて行けばいい。

がんばろねー。

 

 

with コロナ。大変な状況。大変な世界。

普通に生活していてそんなに影響はありません。満員電車での通勤もないし、会社でたくさんの人に会うわけでもなく。

出店予定のイベントが2つ飛んだのと、ソフトボールのリーグ戦がとりあえず3ヶ月中止決定したくらい。

休みの日には桜を見に行ったり海でのんびりしたり。昨夜はビール片手に徒歩で夜桜見に行ってスーパームーンの下でお弁当。

山ほどあった会は減ることでしょう。ZOOMに挑戦してみたいです。

 

そんなことよりも時代が進みます。

前々回の記事「伝統工芸の職人さんへ」の中に書いたオリンピック後の世界。

刃物業界からインバウンドが消え去り海外需要もストップです。激変。

 

はさみ屋はそこに片足を突っ込むことなく、指先で触れていたくらいなのであんまり影響はないと思います。

20年前からの「景気悪いねぇ」って時代から景気に左右されないように、違う、景気に左右されたからこそ、それに負けないような戦略やお客さま獲得の道を親父さんと二人で目指してやってきました。

 

イベント出店に頼って売上を上げていた訳でもなく(イベント出てもそんなに売れんし)、海外やインバウンド向けの品ばかりを作っていた訳でもなく(そんなに大量に作れんし)。

 

地域のお客さまの研ぎ直しのご依頼にお応えしながら、ホームページからのご注文にひとつずつ対応。

この先数ヶ月して国内需要も冷えたりして、問屋さんや刃物業者さんからの注文は減るかもしれません。

それでもやって行ける道を目指して来たし、そこに隙間が出来たらまた新しいこと出来そうです。

景気後退したら研ぎ直しの需要は増えるんじゃないかなぁ。その上で買ってもらえるとこまでどうやって持っていくか。楽しみ。

 

感染は怖いけど、仕事の上ではあまり怖れてません。

 

もうすでに影響が出てる仲間もいます。

鍛冶屋の生き延び方は伝えることが出来ます。ネット通販についても15年やってきました。これは違う業種でも通じるものはあるはず。

誰か聞きに来てくれんかなぁ。

「ネット通販するの大変じゃないですか?」

「facebookとブログってどう使い分けてます?」

「注文減ったけどどうしよう。」

 

こういうの大好物です。教えたがり伝えたがりです。平時なら完全なるおせっかい。

 

やってきてうまく行ったこと、やっても効果がなかったこと、この先やりたいこと。全部伝えます。

 

乗り切りましょうねー。

より良くしていきましょうねー。

 

ピンチはチャンス。

使い古された言葉やけど絶対そうでね。

 

 

またひとり人事異動とやらで送り出しました。

春です。

 

ずっと一緒やったなぁ。

25歳で鍛冶屋になって、30歳の時に見つけてくれていの町商工会の青年部に誘いに来てくれた人。2002年のこと。

青年部っておもしろくないなぁと思ってあまり関わることなく過ぎた数年間。

そんな風に過ごしていたのになぜか青年部副部長に任命された2008年。

副部長であるが故に町民祭実行委員長になって警察の方々とタタカッタ2010年。

これが初めての実行委員長か。

まちかど市協議会の会長に就任したと同時に「商店街でイベント起こしましょう!」って始まった仁淀川七色ロードが2011年。

全国展開プロジェクトの職人部会のリーダーになったのが2013年。

職人部会のリーダーでありながら仁淀川部会に呼ばれたり紙部会に加入を申し出て入れてもらったり。

その全国展開プロジェクトの発展形として発足したいの逓信局の局長になったのが2015年。それから毎年開催のKamiフェスティバルの実行委員長を兼務。もう5回も開催したがや。

また別の流れの中から生まれた中心市街地再構築検討委員会が2016年から始まって終わるまで2年半くらい。これもタタカッタなぁ。

2019年は町内の若い事業者さんをいの町の広報で紹介したいプロジェクト。みんなで意見を出し合ったワーキンググループの代表として役場とタタカッタ。ていうか課長とタタカッタ。まだ勝ててない。継続中。

 

続いてる動き、終わってしまった活動、発展して進化してるチーム、一緒に動いてくれていたけどいなくなってしまった人、ずっと一緒に遊べてる人、動いてる中で新しく出会ったたくさんの素敵な人々。

 

あ、THE  WINDS  忘れちょった!七色餅!

 

歴史です。もう僕の半生です。ずっとおったよねぇ。ずっと一番近くでおってくれたよねぇ。泣いて相談したこともありました。

 

同志とはこのこと。これが盟友じゃなかったら盟友はいらない。

 

これまで一緒にやってきたこと、やめません。

こっちはなんとかなると思います。昨日集まった20人がいますから。それを見つけて繋いで作りあげてきたのはあなたです。

こっちは20人とか50人とか今まで通り仲間がおるけど、ひとりここから離れてしまうのはさびしいろうなぁ。直で関われんのははがいでねぇ。

 

ま、また帰ってくるか。

また一緒に何かやるよね。

それまでしっかり成長しちょかんとね。

 

うん、餅も作るし、朝倉会もあるし!

 

本当に長い間ありがとうございました!

これからもよろしく!

 

 

現状、土佐だけではなく日本全国他の刃物産地を見渡しても、後継者不足は深刻な状況です。これは刃物に限ったことではなく、どこの伝統工芸を見てもだいたい同じ状況だと思います。

理由はなぜか。
ただ一つ、ものづくりの世界で職人が稼げていないから。従来の販売の仕方と流通形態がそういう状況を作ってきました。これを変えない限り土佐の刃物業界に未来はありません。

この課題は何十年と変わってません。
30年前のどこかの刃物産地の提言書にも、20年前のとある刃物産地の新ブランド立ち上げのコンセプトにも明記されてます。

でも変わっていない。

鍛冶屋が稼げていたら、弟子(今の創成塾の若者たちのような)を取る余裕も出来る、息子にもやらせてもいいと考える職人も生まれるはずです。
かつてはそういう状況がありました。仕事がどんどん増えて弟子を取ってその弟子が独立してどんどん職人も生産量も増えていく高度経済成長時代。
それが、いつからか手に職をつけても、キツい仕事の割に稼げない、朝から晩まで忙しく働いてもたいした稼ぎにならないようになってます。

課題はおそらくこの一点です。
ここを変えれば次の職人は生み出せるはず。
そのためには今の職人がしっかり稼ぐこと。売上だけではなく、同世代の公務員や県内大手の会社員レベルの収入を得て、同じくらいの労働時間で生活していけるように。(あ、公務員さんも大手の会社員さんも残業しゆうか。)

ただ、時代は追い風です。
親方世代の30年前には想像出来なかった風が吹き荒れてます。機械で作った品や中国製の品と値段で戦わなければならなかった当時。品質が良いことはわかっていても安くなければ流通させてもらえなかった時代。

今は違います。
ホームセンターの安い品を全員が買っていた時代を経て、品質も重要な選択基準になり手作りの品や作り手の気持ちまで届く品を選ぶ人が増えてます。
もちろん値段だけが判断基準の人もたくさんいますが、その人たちにまでターゲットを広げる必要はない。道具に対して意識の高い層の心を掴んでいけば、その次の層にも少しずつ気づいてもらえるようになっていくはず。

大企業がD2C(ダイレクトツーコンシューマー)に舵を切っていると聞きます。大きな広告をうって沢山の小売店へ並べても昔ほど意味が無くなった。それより顧客と近づき濃く繋がることがこの先の時代には必要。
これは自分たち鍛冶屋にも出来ることです。むしろ大企業よりずっとやりやすい。

インターネットがあるのです。スマホです。SNSです。
「鍛冶屋みんながネット販売しよう」って言ってる訳ではありません。得意不得意はあるので、直接繋がることが全てではない。この部分を問屋さんや小売屋さんが担っても良い。間に問屋が入っても誰が作ったかわかる売り方。トレーサビリティのある世界。よくある職人の顔を出すという形。

ただもう一つ次の世代の職人はみんな自社での直売やネット通販を当然のツールとしてやってくるはず。スマホネイティブな世代は自然にやるよね。ここで若いやつらに逆転食らわないために今出来る人はやるべきやと思うけどなぁ。仕事じゃないところでスマホ使いゆうもんね。

そんな追い風の吹く時代です。

鍛冶屋の数が減ったことによって仕事は現存する鍛冶屋に集まってきてます。東京や大阪など都会の刃物業者さんから次々に注文が舞い込んで職人は今みんな忙しい状況だと思います。その忙しさの中身をもう一度見つめてみませんか。それはこの先も続くのか。オリンピックが過ぎ去っても続くのか。10年先20年先にその取引先は営業を続けているのか。

今の忙しさの中身とともに今の単価も見つめてほしい。
その値段で作っていれば生活は出来るでしょう。職人は70歳でも80歳でも働くことが出来ます。退職後の20年とかは想定しなくていい。たぶん自分とその家族は生きて行けるでしょう。

一点だけ考えて欲しい。
その仕事内容と今の単価で次の世代に渡せますか?
息子が職人になりたいと言った時、どこかの若者がやらせてくださいと言ってきた時。

鍛冶屋創成塾には10人の応募があったと聞きました。やってみたい若者はいるのです。
その時に「やめちょけ」って言いますか?
その時に「やめちょけ。よそで勤めた方がなんぼかまし。」って言ってきた職人が多いから後継者不足に陥っているのです。

あなたの親父さんはやらせてくれたよね。親方は受け入れてくれたから今の仕事が出来ゆうがよね。その流れを途切れさせますか?

今の世代で土佐の鍛冶屋を終わらせますか?

何か行動しても、何か新しいこと始めても、すぐに結果がでるものではありません。それでも今のままでいることのリスクを感じてほしい。現状維持への危機感を。

職人であってもそういう経営者としての意識を持つべきだと思う。それが必要な時代がとっくに来てます。

5年後10年後の自分のために、その先20年30年後の後輩たちのために。

考えてほしいなぁ。

 

 

 

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