引退

昨日は一日外回り。
ひと月振りに会った人を見て「老けたにゃあ…。」って思うこと二度三度。自分もそうなんでしょうけど。業界が老いていく。

そんな中、ひとつ刃物に名前を彫ってもらうために彫金の職人さんを訪ねました。名前入れるだけでなく龍や虎なんかも彫金する職人さんです。

そしたらこんなお話が。

「親父がもう完全に仕事辞めることになったきね。」

親子二人でやって来られてましたが78歳の親父さん引退のお知らせ。
目が効かんとか腕が震えるとか。長い間酷使されて来たんでしょうね。お疲れさまでした。本当にお世話になりました。

そこから少しお話しました。
名前や銘を彫ることが出来る人はいても龍やら虎やら鶴やら亀やらを刃物に彫金出来る職人さんは高知だけじゃなく四国にもいないだろうこと。
何十年も値上げ出来てない安過ぎる値段の問題。本当に値段聞いたらびっくりします。
後継者がいないこと。娘さんしかいないのでおそらく自分の代限り、って。

「親父の場合は僕がおるきスムーズに辞めれたけど自分の時は後がおらんきなかなか辞めさせてもらえんろうねぇ…。」

本当に貴重な技術です。
絶滅する前にこういう技こそ全力で支えんといかんと思います。

いのに戻って偶然会った友達に話したら

「でも、国とか県とか町とかに頼っても無理ですよ。」

わからんではない。

けどね、本当にいなくなったら困ると思うがやけど。

土佐の刃物業界全体で支えることが出来んもんやろか。

「みんな値段倍で取ることにするき一人若い後継者を育ててください。」みたいな思い切った作戦。

こういうとこにこそ助成金とか入れたらいいのに…。

『技』がどんどんなくなります。
仕方ないことなのかなぁ…。

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