鍛冶屋日記

月別: 2012年11月

「上司」になってみたいです。課長とか。

先日、商工会さんから電話がありました。

「12月23日空いてない?吾北で林業組合のイベントがあるけど、出店しませんか?」

「出ます。」

これで年末まで休み無しが決定。

12月2日(日)
七色ロード(いの町商店街)

9日(日)
ZAKURIのイベント(土佐山田)

16日(日)
おかみさん市(帯屋町)

23日(日)
吾北

本当に上手に放り込んでくれます。

「時間が自由になる人は忙しくなる!」ってことにようやく気づき始めました。

とりあえずは今度の日曜日の『七色ロード』。

主催者側の立ち位置もあるので成功させたい。みんなでがんばって準備してます。まだまだしなければならないこともいっぱいあります。
もう、自分とこの売り上げなんて考えてなかったりして。

晴れますように。
(週間天気予報では降水確率50%…)
雨を引き寄せる『七色チーム』本領発揮。

もう一回言います。

「晴れますように。」

遊びに来てください。

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金曜日
岡山からお客様。以前にも一度ご来店いただいたことのあるナイフ作りが趣味の方で鋼材(鋼と鉄をくっつけたモノ)のご注文をもらう。
「これから宿毛へ釣りに行くんやけど、その前に寄ってみた。」
しかもおみやげまでいただく。きびだんご。

土曜日
和歌山からのお客様。
「道の駅で見たんですけどお店まで来てみました。」で、お刺身包丁をひとつお買い上げ。
『くらうど』さんのアンテナショップぶりはすごい。どんどんお客さんを連れてきてくれます。

さらに、神戸からのお客様。若い植木屋さん。
「神戸で働いてるんですけど実家が徳島なんで。ホームページで見てて買いに来ました。」
お目当ては刈込鋏だったみたいですがひとつ小さい植木鋏を見つけて「あ、これ欲しい。」って。どっちにしようか悩んでましたが、最初の目的通り刈込鋏をお買い上げ。はさみ屋は逃げないのでまた来てください。お電話くれてもお送りします。

facebookを覗いて「あー、みんな休みか。」ってねたんでひがんでだいぶ斜めから3連休を見てましたが、3連休だからこその遠方よりのお客様。世間の休みに感謝です。

旅の行程に組み込んでくれたり、旅先で偶然見つけてくれたり、鋏を目指してわざわざ来てくれたり。

休んでられませんなぁ。

あ、本日日曜日は休み。
朝6時起きでソフトボールを3試合。

あー、休んだ休んだ。

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受験生の涼太くん。うちの長男。

ある高校を目指してます。

ひと月程前に体験入学に行ってサッカー部の練習にも参加。顧問の先生にサッカーの腕前(足前か)を褒められ

「うちに来いや。一緒にサッカーしよう。」の素敵な一言をいただく。

先生だけじゃなく先輩方にも良くしてもらったらしい。好かれキャラ。

このサッカー部の雰囲気が涼太のやる気に火をつけてくれました。

自分の学力と相談してなんとなく受ける学校を考えていたのがちょっとランクアップのこの学校に目標変更。

で、先日中学校の進路相談の三者面談。志望校は決まったものの、それに向かって努力はしてるものの
(本当に自分の部屋で机に向かってたりするのでびびります)
「ランクを下げるように言われるかもね。」ってお母さんと話しながら臨んだそうです。

そこで担任の先生のお言葉。

「今の時点で点数は足りてません。でも、ここに行きたい、ここでサッカーしたい!って思いは伝わるし、実際それ以来、授業態度もすごくマジメになりました。他の教科の先生からの評判もすこぶるいいです。今からの努力は必要やけど、受けてみたらどうですか?」

今まで悪ぶってチャカチャカしてたのがちょっとやる気を見せると激変に見える。もともと真面目な子には使えない武器。さすが。

『受けてみたらどうですか?』

いい響き。

晩に涼太と握手しました。
「おめでとう。志望校受験の許可が下りたそうで。」

本当にこいつは自分で見つけて自分で切り拓く。どんどんどんどん大きくなる。勝手に。

『好きなこと』があるって強い。
それがあることによって違うとこでも努力出来る。目標に向かって努力したなら結果なんてどうでもいいじゃんね。

がんばれ。

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前回書いた記事「スペシャリスト」の内容をちょっと反省してちょっと書き直しました。

きちんと考えて丁寧に仕事をしている職人さんに出会った興奮と挫折感から「片刃の包丁に関してはこの人の品を仕入れて売った方がいいかも。」って書きましたが、その部分を削除。

はさみ屋が作った包丁を求めてくれるお客様もおるはず。
丸投げしてはいけない。
逃げてはいけない。

ひとつのことを専門的にやってる人にはある部分では追いつけんかもしれんけど、自分は自分なりに努力して良いモノを作り出していかんとね。

そしてそういう品や心意気を選んでもらえるように他の部分もしっかりやる。
そう思い直しました。

先日、刃物まつりで片刃の出刃包丁を買ってくれたお客様がはさみ屋まで来てくれました。
奥さまが普段使ってる包丁の砥ぎ直しに。津野町から。

香美市のイベントで出会えた津野町のお客様がいの町の工場まで来てくれた。

刃物まつりは出店料もまあまあ高いのでその場での売り上げも大事やけど、そこからどう後へ繋がるか、の方が大切。売りっぱなしはさびしいし、売りっぱなしはもったいない。

あの時買ってくれた包丁やあの時の会話や砥いでる僕の姿やお渡ししたはさみ屋チラシがあったからわざわざ来てくれたはず。

全部あるからこその結果。うれしかったです。

楽な道を選んではいけない。

「なんでも作る。なんでも直す。」は、やめません。

.

一昨日の月曜日の午後、本物職人さんに会って来ました。
僕より少し年下の片刃の包丁の砥ぎ師さん。
鍛冶屋さんが打って焼き入れまでした半製品を砥いで仕上げるお仕事です。
片刃の包丁は鍛造と砥ぎ(仕上げ)が分業になってます。

仕事の依頼で訪ねたのですが、すっかり話し込んでしまいました。
会うのは2年振り。あの時は駆け出しだったのに見事な成長を遂げられてました。忙しそう。

本気の人は魅力的。
大きな大きな刺激をもらい、それと同時に絶望感に近い自分の限界を突きつけられた感じ。

「ひとつのことだけ極めようとする人」と「いろいろやる人」の違い。

包丁の切れ味と仕上がりの美しさ(機能美)ただそれだけを考えて生きている人。
お客様への対応や売りに行くのは奥さん、プロデュースも奥さん、商工会の活動も奥さん。
(女性ならではの感性で素敵な売り方を実践されてます。写真見せてもらったけれど素晴らしかった。)

一方、はさみも包丁もナイフも刃物ならなんでも作りますよ!って人は、自分で売りに行くし、はさみ屋チラシも自分で考えて自分で両面コピーして自分で三つ折りにする。それだけじゃ飽きたらずに中学生に放物線のグラフの書き方を教えたり、バニーアイズ(ソフトのチーム)の面倒みたり、同窓会の企画会議に毎月出たり。まちかど市の会長もやるし、七色ロードの準備もしたいし、コローザも包む。
(ホームページのオーダー対応は奥さんがしてくれます。PC苦手。)

秘書欲しいなあ…とか思うけど、きっと「任せる」ってことが出来んがよね。

もちろん全部楽しみゆうし、好きでやりゆうし、結局全部やりたいわけで。それが仕事や未来に繋がると思ってやってます。
でも、いろいろやる人が一番おろそかになっちゅうのは「技の探求」ながやろうにゃあ…、ってあらためて確認させられた感じ。
何にも削れんがやけどね。

優先順位、調整、ちょっと無理する。それしか出来んし、自信を持ってそうして来ました。向き不向き。

でも、やっぱり、スペシャリストのすごさ、かっこいいなぁ…って。

教われることは教わって活かして行きたいけれど、この分野では追いつけんろうね。

なかなか刺激的な時間でした。

「ゼネラリストとスペシャリスト」

永遠の深いテーマ。

「ヒゲとボイン」みたいなことですね。手招きされます。

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「スランプ、スランプ言ってる人ほど絶好調の時がない。」

先週ラジオでFM高知の岡本さんが言ってた教訓。
聞いた瞬間ニヤリとさせられたけどじわじわ染みて来ました。気をつけよう。

日曜日は毎月一度の帯屋町での売り出し&砥ぎ直し。

知り合いの鍛冶屋さんが通りかかって声をかけてくれました。
「売れゆうかえ?」
「今日はまだ売れてない。砥ぎ直しばっかり。」
「そりゃ、合わんねえ…。」

合わんがやろか?
確かにその一日だけ見れば休み削ってなかなか売れんのに商品並べて立ちっぱなしで包丁砥ぎ直して500円ずつもらう。合わんねぇ。そう考えたら俺、合わんことばっかりやりゆう気がします。

それから一人の男の人に「こんにちは。」って声を掛けられました。

「ん?誰?」って戸惑ってたら

「キリンです!」

うれしいなぁ…。
刃物まつりでナイフを買ってくれたキリンさん。通りかかって声を掛けてくれる。本当にうれしい。気付けなくてごめんなさい。
詳しい理由はこちら

合う合わんじゃなくてこういうことやろ、って自分で納得。

そのあと、一人の若い奥様が包丁を見てくれてました。
「さっき試し切りしたんですけど、どれもあの切れ味ですか?」

「はい。全部この砥石で僕が同じように仕上げてますので。」

「じゃあ、これ下さい!」

「ありがとうございます。」

「テレビに出てましたよね?」

「あ、はい!出ました。昨日。」

「やっぱり。ちょうど包丁欲しいなぁって思ってたんですよ。」

たまたま包丁欲しいと思ってる人が、たまたまテレビではさみ屋を見てくれて、その翌日にたまたま帯屋町でそのはさみ屋のお店を見つける。試し切りがあるのでキュウリを切ってみる。切れた。だから買う。

細い細い糸やけどその細い細い糸を出来るだけたくさんの方向に撒き散らす。

んで、すごい確率で繋がった糸を商品の力やらアフターフォローやら自分の応対で少しずつでも太くして行く。

それでえいでね。

.

この前の日曜日サニーマートに行くと店員さんがみんなハロウィンのコスプレしてました。

「あー、ハロウィンかー。」って思いながら買い物してるとこんな場面に遭遇。

上司らしき人が部下らしき人にPOPの内容について注意してました。
「これでいいの?伝わるの?」
「はい!すぐに直します。」

注意する人される人、2人とも魔法使い風の黒い帽子に黒いマント姿…。

もう少し季節が過ぎればトナカイがサンタさんにお説教する場面に出会えるかもしれません。

家に帰ってりんくん(中1)に
「凜、ハロウィンや。」
って言ったら

「とりっくおあとりーと!」
って勝ち誇った顔で何かくれ!って手を差し出してきたので

「じゃあ、イタズラで。」

「ん?」

「どうぞイタズラしてください。」

って言いました。

凜「そうきたか…。」

「or」ってそういうことやろ。選択権はこっち側。

(お知らせ)
明日テレビに出ます
土曜日朝9時25分からの『じゃらん!2モーニング』

よろしくお願いします。

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