鍛冶屋日記

年: 2014年

2週間くらい前のこと。
「高松でこんなイベントありますけど出店しませんか?」って声をかけてもらった時に悩んでしまいました。素敵な感じのイベントです。が、躊躇してしまいました。

県外へ、さらに海外へ、ってどんどん進出してる刃物屋さんもたくさんある。日本全国飛び回って売ってる鍛冶屋さんもおる。

でも、自分の考え方はちょっと違ってて、地元のいの町でさえまだお客さんになってもらえてない人いっぱいおる。お客さんになってくれる可能性のある人いっぱい。
だから、地元の町でいいじゃん。いの町全部にお客さんになってもらえることが出来たなら、きっと隣の町にも聞こえるはず。隣の町まで認めてもらえればその先には隣の県にも届いたり。前途洋々。って考え方。
地道やけどこの方がうちにとってはやりやすい。経費をかけて外に行くよりも。

そんなこと考えてる時に高松へのイベント出店の紹介をいただく。

めずらしく考えてしまいました。お返事は保留して考える。

今、県外へ出て売りに行く時なのか。もっと工場にこもって作ることをがっつりやる時なのか。
販路開拓をいろんな方向からやってきて、作る方が間に合ってない場面も時々あるし。

ちょっとモヤモヤ。

だから、ある人にさらっと相談。

「どう思う?」

「笹岡さんは何やってても、高知で、いので仕事してる、ってことはみんなに伝わるからいいんじゃないですかー。ガンガン出て行って。」

ありがとう。
よし、行こう。
たぶんビビってただけです。アウェーに乗り込むことに。

その翌日にまた別の方向から声をかけられる。

「G.W.に佐賀へ売りに来ませんか?」

「行きます!」

単純。
もう切り替わってますから。
そう言えば滋賀からもお誘いを受けちょった。夏に行きます。

ビビった自分を自覚したらガンガン外へ行くことになってきました。
もちろんその都度吟味はするけど、今きちんと繋がってる人から誘われたのだから行くべきだ。

高松のイベントは書類選考があるので出店出来るかどうかわかりませんが、とりあえず申込みはしました。

佐賀「有田陶器市」は5月の3日・4日の出店が決まりました。

作るの間に合ってないなら間に合うようにすればいい。それだけや。

『イベントをやるのは普段会えないお客様に会いたいから』

どこかで読みました。自社でイベントをやってる方の言葉です。いい言葉です。

「売りに行く」じゃなくて「会いに行く」

これカッコイイのでちょっとこの姿勢で走ることにします。

あとはやってみてから考える。
そうしよう。

自分達で行事を作ってそれに合わせて前日に大阪から帰省した友達と朝まで麻雀して寝ずにその行事を実行する。で、あっという間に日曜日が終わる。
5日経ってもまだ眠い。

この度、ある申請書を書きました。
販路開拓のために使える補助金の申請。

例によって締め切りギリギリまで動かない。
話を聞いた瞬間に「申請しよう!」って思ったくせに動かない。3週間が過ぎ、本当にギリギリになってようやくPCの前に座って半日かけて仕上げる。

書かされた項目は
①企業概要
②顧客ニーズと市場の動向
③自社や自社の提供する商品・サービスの強み
④経営方針・目標と今後のプラン
⑤実行したい事業の内容
⑥その効果

書き始めたらノッてきます。キライじゃない。

数字を眺めての売上の分析、どこを目指して動いてるのか、成功してるのは伸びてるのはどの部分なのか。
普段仕事しながら「よし!このまま行こう!」とか「ここはしんどいにゃあ…」とか考えてることなのだけれど。あらためて文章にしてみる。言葉にして並べてみる。

うちの主力メニューは「一丁あたり数百円~の研ぎ直し」
間違いない。
これをその先の売上に繋げる。
この戦略も間違ってない、はず。

そのために、どんなお店になればお客さんが入りやすいか、どんな工夫をすればまだ気づいてもらえてない人の所まで届くのか。

やれることはいっぱいあります。
お金があったらやれることも増えるし。余裕が出来たらこうしたい!って普段から考えることも大事やね。そのために蓄えることも大事。

申請が通るか通らないかは別にしてこういうのを見つめ直すのは必要だ。
もちろん通ったらありがたいけど。

自分の仕事を再認識して目指すべき道を再確認。
文章に書き起こすことでその目指すべき道がよりクリアに見えてきたような気がしました。

補助金申請という初めてのチャレンジ。
僕の言葉がどう判断されるのか。
審査する人に届くのか。

楽しみです。

「さぁ、ここからやるぞ!」ってところでちっとも熱さを感じられずにがっかりしたり、その愚痴を聞いてもらってほっとしたり、「それはおせっかいで」ってバッサリ切られたり。何故だかその切られたバッサリ感に安心したり。
まぁ、せっかく新しく始めたことなので何か見えてくるのか何にも生まれないのかわかりませんが、もう少し続けてみようと思います。自分のためになるようには絶対するし。自分で。

この度、今年の目標をひとつクリアしました。昨年末の忘年会で見つけた目標のうちのひとつ。

「ふるさと納税」

いの町にふるさと納税してくれた方へのお礼にいの町の特産品をお送りするシステム。
そのお礼の特産品にうちの品を入れてもらおう!ってこと。
もちろん生産者にとっては売上です。

忘年会の席で町の年下議員さんから「やりましょう!」って勧められ、観光協会さんに「協力しますよ。」って言葉をいただき、すでに特産品を出してる土佐の赤牛を育てて売るお肉屋さんにも「結構出るき、絶対やった方がえい!」って言ってもらう。

年明けに前出の議員さんから「役場に確認して来ました。刃物もOKです!」って連絡。
わざわざ聞きに行ってくれてました。ありがたい。

それで写真と説明文を書いて観光協会さんにメールして「役場に提出しました。準備お願いします。」って言ってもらったのが2月半ば。

それから町のホームページをちょくちょく覗いてたけれどなかなかアップされず。
ちょっと忘れてしまっていたら昨日「注文入ったのでお送り先、その他注意事項メールしときます。」ってお電話をもらう。

急いで確認したらちゃんとアップされてました。
いの町へのふるさと納税はこちらから。

で、本日出荷。
町長になりすまして、じゃなくて町長から委託を受けて商品発送。

はい、目標クリア!

いろんな人のおかげです。
そのホームページに載ってなければきっとはさみ屋の存在すら知られることもなかったであろう県外の方の元へうちの品が旅立った訳です。
包丁が欲しかった人ではない、ただ、いの町に協力したいって方のところへ。

赤牛や文旦やマンゴーや土佐和紙やアイスやお酒の中から選んでもらう必要はあるけれど。
選んでもらえた。
その時選んでもらえなくても「あ、いのでも刃物作りゆうがや」って知ってもらうだけでも効果はあるよね。

本当にいろんな人のおかげで、またひとつチャンネルが増えました。
言葉にすると軽いけれど、本当に「ありがとう」です。

そんないろんな人と出会って繋がるってことが何より大切な気がしてます。その想いはどんどん強くなっております。

こうやってちゃんと結果出るし。

だってあの飲み会行ってなかったらこの売上はなかったわけで。3ヶ月とか半年とか1年先に実現しちゅうかもしれんけど。

そして、その大切なことを頑張る次の世代に伝えたい。けど、これがなかなか難しい。
ま、これは気長にやります。
そもそもおせっかいやきね。

あれやこれや書きたいことや書くべきことがたまっていながら書けてないとどんどん書くことから逃げてしまいます。

でもとりあえず今告知すべきこと、書きます

『職人イドバタミーティング』

やります!

そこらで真面目に働く若いやつらを集めてあれやこれや話します。
モノを作ったり、売ったり、キレイにしたり、カッコよくしたり。
そこにあるのは想いです。心意気です。

・親の仕事継いでやりゆうけど今まで通りじゃダメな気がする
・常連さんの年齢層が高いがやけど何とか若い世代にもお店に来てもらいたい
・新しいことせんといかんてのはわかっちゅうがやけど何したらえいかわからん
・競合するチェーン店の安いサービスに技術じゃ負けてない自信あるけどどうやってアピールしたらいい?
・一応頑張ってきて忙しくなって一人じゃ回らんなってきたけど、人を雇うってどうしたらいいがやろ?
・こんなこと学んでみたいけど何処へ行けば教えてくれる?

そんな悩みや課題はいろんな職業に共通するものだと思います。

一人で悩み一人で立ち向かってる人もいっぱいいます。

業種が違っても同じような悩みがあるならそれを共有してお互いにさらけ出してみたらなんか新しい方法見つかるかも。ヒントだけでも。そんな未来を描いております。

それから、

・本業の技術活かしてこんなことやってみたら新しいお客さん増えたよ
・ちっちゃいことやけどこんなことしたらお客さん喜んでくれたー
・結果はどうなるかわからんけどこんなことにチャレンジ中です

そんな成功体験・チャレンジ魂を持つ人にも来てもらいたい。

やってみたこと、やってみてること、やっても効果がなかったこと。
後に続くやつらに話してあげて欲しいです。

ここで言う職人は大工さんや畳屋さんだけじゃありません。散髪屋さんやクリーニング屋さんはもちろん、パン屋さんもカメラマンやデザイナーだって職人やし、モノを仕入れて売ってる八百屋さんも薬屋さんもその道のプロです。
心意気があるか。気概があるか。それがこの場所の職人の定義。

いろんな仕事のいろんな課題や成功が違う仕事でもきっと活かせるはず。

硬いことばかり書いてしまいましたが、そんな難しいことばかりじゃなくて雑談しましょう。
本気が集まればバカ話だけでも強くなれるよね。

是非是非遊びに来てください。
もちろん職人さんと会いたい話したいって方も大歓迎。お客さん目線の意見もあった方がいい。

日時:3月16日(日)
午後1時~日暮れまで
(出入り自由・日が暮れても話が終わらないならどこかへ一緒に飲みに行けばいい)

場所:いの町刈谷農園のトレーラーハウス
(仁淀病院の南300m・コーラの自販機目印)

参加費:300円

飲み物食べ物ご持参で。
※コーヒーは持って来てはいけません。
「toshimori coffee」は営業中なのでガブガブ飲めます。

職人が職人としてきちんと生きていける世界のために、今ある仕事を次の世代にも繋げられるように、高知の日本の『職人シーン』をここから盛り上げていきましょう。

もう本当にお気軽に。
お待ちしております。

前回書いた『山のそらの森のめぐみ市』でチェーンソーの目立てを見せてくれたおじさんが!
昨日、包丁を2丁持ってはさみ屋にご来店くださいました。研ぎのご依頼。吾北から。
うれしいなぁ。

この度、はさみ屋、雑誌で紹介されました。

『四国旅マガジンGajA(ガジャ)』

この時の商談会で出会った出版社さんです。

写真も文章も素敵です。

文章を読んだ母の感想。

「上手に書いてくれちゅうねぇ。内容に嘘は無いがやけど。」

まっこと。
確かに全然嘘はないし、親父さんと2人でやってきたことやし、取材にきてくれた時に話したことを書いてくれてます。
でもなんか、すごい仕事しゆうみたいになっちゅう。

写真もそう。
ごちゃごちゃいっぱい作りかけやら道具やらであふれた工場と裸電球がものすごくいい感じの空間に。

見せ方、表し方。
さすがプロです。
ありがとうございます。
イベント出展の際にはこれみよがしに飾ろうと思います。

本屋さんに売ってますので見てみてください。

『GajA』

発売中!四国の旅行雑誌です。

他の記事もとっても素敵な本ですので、134ページを立ち読みしてから買ってください。

あの日の商談会で出会えたことに感謝です。
商談会に誘ってくれたデザイナーさんにも感謝。
デザイナーさんとマッチングしてくれた四国経済産業局さんにも。

全部流れに乗っただけ。

やりませんか?会いませんか?出ませんか?

みんながみんなお膳立てしてくれた流れに乗っただけ。
それでこんな素敵な本に素敵な写真と素敵な文章ではさみ屋を紹介してもらえました。

自分がしたのは流れから降りなかったこと。
それと「やりませんか?」って言ってもらえる場所にいたこと。

最初に書いたチェーンソーのおじさんに会えたのも同じことだと思います。
「このイベント出ませんか?」→「はい、出ます。」があったから一人お客さんが増えたがやもんね。

声をかけてもらえるとこにいる、ってのは重要。

『大切なのは安請け合い』
それだけでどんどんお誘いが舞い込みます。

日々実感。
さぁ、次は何が来るがやろう。

土曜日はバニーアイズ(ソフトボールのチーム)の新年会。
家に帰り着いてから吐く。
この歳になっても吐く。
いつまで吐くのか。
最後のラーメンのカロリーがチャラになる。

それでもきちんと携帯アラームに起こされて日曜日はまたイベント出店。

『山のそらの森のめぐみ市』 in 吾北

山と森と木を中心に据えた素敵イベント。

チェーンソーで丸太をムササビに変身させるおっちゃん。
チェーンソーの目立て(研ぎ)を見せてくれるおっちゃん。
スギとヒノキを切り株で見分けるおっちゃん。

小刀とサンドペーパーでマイ箸やマイスプーンを作らせてくれるコーナー。

炭火でくるくるくるくるバームクーヘンを焼かせてくれるコーナー。

それを楽しむはさみ屋と観光協会職員。
一緒に盛り上がる子供たち。

いい休日。
売りにいったがやけど。

杉とか檜とかチェーンソーとか。
長年培ってきた経験とか知恵とか技を知らんぷりして見せつけたり聞いてもないのに教えてくれたり。

職人ストリートの目指すとこはここなのかもしれません。

もっと盛り上がっていい、本当に気持ちいいイベントです。

また来年もやりそうなので遊びに来てみてください。是非。

今日は「土佐せれくとしょっぷ・てんこす」さんの4周年イベントに出店。

もう4年かー。

うれしいことが3つ。

エピソード1
お隣に出店の土佐清水宗田節のつけ麺屋さんに声をかけられました。

「去年包丁買わせていただいたんですけど…。」

覚えてますよー。

「自分で砥ぐことが出来ないので、今日会えるかなーと思って持って来てるんですけど…。」

もちろん砥ぎます!

うれしいなぁ。去年のこのイベントで出会って買っていただいて一年間使ってもらって砥ぎに持って来てくれる。
いいサイクル。しっかり砥ぎ直しました。
また一年後。
あ、つけ麺も美味しかったです。

エピソード2
高校の同級生クラスメイトの女の子が偶然通りかかったので声かけました。

商品見てくれていろいろ話してる中、小さいナイフに興味を持ってくれる。

「何に使うがー?使う場面ないろ?」って言ったら

「んー、お父さんへのバレンタインのプレゼントに。」

ナイス!

で、お買い上げ。
はさみ屋、バレンタイン商戦にも参入です。

そのあと「へぇー、てんこすに出しちゅうがや。うち(ご実家の果樹園)もジャム出しちゅうで。」

という訳で、ナイフをプレゼントされるお父さんも「てんこす」さんに出品しちゅうらしいことを聞いたので彼女が帰ったあと探し出して買いました。

「果実ごろっとジャム」
made by 土本観光果樹園さん

高知産りんご!

おすすめです。
まだ食べてないけど。
ありがとね、のりちゃん。

エピソード3
お向かいに出店の香美市の生姜屋さん。
ちょうど実家のポン酢が切れてたので「生姜ポン酢」なるものを買いました。ポン酢の中にすりおろした生姜が入ってます。

買ったすぐあとにその生姜屋さんのおねえさんがはさみ屋ブースに来てくれて包丁を買ってくれました。お返し。物々交換。

あっちのポン酢じゃなくて「生姜ポン酢」買ってよかったー。

そして、つけ麺屋さんの二の舞を期待します。

寒かったけれど、今日の売上はこれで全部だけれど、他には一個も売れてないけれど、こんなうれしいことがあるのでまた明日も「てんこす 4周年 こじゃんと感謝祭」へエピソード探しに行きます。

けど毎年ほんとに寒いき、創業記念日変えませんか?てんこすさん。

もうちょい良い季節に…。

ノルウェーからいの町に和紙の勉強に来ているヨハン26歳に会ったのが去年の秋。
一緒にキムチ鍋を囲んだひと月後に包丁を買いに来てくれました。
その時の写真。男前。

今週再びご来店。今度はお父様とご一緒に。お父さん、息子の様子を日本まで見に来たのか。

パパッと見てあっさり包丁3つも買ってくれました。
お刺身用と万能包丁二種類。

それから工場も見学してもらって満足そうに帰られました。
日本語が通じないのでうまく説明出来ないのがもどかしい。

「濡れたままおくと錆びるよ」とか「使えば切れ味は落ちるけど砥ぎ直しすればずっとずっと使えるよ」とか、普段は説明して買ってもらえるのだけれど。

英語の取り扱い説明書とかも必要になってくるのかなぁ。
でも、前に買ってくれたのを2ヶ月使ってくれた上での親子での来店だから大丈夫か。

使ってくれた人がまた買いに来てくれたり誰かにおすすめしてくれたり。ありがたいです。うれしいです。

そして、デザイン包丁(TOSA no DAICHI)がノルウェーへ旅立ちます。

ヨハンパパが選んでくれた!
「これとこれ」って指差したうちの一つがストライプの柄でした。

岡山で売れた時に「瀬戸内海を渡りました!」なんて言ってたのにあっさり日本から飛び出します。

すごいなぁ。
また空っぽになった。
作ります!

この前の火曜日に小学生の男の子とお母さんがはさみ屋にご来店。

「お仕事の手を止めてすみません。この子が見たがっただけですので…。」

遠慮気味なお母さん。

「見るだけでもかまいませんよー。どうぞどうぞ見てってください。」

どう見てもウキウキワクワクしている少年。
車で通りかかって刃物屋見つけて覗きたがってくれたらしい。

「やっぱり!包丁いっぱいあるでお母さん!うわー、これ欲しい!あ、こっちの長いやつもいいなぁー!」

で、デザイン包丁を見つけて

「あ、これいい!ね!お母さん!これ買っていい?お年玉で!」

困るお母さん。

「いいろ!ダメ?あ、じゃあこのちっちゃい2000円のやつならいい?いいろー?」

こんな子おるがや!
お母さん困ってるので少しお話しました。

「何年生?」
「二年!」
「お料理好きながや?」
「うん!」

おもしろい。包丁が並んでるの見てハイテンションになる小学二年生。お年玉で包丁を買いたがる小学二年生。
鍛冶屋の作業に興味を持つ子供はいたけれど完成品に食いつく小学生は初めてだ。

お母さん困っちゅうし、前回書いたように本当にタイミング良く子供向けデザイン包丁を開発中なのでそれを伝えました。

「今ね、このかわいい柄のシリーズでちょっと小さいやつを作ろうと思うちゅうがよー、子供用に。3月には完成予定やきその時また見に来てや。」

「んー、そっか…。うん!わかったー。お母さん!帰ったらカレンダーに書いちょこう!」

変わった子。
でもうれしい。

冷却期間を置いて忘れられてしまうのか、ますます包丁への情熱が盛り上がるのかわかりませんが、ほんのひとときでもこんな風に思ってくれる子がいるってことがわかりました。うれしい。はさみ屋を見つけてくれてありがとう。

そんな子と出会った2日後に全然別のところから研ぎ直しに持ち込まれた包丁。子供用。

うん。子供用だ。
このパンダやドングリの絵によってお料理に興味を持つ子たちはきっといる。それは素晴らしいこと。

でも、こういう方向じゃないとこを求めてる親御さんもいるはず。
包丁は切れなくてはいけない、切れる刃物使えば料理はおいしくなるし、切れる包丁の方が実は安全で切れない刃物使ってたらケガするよ、ってことまで伝えたい親御さん。
で、そこに向けてのはさみ屋の子供向けデザイン包丁プロジェクトなのだけれど、今回出会った少年のように、すでに包丁を使うのが大好きな子供たちにも選んでもらえたらまた違ったうれしさや充足感もあるよね。

もし、3月にもう一回来てくれて新デザインの包丁を気に入ってもらえたなら頑張ってお母さんを説得してみよう。

はさみ屋に連れて来てくれるようにお母さんを説得出来るかどうかの方が大変やろうけど。

しっかり準備して楽しみに待ちたいと思います。

次の日曜日こそゆっくりのんびりしっかり眠ることにします。

デザイン包丁第二弾プロジェクトがスタートしました。

事の発端はある女性からの提案でした。
昨年12月中頃に「いの町・かみのひなまつり」という町のイベントの企画会議に出席して終了後、一人の女性に声をかけられました。

「ひなまつりは女の子のお祝いなので、小学生くらいの女の子を持つ親御さんへ向けて『娘さんへの初めての包丁』ってコンセプトで売ってみたら?ちょっと小さめのちょっとかわいい包丁を作って。」

「わかりました!考えてみます!」

軽く返事するのは得意です。

頭の中にはデザイン包丁が浮かんでてそれをちっちゃくすればいけるじゃん、って考えてました。
デザイン包丁の柄のバリエーションを増やすこと、子供向け化、みたいなことは他にもあちこちから意見をいただいてたし。
デザイナーさんの許可をもらって木工職人さんに小さめの柄を作ってもらえれば完成や。

簡単に考えて何にも動かないうちにさらっと年明け。

ひなまつりは3月1日開催のイベントなのでそろそろ動かないかんにゃあと思って2人に連絡。
「お願いしたいことがあるので会えませんか?」
2人は高松の人なので「今晩どう?」って訳にはいきません。

2人から12日の午後なら空いてますってお返事をもらう。
12日の晩は所属するソフトボールリーグの新年会があるので18時くらいには高知に帰って来んといかんけどまぁ13時から話せば大丈夫やろ。で、決定。

そのあとに11日は大阪から仲良しが帰省して朝まで麻雀の予定があることを思い出す。
けれど決まったものは仕方ないので全て予定通りに遂行することにしました。

大三元をツモられたりしながら朝まで遊んでちょっと寝てから高松へ。

眠い顔を隠して約束のカフェで打ち合わせ。
子供向け包丁の企画を話すと快く承諾してくれました。
それだけでなく、こっちは既存のデザインで少し小さめでOKって思ってたのに「デザインもちょっとアレンジして新たなものにしましょう!」って話がどんどん盛り上がる。ノリノリ。

コンセプトは
「ひなまつり・子供向け・初めての包丁・それを本物の打刃物で」

いい流れ。

3人それぞれがアイデアを出しながら採用したり却下したり擦り合わせたりしてるうちにデザインも決まりネーミングまで完成。

3時間話しただけで何かやり遂げた自己満足感がものすごい。まだ何にも出来てないのに。楽しくやれれば自己満足で全然かまん気がする。失敗したらまた考えます。

いろいろ話してるうちにビシッとはまる着地点が見つかるもんやね。
やる気のある人達と話してるからこそ為せる業か。同んなじ方向向いちゅうし。

最初に提案してくれた方に感謝です。それからその方に「あの時提案してくれた包丁出来ましたよ。」って言うのが楽しみです。これが僕のモチベーション。

早く発表したいけどデビューは3月1日(土)のひなまつり、いの町商店街のイベントにて。
少しお待ちください。

そんな楽しいミーティングもワクワク感満載のうちに終了してカフェイン大量摂取で休憩しながら高知まで帰って来てなんとか夜の新年会にも出席しました。

そんな週末。
そして眠い眠い週明け。

次の日曜日こそゆっくりのんびりしっかり眠ることにします。

午後の4時から9時まで会が入っちゅうけどねー。

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