鍛冶屋日記

月別: 2008年11月

最近、神様を信じている人がよく工場に来ます。

「十日目」

いよいよ焼き入れです。
780℃に沸かした鉛のお風呂に鋏の頭を突っ込みます。

で、一定時間待ってから、すかさず水風呂に浸けて冷やします。

これで鋼が硬くなります。長持ちする刃に変わります。
このままだと刃は硬いけれど弱いので、焼き入れの後、焼き戻しをします。今度は200℃に沸かした油のお風呂で1時間。
これで硬くても欠けにくい粘りのある刃の出来上がり。
以上が「熱処理」。

続く。

実家の玄関のカレンダーを6日遅れで破ったら突然12月になってしまいました。
今年も終わります。

「九日目」
前日残ってしまった頭の形を合わせる工程が終わったら、ひたすら磨きの作業です。
まだ叩いたまんまの部分にグライダーをあてそれからまた細かい目のバフで全体を磨きます。つるつるピカピカになります。

でもこっちは顔も真っ黒、鼻の中まで真っ黒です。
全部あて終わったら、叩いて曲がったりしている穴をもう一度ドリルで通します。
次に写真のような刻印を打ち込みます。ブランド名とか鋼の種類とか。金槌でドンです。
明日はいよいよ焼き入れ。
もうすぐ出来上がります。
九日目終わり。

今日は朝から売り出しです。
いの町のサニーマート伊野店さんの創業45周年のイベント月間ということで「地元のえいもん持って来て売りや」って声を掛けて頂き店頭販売してます。

商品並べて1時間半。おんちゃん一人と話せました。
長い一日になりそうです。
夕方6時まで。
今日はぬくいき頑張れるろう。

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りんくん風邪で熱でぐったり。

おとなしくて無口な凜。
期間限定だそうです。
お見逃しなく。

「八日目」
これからどんどんすり落として削って頭の形を作ります。
再び刃を真っ直ぐに、背の部分をまるく、刃の表側を斜めに削って鋼を出します。それから表面を平らに削って、もう一度刃の厚みを均一にしながら薄くします。こんな感じ。

そこで一旦全部しるしを合わせて

一組ごとに将来の相手と同じになる様に一つ一つ形を合わせます。

これも時間がかかります。削って合わせて、合わせて削って。
「いつまでやりよらぁ!」です。

初めの頃は、あっ、こっち削りすぎた、あっ、今度はこっちが、ってどんどん細くなってしまったり。

100組合わせる途中で八日目終了。
残りは明日。

ハッピーマンデーに関係のない月曜日の祝日。

朝から包丁を6丁研ぎました。右肩が痛いです。腕枕のせいやろうか。

「カレーの後のハイライトはうまい。」

文化の日。

秋天予想。
ディープスカイ-ウォッカ。馬単で。
発走10分前。

「七日目」
穴から下は出来上がったので、お相手探し。
できるだけ均一に仕事してきてもやっぱりそれぞれ形が違ってます。その中から将来組み合わされるよく似た相手を探します。100組。
これってペアを見つけて、穴を揃えて合わせてみるとこの状態。

それから刃先のかみ具合と足のふくらみ具合を見ながら金槌でまたコツコツ叩いて形を合わせます。

形的には出来上がりに近づいてきました。
それから組み合わせごとにタガネで印(しるし)を打ちます。穴の回りの将来隠れる場所に。

機械で作った鋏にはこの印はありません。均一ですから、どれを組んでも出来上がる。
鋏をバラして印があれば手打ちの鋏ということです。

これから頭の形作り。
あ、七日目終わりや。

クロワッサンが好きだということを今朝思い出しました。

続き。

ここでまた火を起こして、足先を曲げます。足先のくるって丸まってる部分を蕨(わらび)と呼びます。ここを作る作業。

先だけ焼いて写真の型に置き、

火箸でクイッて曲げて
すかさず型から取って

金槌でコンコンコンって叩き曲げて蕨の出来上がり。

これからしばらくは火は使いません。

六日目でした。

お昼休みが2時間ぐらいあればいいのに。

「六日目」
昨日伸ばして尖った足先をまた長さを切り揃えます。

それから足全体を研磨。木の棒に溝を掘ってそれにあてがい、ぐるぐる回してグライダーで丸く削ります。

まだ目が粗いのでもう一段階細かいバフで磨きます。これもあて方は同じ。ぐるぐるです。

左がグライダー、右はバフをあてたもの。
写真じゃ違いわからんね。

続く。

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