鍛冶屋日記

月別: 2011年9月

「アサイチ」って響きにそこはかとない親しみと懐かしさを覚えます。ようまあ毎日毎日…。

明日、岡山へ向かいます。岡山市の京橋朝市の「全国有名朝市フェア」へ出店します。
お昼にバスでいのを出発して(役場や商工会の方や和紙屋さんや生姜屋さん達と一緒に)、晩は他県からの出店者さんとか主催者の方達との懇親会があって翌朝は午前3時半にホテル出発…。

起きれんと思います。

朝の4時半から11時頃までのイベント。

朝市って言っても朝市過ぎんかえ。

でもまぁ、お客さんが来るがやろうき頑張ってやって来ます。

県外遠征やしまな板置いて行こうかにゃあ、って思ってましたがやっぱり持って行って試し切りしてもらうことにしました。

岡山のみなさま、日曜日の未明に会いましょう。

あ、高知のみなさま、日曜日のおかみさん市は久しぶりに親父さんが行きますのでよろしくお願いします。

イベントかぶると売りに持って行く分2セット構えんといかんきなかなかたいへん。なんとか間に合いそうですけどまだ準備が途中なので明日の朝やります。

来週は広島。

再来週は刃物まつり。

なかなか働くにゃあ、俺。

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同級生の仲良し達がバタバタと40歳になっていきます。ドキドキしてきた。
そのうちの一人へのおめでとうメールの返信に「かっこよくあほなことやっていこうにゃ。」って。そうありたい。

この前鋏を持って来られた植木屋さん。

「これ買った時からいまいち切れんのですけど見てもらえますか?」

噛み合わせを少し直してみる。試しに紙を切ってみる。いまいち。安物ではありません。きっとかなりのお値段したであろう手打ちのしっかりした鋏です。でも切れ味はいまひとつ。一度砥ぎ直してみましょうってお預かりしました。

「京都の○○って鋏屋さんで買ったんですけど親父さんが辞められて息子さんの代になったばっかりの時に買ったのでいまいちなんでしょうかねぇ…。」

二代目にとっては恐ろしいコメントです。

親父引退しました、ってなったら絶対言われるにちがいないコメント。
確かにぶっ倒れるまで自分の領域を明け渡さない親方の話もよく聞きます。そりゃそっからやればいっときは同じ品質は出来ないと思います。仕事大好きな職人さんばっかりです。

うちの場合もまちがいなく仕事大好きですけど、簡単に渡してくれます。出来るようになった部分はさっさと僕に渡して自分は新しいことする、みたいな親父です。感謝。

もともと親父の品、息子の品みたいな区別はあんまりない。自然に出来る部分が増える感じ。ただ、そこで自分が品質的に欲張るから今だに僕の方が追いついてないわけで。出来る部分においては親父の仕上げた品をさらに直して出荷したりもしゆうがやけど。

それでも言われるがやろうにゃあ、「親父の品は良かったぜよ。」って。

それはそれでしゃーないか。

「自分を越える職人を育てれんようなら一人前の職人とは言えん。」らしい。そんなことを新聞で読んだのでいろんな意味でがんばらねばと思いました。

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お前の親父なかなかえいとこつくろ、って質問を思いついたので修学旅行から帰りたての凜に投げかけてみました。

「ねぇ、地デジカってどこいった?最近見んけど。」

そしたらあっさり

「流れ流れて今はロシアにおるらしいで。」

って返って来ました。

まさか行方を知っちゅうとはね…。

手ごわい。

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「松茸好き?」って聞かれたけれど好きも嫌いもないので
「どっちか言うたらシュークリームの方が好き。」って答えました。
我ながらほぼ完璧な応対。わかりやすい。

今日は問屋さんに連れられて予告通り日高のJAサングリーンさんで砥ぎのイベント。

お店の従業員さんが包丁持って来てくれたり「今日だけ?じゃあ取りに帰って来る!」って再び6丁携えて見えるご夫婦がいたりで全部で26丁砥ぎました。1日の稼ぎとしては上出来でしたが体はボロボロ。出先で砥ぐ数としてはおそらくこの辺が限界です。お昼ご飯の時間以外休む暇なく夕方6時まで立ちっぱなし砥ぎっぱなしでした。

お昼ご飯は一緒に来た問屋さんの取引先の専務さんにオムライスをご馳走になりました。うまかった。

同席したサングリーンの若き店長さんが

「Yさんと同級生ながですよね。Yさんにはお世話になってます。それからいのにえい刃物屋さんがおるってYさんから聞いてました。」って。

すばらしい。

Yさんていうのは僕の幼なじみであり今でもチームメイトのJA職員。小学校2年生からの友達。

こっそり誉められちゅうのはとってもうれしい。

俺もどっかでこっそりあることないこと誉めちょくきね、ゆうせい。いつか巡り巡って本人に届きますように。

ありがとう。

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頼られるとうれしがる方です。例えばそれが「どこどこまで積んでって。」やったり「何もしなくてよいのでそこにいてください。」みたいなしょーもないことでも。

役に立った気分になれる。めんどくさいとは思わない。相手によるがやろか。

最近心にひっかかった言葉を2つ。

「笹岡くんはAB型?」

一撃で見破られたのは生まれて初めてでした。ちょーびっくり。

「笹岡さんはいつが休みなんですか?」

日曜に帯屋町で包丁砥いでたりハッピーマンデーに働いてたりするとそんな風に見えるのか。昨日は休みで朝から凜のサッカー見て来たよ。その後帰ってからビール飲んで昼寝もしたし。

なんとなく印象に残ったので忘れてしまわないうちに書いときました。

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タイミング良く電話をくれる友達はありがたい。
いろんな人に支えられて生きてます。

来週の木曜日(22日)、砥ぎ直しのイベントに行きます。日高のJAさんのお店、サングリーンコスモスにて。

10日間に渡る大きなキャンペーンの数あるイベントのうちのひとつが刃物砥ぎ。

昨日の朝刊に折り込みチラシが入ってました。きちんと刃物砥ぎの告知も載ってます。

でも刃物を砥いでる職人さんの絵がおじいちゃんや…。

「チラシの人と違う!」 とか言われんろうか…。
「この絵は広告上のイメージです。」とか断ってないけど大丈夫やろうか…。

こんなに熟練した雰囲気は持ち合わせてませんが、きちんと仕事しに行きますので、日高、佐川、越知方面の方、切れなくなった鋏や包丁持って来てください。

来週の木曜日、お待ちしております。

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一学期の期末テストが終わって以来ほったらかされていた教え子ありさからメールが来ました。

「物理の追試が16日にあるき来て。」

呼び出されました。物理らぁてわからんのに、って思いながら行って範囲のプリントを見ると「道のりと速さと時間」の問題でした。

楽勝。

複雑に書いちゅうけど小学生の問題です。

そんな久しぶりのカテキョの時間の雑談でうれしい報告がありました。

「夏休みの宿題ちゃんとやった?」

「やったよー。読書感想文は2回も下書きして書いた!」

「へぇー、何読んだが?」

「『リズム』。」

ん、何か聞いたことある?
ちょっとありさがニヤリとします。

「誰が書いた本?」

「森絵都。」

記憶が蘇ります。

「ん?俺があげたやつ?」

「うん。」

思い出しました。

2年前の彼女の誕生日(8月)に僕がプレゼントした本です。

2年の潜伏期間を経て読書感想文の題材になってました。

2年後でも読んでくれて「面白かった。」って言ってくれたので充分幸せな気分です。

僕が選んだ本が「面白かった。」のならまた何か探して進呈させていただきます。今年はまだ誕生日プレゼントあげてません。

「面白かった。」らしいので借りて来ました。逆輸入です。

さぁ、読書の秋やね。

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久しぶりに砥ぎ直しの包丁の話。

こんな出刃包丁が遊びに来ました。

がっつり欠けてるのとか刃のラインがへこんでるのとかいろいろ見てきましたがこれは史上稀に見るへこみ方。いやもうこれはえぐれ方です。

お話を聞くと別に特別な使い方をするためにこうしている訳じゃなさそうです。ご自分で砥ぎ直ししてるうちにこんなになってしまったようです。(こんな風に仕上げてって方がたいへんです。)
砥石はどんなことになっちゅうがやろ…とか、まな板にもあたらんはずや、とかいろいろ思うところはありましたが「直りますよー。」でお預かり。

直りました。
柄も新しいのに取り替えて1000円也。なかなかリーズナブル。

蘇生。

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この10日程で3人から「痩せたね。」って言われたので晩御飯をおかわりしました。このままでは干からびてしまいます。

サムライもなでしこも知らない間に勝ってたりして体も頭もなんとなく重たいけれど心は軽くなりました。

そのあたりは簡単に出来てるので困りません。

「逃げたい。」とか口に出せる方ですから。しよいです。逃げる場所はたくさん持ってる方だと思います。

でもやっぱり鋏作りたいです。包丁砥ぎたいです。

早くそうなれるようにいろいろがんばろうと思います。

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「まちかど市」から逃げ出した日曜日。
帯屋町に来ております。
おかみさん市。

いつものようにお店をひらくとお隣のお茶屋さんや町の管理のおじさんから「テレビ見たぜよ。」って声かけられました。

夕方のニュース、意外に見るがやね。

さらに、おかみさん市にて何度か話したことのある刃物好きのおじさんがまた寄ってくれて「ペーパーラボ(展示会)まで行っちょったで。」って。

高知新聞の展示会のお知らせコーナーで知ってくれたそうです。

うれしいにゃあ。

それから、オープンしたての『まちかど市・本店』で昨日初めてはさみ屋の品が売れました。たくさんお客さんは入ってくれていますが、うちの品はそう簡単には売れんろうにゃあ…、って思ってたのでめちゃうれしい。

お買い上げいただいたのは出品者のお豆腐屋さんのおばあちゃん。お豆腐やおまんじゅうを毎朝並べに来てもらう度にお話ししてました。「うちのお豆腐はねぇ…。」とか「昔はおまんじゅうも100個ばぁ作って行っても昼までに売り切れよったぞね。」とか。出会って3日で仲良しです。

そしたら3日目に「あんたが刃物屋さんて娘に聞いたき、包丁見せてや。」って。お買い上げいただきました。

出会い。つながり。

こういうことなんだろうなぁ、と思う。

大切なこと。

それから僕が「まちかど市」をやる意味。

帯屋町で包丁砥いでても眠たいけれど、幸せなり。

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