鍛冶屋日記

カテゴリー: カテキョ

「明日ひまー?」ってメールが来た翌日に、昔家庭教師に通って勉強を教えてた3人の元教え子達と晩ごはんに行く。

彼らは姉妹とそのいとこ。
ひろし27歳・かれん20歳・ありさ19歳。

10年前、5年前、1年前の僕の歴史の一部です。
感慨深いとはこのことや。

「お前に問題解かせゆう間に読みよった漫画何やったっけ?全巻読んだやつ。」

「んー、あ!シャーマンキング!」

みたいな昔話や近況報告しながらこいつらと飲める日が来るとはね。一人抜かっちゅうのはチクリとするけど。

あの頃話した恋バナへのアドバイスやお勧めしたり反対に教わったりした音楽とかを覚えてくれちょったり。

「かれんが夢の中で見たハブと戦うマングースは鳥やったもんねぇ。」

僕が教えた連立方程式の解き方なんてすっかり忘れちゅうろうけどみんなのところへ通った意味はそんなしよーもないところに残っちゅう。それでよし!

こんな感覚なかなか味わえんはずや。
それぞれの中学・高校時代に親でも友達でもない立場で接することが出来た僕の特権。

みんなが揃って誘ってくれて本当にうれしかったです。

みんないい子です。
それぞれの成長。これからも楽しみ。

大人になったねぇ。

海を見たくて車を走らせたのに山に登ってしまう。けどそこにきれいな川があってのんびり出来たらそれはそれでいい。

教え子ひろし。
最近ちょくちょくはさみ屋に寄ってくれます。車の修理工場を辞めてスーパーでアルバイト中。26歳。
てことは勉強を教えてたのはもう10年近く前か。

そんな教え子が先週また寄ってくれて、ある会社の面接を受けて結果待ちであることを教えてくれました。
家具屋さんの配送の仕事で正社員。

「そっかー。受かったらメールくれよー。」

「いや、受かったらたぶんここに報告に来る。」

なにこれ。うれしい。

で、結果報告は月曜日。
実際は電話での報告でしたが見事合格!

こいつにとって良い職場でありますように。
がんばれ。

いろんな集まりに参加していろんなことしてますが、所属していることでお金を産み出す場所の活動ほどつまらない。ものすごいただ働きして全然お金にならない場所ほど楽しい。
前者は義務になってしまいました。初めからそうだったわけではないけれど。
そしてこっちが楽しければ楽しいほどあっちがつまらなくなる。残念。
この状態を解消することも今の目標。

先週、教え子ありさとの最後の授業がありました。

彼女のお兄ちゃんからお姉ちゃんを経て続いた兄妹3人に勉強を教えてきた13年間の家庭教師の日々が終わる時を迎えました。感慨深いものがある。

進学先も決まり卒業もほぼ確定で、最後の授業は推薦で決まった進学先の短大から課された数学の課題プリント。

その中に「少数第一位を四捨五入して整数で答えなさい。」って問題があって、計算で出た答えが「13.5」。

「はい、四捨五入してください。」

「んー、13?」

「おーい、じゃあ13.4を四捨五入したら?」

「13。」

「13.7は?」

「14。」

「13.5は?」

「…。」

「あのよー、ししゃごにゅうって四捨五入って書くがで。」

「そうながや!5はどっちでもいいって聞いたのに!」

誰に…?

俺は今まで何を教えて来たがやろ…。

最後の雑談で彼女の姉かれん(京都で短大生してます)が来春短大を卒業することを思い出し、

「かれんは高知に帰って来るが?就職決まった?どうするが?」

「婚活するって。」

素敵な姉妹。

楽しい時間をありがとう。

.

秋の便りが届きました。

「咳喘息」

あー。

中間テストが近付いて来て3ヶ月振りに呼び出された教え子ありさと英語の勉強。

『serious』

「読んで。」

「んー。」

「シリアス。意味は?」

「んー、あ、乾燥した食べ物!」

「それはシリアル。」

「あ、そうや!」

「お前俺じゃないとなかなかこんなに的確につっこんでもくれんで。シリアスな芝居とかシリアスな場面とか聞いたことない?」

「ない。」

じゃあ仕方ないね。

3ヶ月目を離した隙に高3の彼女は車の免許を取得して、推薦で短大進学が決まってました。

めでたしめでたし。

.

教え子ありさに沖縄土産の紅いもタルトを渡したら

「アグーせんべいがよかった。めっちゃおいしいのにー。」

彼女は修学旅行で沖縄体験済みです。

でも、今更言われても…。
お土産に買うどころか食べれてもない。

「行く前に言えやー。」

「そっか…。でも、また行くろ!」

…そんなにさいさい行けるとこではありません。

アグーせんべい。
食べてみたい。

.

素敵な教え子ありさ(17歳)との楽しい会話。

「ねぇねぇ、鴨南蛮そば食べたことある?」

「ん?あるよ。」

「あれってよー、フツーじゃない?」

「おいしくない?」とか「まずくない?」とかならわかりますが、自分がフツーと思ったことにあえて同意を求める人に初めて出会って笑い転げてしまいました。

「お母さんが死んだ夢見てよー。起きたらお母さん美容院に行っておらんかって、めっちゃお母さんに会いたくなったー。またすぐ寝たけど。」

昼寝やね。

「それから絶対お母さんの老後の面倒見ちゃろうって思った。」

かわいらしいじゃんか。

「おまえももう高3になるがや。あと一年やね、ここに通うのも。」

お兄ちゃんお姉ちゃんも教えてきたので(途中ブランクがあったりもしましたが)もう12年通ってます。

「そう考えたらちょっとさびしいにゃあ…。」

「じゃあ、あたしに子供が出来て中学生くらいになったら雇うちゃお!」

ありがとう。

そん時、俺いくつやろ…。

あ、おまえに給料もらうのなんかいやや。

.

一学期の期末テストが終わって以来ほったらかされていた教え子ありさからメールが来ました。

「物理の追試が16日にあるき来て。」

呼び出されました。物理らぁてわからんのに、って思いながら行って範囲のプリントを見ると「道のりと速さと時間」の問題でした。

楽勝。

複雑に書いちゅうけど小学生の問題です。

そんな久しぶりのカテキョの時間の雑談でうれしい報告がありました。

「夏休みの宿題ちゃんとやった?」

「やったよー。読書感想文は2回も下書きして書いた!」

「へぇー、何読んだが?」

「『リズム』。」

ん、何か聞いたことある?
ちょっとありさがニヤリとします。

「誰が書いた本?」

「森絵都。」

記憶が蘇ります。

「ん?俺があげたやつ?」

「うん。」

思い出しました。

2年前の彼女の誕生日(8月)に僕がプレゼントした本です。

2年の潜伏期間を経て読書感想文の題材になってました。

2年後でも読んでくれて「面白かった。」って言ってくれたので充分幸せな気分です。

僕が選んだ本が「面白かった。」のならまた何か探して進呈させていただきます。今年はまだ誕生日プレゼントあげてません。

「面白かった。」らしいので借りて来ました。逆輸入です。

さぁ、読書の秋やね。

.

天然の人は天然であることを認めたがりません。

不思議。
天然って間違いなく長所やのに。
こんなに強い武器はないのに。

高校2年生女子。

『thing』の場合

「これ、読んで。」

「……。」

「覚えてよー。『シング』。」

「シング?」

「うん。意味は?」

「……。」

「覚えてよー。『物』とか『事』って意味。」

「…………?」

「どした?」

「シングってよー、ベッドじゃないが?」

…それも正解。

でも今勉強してるのは英語です。

『寝具』

和みます。

天然最強。

.

ちょっと停滞しています。

仕事は順調です。ご心配なく。

注文仕事に一区切りついて今日はお店に並べる包丁の仕上げに取りかかることができました。ちょっと売れてちょっと品揃えがさびしくなってましたが、明日には8丁くらいは売れる状態に出来ると思います。
仕事は順調。

仕事以外の案件が停滞しています。仕事にも関係あることですけど。
さぁ、今日からどんどん進んで行くんだろうなぁ、って意気込んで出席した会で話が進まず…。

今こそ熱くなるべき時だと思ってたのに、いまいち全体に熱がない。やれる人でやってください、みたいな雰囲気。そもそも出席率が低過ぎやし。みんなの力を合わせんといかんはずやのに、絶対みんなの力が必要な時やのに。
このままだと大きく失敗しそうです。
どうすればみんなを熱くできるか、考えてみます。

肩すかしくらって落胆した話だけではおもしろくないので、ちょっとカテキョの話。

先週、中間テストに向けて教え子ありさ(高2)と英語の勉強をしました。

『Animals like cows don’t …』

って文章が出てきたので

「はい、訳して。」

「んー、…動物……好き?」

「うん、好き!」

もう普通に答えてしまいました。

彼女は僕に質問してたんじゃなくて、彼女なりの一生懸命の和訳でした。不安げなその訳が質問に聞こえて、なんの迷いもなく反射的に答えてしまいました。

正解は『牛のような動物は…しない。』です。

「like~」は「~のような」ですね。この場合「好き」って訳してはいけません。

それ以来ずっと考えています。

反射的に答えたけれど、俺は本当に動物が好きながやろうか…。

あやしいもんです。

やっぱりプロ野球は楽しいね。
まだ2試合ですけどオリックスに惚れそうです。寺原の完封ってなんだかめちゃ嬉しい。それから駿太に注目すべし。使ってる岡田さんが素敵です。

この春、元教え子かれんが京都の短大へ進学しました。

一人暮らしになるので3月に包丁をプレゼントしました。

「卒業、進学、おめでとう。これでしっかりお料理しいよ。」

「うわー、ありがとう!全然お料理できんけど、せっかくのさとるっちのプレゼントやきがんばってみる!」

喜んでくれました。
こっちがうれしくなるほどに。

春休み中は現教え子の妹ありさも付き添いで京都へ遊びに行ってたので家庭教師もしばらくお休みでした。

昨日久しぶりに勉強しに行って妹ありさに聞いてみました。

「京都でお料理しよった?包丁使いよった?」

「んーとねー、あれねー、かれんが忘れて行っちゅう…。」

旅立った教え子のために贈った包丁はまだ高知にあるそうです…。さとる包丁旅立てず。

はい、さすがは俺の教え子です。

ベリーベリー素敵。

.

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