鍛冶屋日記

月別: 2012年4月

先週から若き鍛冶屋さん(26歳)がうちの工場に勉強に来てます。長野から。2週間。今回で三度目の修行。高知まで来るって意欲がすごいと思います。仕事を教われる環境にないという悩みの方が強いのだろうけど。とっても真面目にやってます。

修行ついでに29日(日)の『職人ストリート』にも一緒に出てお手伝いしてもらいます。

心意気がひとつ増えた。

イベントでのお客さんとのやりとりや商店街活性化みたいなものにも触れてくれたら勉強になるはず。
工場から外に出たはさみ屋を見てどんな感想をくれるかなぁ。

ついでにここで29日に課される『七色のミッション』の全貌を明かしておきます。

・ヒゲそりジャー(散髪職人)
・たっかいたっかいところに登れ!(植木職人)
・この木なんの木?(植木職人)
・元気な声で3つ売れ!(ポン菓子職人)
・1㎏のしょうがを量りとれ!(根菜職人)
・包丁シャキーン(鍛冶職人)
・これ何切るが?(鍛冶職人)

の七つです。

楽しそうでしょ。

クリアしに来てください。

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昨日は久しぶりにのんびりしました。昼寝も。一日中ぐうたら。

この春中学生になったりんくん。職人ストリートの仲間である植木屋さんの娘さんとクラスメイトになりました。小学校は別々の校区でしたが中学校は一緒になるね、って言ってたらクラスまで一緒。

その娘さんからの話を植木屋さんから聞きました。

「一年生の教室の窓ガラスを端から端までコンコン叩きながら廊下を歩く三年生とかおるみたいっす。うちの娘がびびってました。大丈夫やろうか。」

娘さんは小学校とは違う新生活になかなか緊張しちゅうようです。
うちにはお兄ちゃんの時の経験があるのでりんくんに何の不安もないけれど。

家に帰ってりんくんに聞いてみました。

「ガラスを叩いてちょっかい出しながら歩く三年生がおるらしいね。」

そしたら隣の人から答えが返ってきました。

「あー、それ俺かも。」

噂の不良三年生の正体はうちのお兄ちゃん。

ちょっと素敵な話。

かっこいいなぁ、涼太。

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前回書いた『によどがわ七色ロード~恋色の巻』にてもうひとつ新しい企画。

『七色のミッションをクリアせよ!!』

職人ストリートに出店するそれぞれの職人さんから与えられる課題をクリアしてご褒美をもらおう。ご褒美は土佐ジロー卵のソフトクリーム。

対象は小学五年生以上。
3人一組でチャレンジ。
参加費300円。

思惑としては
「子供たちに職人さんのちょっと難しい仕事を体験してもらって達成感と大人のすごさを味わってもらう」
です。

「どうなや。俺ら簡単そうにやりゆうけどやってみたら難しいろ?」です。

「集中せんといかんで。集中せんと手ぇ切るで。血ぃ出るで。」です。

2月に出席したセミナーにてグループワークでみんなで作った企画です。その時の様子はこちら

体験してもらう内容は実現可能なものにアレンジしましたが(畳担いで50メートルダッシュは今回は見送り)、企画やタイトルはその時のまま。

本当にやっちゃいます。

虎視眈々と実現目指して準備してましたが、開催10日前に問題発生。

今回出店する職人が7人に足らない。5人…。みんな忙しいがやね。
あー。『七色のミッション』ってタイトルに入っちゅうのに…。ポスターにもしっかり載せてくれちゅうのに…。

職人ストリート以外の商店主さんにお願いしようかとか考えましたが、出来れば職人ストリートで完結したくて植木職人さんに相談したら良いミッションをひねり出してくれたので植木屋さんと自分が2つずつやることにしました。これで7つ。

今回だけじゃないしね。
次もまたやるし。
今回出れない職人さんのためにも、しっかりと「大人すげぇ」って思わせなければ。

普段は触れる機会のない自分たちの仕事を子供たちに知ってもらう場所になればいい。

未来のお客さんですから。

当日の受付とミッションクリア証明書のデザインは観光協会のあおきさんに押し付けることに成功しました。あの日あの時一緒に企画を生み出した仲間やきね。巻き込んでみた。

あとは遊びに来てもらうだけ。

4月29日(日)
いの町商店街にて

ぜひ。

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大人の男の人4人の前で自分のしてきたことを説明してたら2回くらい泣きそうになりました。
涙はこらえたけれど。
伝わったかなぁ。

4月29日(日)いの町商店街にて三回目になるイベント『によどがわ七色ロード』が開催されます。

今回のサブタイトルは『恋色の巻』。

5月の3~5日に毎年仁淀川の河原で行われる『紙のこいのぼり』のプレイベントという位置付けなので恋色の巻。ナイス。

夜な夜な集まって着々と準備中。

恋色にちなんで新しいアトラクションを作ります。

『おみくじ恋のぼり~鯉に恋して恋愛成就』

装置は出来つつあります。
装置の設計責任者は町の若き散髪屋さん。

おみくじ引きに来ませんか?

大吉や中吉だけでお茶を濁すつもりはありません。凶や大凶もきちんとありますのでご安心ください。

町を楽しくしたいやつらが時間削って真剣にふざけてます。ほんとに楽しい。
僕はもっともっとふざけた方が遊びに来た人にも楽しんでもらえると思うがやけど、きちんとした人にちょいちょいブレーキかけられたりしてます。

恋が叶うとは約束出来ませんが、きっと楽しめるはずなので、是非遊びに来てください。

4月29日(日)
いの町商店街にて。

お待ちしております。

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一昨日、外回りの一日に吾北までドライブしたついでにある作り手さんに会って来ました。

以前にも会って話したことのある、ものづくりをきちんとしている若い人。

前に会った時より忙しくなって名前も売れて仕事も選んでる感じ。

ダメもとですが、心意気があるのはわかっているので『職人ストリート』の話を出して誘ってみました。

「今はそういう場所に出て行くより、がっつり作りたいがです。自分が作りたいものを。」って返事。

すごく気持ちがわかる。

工場にこもって作り込むことだけでは許されないとこまで来てしまった僕にはちょっとうらやましい。

でも怯まずに『職人ストリート』の内容と自分の思いを伝えて時間あったら覗きに来てって言いました。

ちょっとは興味を持ってくれたと思います。

前回会った時は

「一人でやるのは大変やろうけど自分の目指すものを自分が思うように作れていいなぁ…。」って思いました。

今は違う。
そういう気持ちはなくなった。

今うらやましいのは、あちこち出て行くことなく宣伝とか余計なことに時間を使うことなく、商品のクオリティーだけで勝負できる環境まで行けてるように見えること。

仕事の質でいろんなものを引き寄せる。理想。

最近「おろそか」って言われて凹みました。
そう見えるかもしれんけどそうじゃないよって思いながらも、凹むってことは自分でも思うとこあるがやろうね。
じゃなければ「そんなことないよー。」って堂々と反論できたはず。

でも彼と話して確認できたのは

「いろんなことに時間とられて出来上がる数には影響があってオーダーしてくれたお客さんを待たせてしまったりしゆうけど、ひとつひとつの品質は決しておろそかにしてないよ。」ってこと。

自分とこで作ったもの、作り方が最高だなんて未だかつて思ったことないけど、今自分が知っていてやるべき作業、気をつけるべき工程は目一杯やれゆう。抜いてない。

2年と半年分の相手の進化と同時に自分の変化にも気づくことが出来ました。

今の目標は、作るのに没頭するにしろ外向けて発信するにしろ、やりたいことを見つけた時にやれるスペースを空けること。

今はいっぱいいっぱいです。

いっぱいいっぱいの中がんばるのも必要と思ってやってきたけどそろそろ次のステージへ、とかまたかっこつけて考えています。

余計なことに時間とられて忙しくて悶々としてて愚痴っぽくなりそうでブログも書きづらくなってましたが前向きになれました。

会いに行って話出来てよかったです。

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昨日はうちの工場にテレビの取材が来ました。

『遠くへ行きたい』って番組。

夢枕獏さんが仁淀川周辺を旅する番組。その中ではさみ屋に立ち寄ってくれました。

が、僕は脇役。

親父さんが仕事してる姿と夢枕獏さんと親父さんが話してる場面を撮影。
最後にちょっとだけ紛れ込むことに成功。

テレビの人が帰ったあと観光協会せいちゃんから電話がありました。

「テレビどうでした?」

電話の声が半笑いです。

なんで知っちゅうがやろ。

(あ、観光協会がうちを紹介してくれたがや。今回脇役やけど俺が築いてきた人脈の成果や!)

って一瞬脳みそが都合良く回転したので聞いてみたら

「いや、テレビの人が持ってきた行程表に笹岡さんとこが載ってたんで…。仁淀川についてはいくつか紹介したんですけど。」

つまりテレビの人が自力で見つけてくれてた訳です。

紹介じゃなかった。
人脈じゃなかった。

せいちゃんにカレー奢っちゃらないかん、ビール飲ましちゃらないかんとか思ったのに。取り越し苦労。

まぁ、そんな心の中の浮き沈みもすべてせいちゃんには伝えたので次のチャンスにはきっと紹介してくれることでしょう。

仁淀川を撮影に来ようが土佐和紙の取材に来ようが

「いい鍛冶屋さんいますよ。」って。

そん時は主役。

期待して待ちよります。

今日は餅つき。

(お知らせ)
『遠くへ行きたい』
春の高知~清流仁淀川巡礼

放送日:4月29日(日)午前7:30~8:00
読売テレビ
(高知では放送されてない番組なので日時は未定ですが6月以降に放送する予定だそうです)

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