鍛冶屋日記

月別: 2021年9月

熊本行って来ました。
楽しかったこと、うれしかったこと、ためになったこと、おいしかったこと、たくさんあったけれど、「はよ告知しーや!」って案件がひとつあるので今日はそれを書きます。

 

はじまりは麻雀中の提案でした。

「笹岡さん、体験博みたいなのやるんですけど、参加しませんか?」

「いいよー。」

いつものように即答です。
即答して損したことはまだないです。

それからしばらくのちに
「体験メニューの作り方のセミナーがあるので参加をお願いします。」

自分で鍛冶屋の体験メニューを想像してみる。
・単なる工場見学
・包丁の研ぎ方講習会
・鍛造体験で包丁ひとつ作り上げる

これらにあまり興味を持てない。

・体験ツアーじゃなくても工場見学はいつでもどうぞ
・包丁は僕が研いだ方が絶対切れるよ
(※本気でマスターしたい方には本気でお教えします)
・鍛造体験は僕の得意技じゃない
(これやるとなると主体は親父さん)

なにしよっかなー。
ふわっと考えながらメニューの作り方セミナーに参加。

セミナーに出て先生に聞かれる「実現したいことは何ですか?」

(今求めるのは値上げかなぁ。でもそれも実行する予定やし。)

「本当にやりたいことは何ですか?」

 

ここで気づく。心が決まる。

今一番やりたいことは、自分がやってきたことをこれから職人になりたいと思ってる人、職人ではあるけれど悶々と悩んでいる人、職人としては食えているけれど食うためだけの仕事になってしまっている人、そんな人たちに伝えたい。

こっちに一歩踏み出したらこんな素敵なことがありました。
ちょっと外の世界の人の真似したらこっちの業界では先頭走れてるっぽい。
技術は誰でも身に付きます。毎日ひとつひとつ丁寧にやれば大丈夫。丁寧に仕事が出来る環境を整えることが大切ながよね。
技術はみんなあるのです。それに見合った対価をもらうにはどこかでひとつ、今までと違う販路を作ればいい。そこからならこじ開けられる。

こんなことを伝えたいです。
誰か、僕じゃない誰かに一歩踏み出してもらえる手伝いがしたい。
やったこと考えたこと、それによって生まれたこと、今ある結果。全部お伝えします。

もう本当にお節介で余計なお世話ながやけど、今やりたいことはこれなので仕方ない。

集客なんて考えてません。
この話を必要と思う人がいれば話すし、いなければ普通に仕事します。(土曜の午後です。)
仁淀ブルー観光協議会さま、ごめんなさい。

 

そんな訳で体験メニューの内容はこちら

『職人・ささおかさとるが全てを伝える』

鍛冶職人歴24年の笹岡悟が全てを伝えます。
需要の減少・後継者不足・技術があっても稼げない、そんな問題山積みの土佐打刃物業界の現状。
斜陽産業の最先端である伝統工芸の世界で、一人の職人がどこにやり甲斐を見つけ、売上を作ってきたのか。
うまくいった打ち手、新しいことに取り組む時の考え方、お客さまとの繋がり方、前途洋々な未来のこと、全部話します。
職人仕事に興味ある若者、伝統工芸が好きな方、売上拡大を目指す自営業者さん、一緒に未来を作りにいきましょう!

で、お申し込みはこちらから

https://niyodoblue.club/

はさみ屋のあやしい「こうやったら仕事楽しくなるよ」セミナーの他にも素敵な32個の体験メニューあります。探してみてください。

どっかの若者に届くといいなぁ。

あ!料金は5,000円。
5,000円払っても聞いてみたいと思ってくれる若者がいれば素敵だなぁ。たぶん一生めんどうみるなぁ。

#笹岡鋏製作所 #仁淀ブルー体験博

「笹岡さん、イベントやるけど出ませんかー?」
「広報誌に載せたいのですが、取材させてもらえませんか?」
こういうお誘いには一瞬で「OKです!」って答えるので各方面から重宝がられていることを実感しているはさみ屋です。

 

 

前々回お知らせした熊本遠征について、今まで通販でお買い上げいただいたお客さまにダイレクトメールを出しました。(郵送しました)
顧客リストを活用した初めての実験です。

今まで、東京にも行った大阪にも販売に行ったのに、全然活用してなかった。
(ブログに書いたのを見て来てくれたありがたいお客さまは何人かいました。とてもうれしかったです。)

コロナちゃんが猛威をふるう世界になって初めて県外遠征の貴重さに気づき、なんで今までやってなかったがやろ、次行ける時は絶対にお知らせを送ろうと思っていたのがついに実現、実行。
先週末に切手をペタペタ貼って発送したのでもう届いてるはず。

こんな文章です。

「くまもと工芸会館・展示会のお知らせ」

この度、熊本市のくまもと工芸会館様からお声がけいただき、『手打ち鋏と小刀展』という展示会にて9月1日~10月20日まで、期間限定で、笹岡鋏製作所の鋏が展示販売されることになりました。

九州で当工房の鋏(10種類ほどにはなりますが)を実際に見てもらえる、持っていただける機会になりますので、ご興味ありましたら是非お出かけください。

また、このようなコロナの状況下ではありますが、私自身も(ワクチン接種完了したので)感染対策をしっかりして、くまもと工芸会館を訪問する予定です。
半日だけの限られた時間にはなりますが、9月19日(日)の午後1時から4時頃まで会場にいる予定ですので、鋏についてご質問などあれば、是非お話させていただきたいと思っております。
また、お買い求めいただいた鋏をお持ち頂けたら、有料にはなりますがお預かりして工房に持ち帰っての研ぎ直しなども対応させていただきます。
(片道の送料が不要になりますので、この機会に是非。)

九州の土地勘、距離感などわからないまま九州全域のみなさまへご案内をさせていただきました。
熊本は遠過ぎて行けないなどの場合はご了承ください。ご無理なさらぬように。

尚、コロナの感染拡大の状況によっては、会場自体の休館などもあり得ると思います。
お出かけの際は直接くまもと工芸会館(電話 096-358-5711)までお問い合わせいただけると確実だと思います。毎週月曜は休館(月曜が祝日の場合は翌日が休館)です。
(※熊本伝統工芸館という似た名前の施設もあるようです。お間違えの無いようお願いします。)

長くなりましたが、展示会と9月19日の熊本訪問のお知らせでした。
なかなか無い機会ですので、お会いできたら幸いです。

『手打ち鋏と小刀展』は10月20日までのロングラン開催です。
鋏たちだけでも見に行ってあげてもらえるとうれしいです。

よろしくお願いいたします。

 

 

つまり、「19日の午後には会場にいます。遊びに来てください。」という内容です。

九州全域のお客さま、約50件。

何人会いに来てくれるかなぁ。
楽しみ。

1人でも来てくれたら大成功。
誰も来てくれなくても熊本でおいしいもの食べてくるので大成功。
緊急事態宣言下、ごはん屋さんが営業してますように。

九州のみなさま、よろしくお願いします!

それから他の地域にも行きたいので、出店や展示可能なイベントあれば是非お声掛けください。
11月には東京に行く予定有り。

 

 

 

10月1日に値上げします。
全部ではなくて「植木鋏」と「生花鋏」を。
(刈込鋏や包丁は今のところ変わりません。)

理由を書きますね。

おかげさまででうちの鋏を選んでもらって、まあまあの数の全国各地の植木屋さんに使ってもらえてるとこまで来ました。
そんな中、実際使ってくれている植木屋さんに

「こうゆう刃付けした方がいいっすよ。」

というアドバイスをいただきました。
1人ではなくいくつかの方向から同じ意見が届いてくる。

頭で考えてみて

「そうしたら切れ味が良くなるのはわかる。でも弱くならんかなぁ。欠けて返品増えたりせんかなぁ。」

「大丈夫です!笹岡さんとこの刃は強いきそんなことにはならんと思います!」

2年くらい前からそんな声を聞いていて、いつかチャレンジするよ…、とは思っていたけどなかなか踏ん切りがつかず。
正直、めちゃくちゃ手間かかるのです。

簡単に言うと機械で仕上げていたところを手作業で仕上げるようにするのです。手研ぎというやつです。
時間は何倍もかかるし、何より腕と肩が大変なことになる。

「今でも1〜2ヶ月お待たせするくらいいっぱいご注文もらっていっぱい仕事しゆうのに、その仕上げ方に足突っ込んだらどうなるがやろ」と思う2年前の僕でした。

それでも何度か新しい仕上げ方を試しにやってみて、自分で枝や葉っぱを切ってみたり。

いやー、これ大変!腕痛い!使い手じゃないき違いがあんまりわからん!砥石すぐ減る!と思ってみたり。
これをアドバイスもらった植木屋さんに使ってもらってOK出たら切り替えようと考えてみたり。

 

そんな風にグズグズする僕を動かしたきっかけはテレビの取材でした。昨年11月に取材に来られた『イッピン』さんです。

鋏の刃付けの映像を撮られるのに手研ぎでやっちゃった。
「お使いになってくれているユーザーさんの声を取り入れて、最近はこうやって仕上げてます。」って言っちゃった。

言っちゃったもんはやらんといかんなるよね。
少なくとも放送される1月にはそうなってないと嘘になるもんね。やりました。

(カッコつけてやらざるを得なくなるいつもの得意技です。実際の放送では上のセリフはカットされていたのだけれど。)

2種類の仕上げが混在していた昨年末の少しの移行期間を経て、今年に入っての販売分は全て手研ぎでやりました。
だってその部分カットされると思ってないし。
『イッピン』さん放送後の怒涛のご注文の鋏もそれから後のご注文も全て前より時間のかかる新しい仕上げ方でやってきました。

最初に不安に思った「欠けました。返品します。」の声はなく。
もしかして泣き寝入っている方がいたならごめんなさい。その場合は是非声をこちらに届けてください。お取り替えでもご返品でも対応します。

「これが成功したら値上げしよう」と思いながら取り組んできて、8ヶ月経って行けそうなので値上げします。

こんな流れです。

前回の値上げはホームページリニューアルの2017年12月でした。3年8ヶ月前。
その前はほぼ価格改訂なしで十数年。
2017年の値上げの理由はこんな感じ。

つまり、十年以上お客さまに届け続ける中で自分の中でじわじわ積み上げてきた「品質の向上」と「需要の増加」でした。

 

今回はもっと明確。
ある工程を、最後の刃付けを劇的に変えました。(使い心地が劇的に変わってなかったらごめんなさい。)

値上げ幅もちょっと思い切ります。
注文が増えて稼ぎも増えてはきたけれど、労働時間で割ったらどうよ。

稼ぎ増えた分、ただ残業しゆうだけじゃんか。

1人雇ったら経営者の取り分全然残らんかったじゃんか。

 

 

未来の鍛治屋のあるべき姿は週休2日です。
その上で、少なくとも高知で働く同世代の銀行マンや公務員さん達と同じくらい稼ぐこと。

(49歳の県庁職員さんはいくら稼ぎゆうか誰か教えてください。)

 

 

次世代に繋ぐためにこれを実現したいです。
もうほんとにこれ使命。

そのために頑張って値上げします。

値上げして注文激減したらまたあれやこれやがんばります。
あちこち回って包丁研ぎ直しを集めて回ることからまた始めます。

 

「高いけど。高くなったけど、ここの品を買おう」と思ってもらえる作り手になる。これ理想。

 

10月1日、ご期待ください。

あと1ヶ月、今の値段でやります。
駆け込み需要も少しだけ期待してます。

よろしくお願いします!

 

 

 

 

 

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