鍛冶屋日記

月別: 2015年5月

あらためて、「伝統工芸・手仕事・職人」光当たってますよー。今ですよー。来年からとか3年後とか言ってたら置いてかれる。そもそも今動けてなかったら3年経っても動けんと思うけど。今です。
3年前からやるのは今ながやけどね。
5年前10年前から常に今です。
やるべき。やりましょう。

1日の間に続けてうれしいことがあったので書きます。

ケース①
前回包丁を買っていただいた方がご来店。
「この前買った包丁良く切れた!そこで相談やけどこれ直る?」
で、包丁4丁研ぎ直しをお持ち込み。
直します!

お買い上げ→研ぎ直しへ
通常は逆で、研ぎ→お買い上げへ、ってのを目指してしっかりきっちり研ぎの仕事をしております。研ぎ直しから出会うお客様が圧倒的に多いので。

ケース②
研ぎ直しをお預けに来てくれた方に万能包丁のご注文をいただく。最も一般的な品ですが慢性的な品薄状態が続いていて今はほとんど受注生産。「姉の分も作っちょいて。」って2丁ご注文。
完成してお渡ししてひと月程でまたご来店。
「この前はありがとうございました!姉もよく切れるって喜んでくれて。今回は姉から研ぎ直しを預かって来ました。」

もう本当にこちらの方がありがとう、です。

お買い上げ→研ぎ直しへ。
同じパターンやけどさらにおまけ。

「研ぎ直ししてもらったのがまた使える様になったので自分に買った分は嫁にあげました。そしたら嫁が『今まで使いよった包丁は何やったがやろ。』って切れ味にびっくりしてました。」

お姉さんやお嫁さんに広げていただく。
ありがたいことです。

これが①と②の方が持ち込まれた包丁。
研ぎ直し出来ました。柄の取り替えも4つ。

ケース③
ホームページから刈込鋏を何度かご注文いただいた東京の植木屋さんからお電話が。
「包丁の注文していいですか?」
奥様がお魚を捌くのに小さめの出刃包丁をご注文いただきました。

鋏→包丁へ。
このパターンはめずらしい。

鋏を買って使ってくれた県外の植木屋さんからうちの仕事への信頼を得られた様な感じがしてとってもうれしかったです。
これから作ります。

これがはさみ屋の販促。
ひとつの仕事がなんとか次に繋がるように。しっかり仕事をするだけながやけどね。

新規顧客獲得も絶対大事やけど、リピーターさんを作ることってもっと大事ながやと思います。

せっかくはさみ屋を見つけてくれたお客さんです。売りっぱなしじゃもったいない。
その点、「作る」と「直す」が出来ることがとっても有効。これがうちの強み。

「研ぎ」が「売上」を作ったり、
「売上」が「研ぎ」を作ってくれたり、
「売上」が「次の売上」を生み出したり。

販促ツールは自分の仕事。
なんて恵まれた職業ながやろ。

やってきたことは何年も前からずっと同じながやけど、ちょっとはっきり現れ始めた気がします。そんなことを実感することが増えました。実感することがモチベーションになります。

明日からも頑張ります。

鍛冶屋志望者現る☆
昨年秋の経験(→こちら参照)があったのでちょっとスムーズに対応出来ました。うまくいってもいかんでも経験しちょくことって大事やね、本当に。
面接をして、こちらの現状や仕事の内容などいろいろ話して返事待ち。
東京の22歳男子。
はさみ屋雇用を生み出せるのか。
いの町への移住者を作り出せるのか。
乞うご期待。

思いもしないことが起こるなぁ。

話は変わって今週末いの町のオススメイベント『en』をご紹介。

今回は出店者ではなく完全にお客さんです。
観光協会主催なので「笹岡さん売りに来てもいいですよ。」って言われたけれど、ちょっとはさみ屋とイベントが似合わんかなぁ、と思ってお客さんになることを選びました。

こういうイベントにも出店者として出て行ける雰囲気を身に付けたいです。

「職人、カッコいいっすね。」ってのは時々言ってもらえることはあるけれど、その先へ。
「職人、オシャレじゃん。」まで辿り着きたいです。

とにかく楽しみなイベントです。
mowちゃん頑張ってます。
いの町観光協会もやる気です。

会場はちょっと遠いけれどドライブがてら遊びに行ってみてください。
絶対気持ちいいしきっと楽しい。

詳しくはこちら。
en~灯りと自然と音楽と~

よろしくお願いします!

店舗改装。
これについて書いてなかったので書きます。
改装終わってお店の中がきちんと片付いたら書こう!と思ってたけれど一向に片付く日が来ないので片付けるのは先延ばしにして書きます。

改装工事が終わったのはもう半年前。
始まりは1年前の補助金申請から。
この時→『現状分析と今後のプラン

この申請がめでたく採択されて着手。
看板デザインはドットとストライプのデザイナーさんに、看板製作と店舗改装はいの町商工会青年部の仲間に発注。

before

なつかしい。

after

素敵になりました。

結果として100万ちょっとの事業になりましたが、補助金が50万円。
補助金の話が無ければやってない。
ありがたいことです。
この改装の事案が出てくる前にはさみ屋を理解してくれているデザイナーさんと出会っていたこともすごく良いタイミング。

そして、大切なのはそんな補助金の話が耳に入る場所にいられたこと。アンテナ張って探してれば見つかるだろうけど、そうじゃなくても教えてくれる人がいた。そういう環境があった。これラッキー。いの町商工会の会長さんと指導員さんのおかげです。

申請書作りに半日、実行報告書作るのに半日、苦手なPCの前に座って文章作れば50万円もらえるがやきやらんとね。

だから職人チームのみんなに伝えました。
昨年申請直後にもみんなに話したけれど、今年も同じ小規模事業者持続化補助金が出たのでもう一回伝えました。

「こんな使いやすい補助金があるよ。申請書を作るだけでも自分の仕事を見つめ直すいい機会になるし。出来る限りチャレンジしようぜ。」

はさみ屋今年も再び申請。
めでたく2年連続採択をゲット。
今度はショーケースを作ります。

今まで刃物が売られていたのとは違う場所に刃物を並べてもらうためのショーケース。
ホームセンターや金物屋さんではない従来とは違う場所(お店)で売ってもらう。これにはすごく可能性を感じてます。楽しみしかないっす。

そして職人チームの仲間も申請した5人全員が見事採択を勝ち取る。みんなのやる気と商工会さんのバックアップ。すごくいい流れが出来ゆう感じ。

職人チーム、チャレンジしてます。
みんな動いてます。
もちろんこのいただいた補助金をどう売上やお客様獲得に繋げるか、それが一番大事なことやけどね。

きっと結果出ます。

ご期待ください。

今年もG.W.は有田の陶器市へ。

昨年の感想はこちら
そしてその後のこんな流れ(from 有田)で会場主の宮司さんと仲良くなったこちらの植木屋さんも今年は一緒に佐賀へ。
昨年より経費削減のため行きは夜中移動。夜8時出発でドライブ・フェリー・ドライブで朝6時過ぎに到着したら雨でした。

かなり降っていたので出店は会場の陶山神社の社務所内に変更。中に入ってしまったのと雨でお客様も少なかったのでのんびり過ごす。眠かったし。

そこに有田地元のケーブルテレビさんの取材が来てインタビューを受けました。これはスリランカの商品をPRするシャナハンさん。

今年は刃物だけでなく土佐和紙やポン菓子も持って行ってたので高知をいの町を有田のみなさまにPR。


スリランカといの町が隣り合わせに置かれている佐賀県の神社の社務所です。
そんなこんなでのんびり1日目終了。

2日目。
良い天気。良い天気の陶山神社の雰囲気はやっぱり最高でした。
朝一で参拝しておみくじ引いたら『大吉』でさらに気分良し。

昨年も一緒に出店していたうどん屋さんが研ぎ直しを持って来てくれたり、今年初めて会った革細工屋さんやマッサージ屋さんや雑貨屋さんが包丁を買ってくれたり。本当に出店者さんがたくさん買ってくれて、他にも「今度買います!」とか「大きさ検討して連絡します。送ってくれますか?」(by シャナハン)とか。

前日取材を受けたケーブルテレビの放送を見てくれたお客様がデザイン包丁を買いに来てくれたり。取材効果で『SANUKI no MEGUMI(ドット)』お買い上げ。

さらに、イベント主催者の方がfacebookに写真載せてくれたらオーストラリアにいるお友達から「こちらで売ってみたい。お取り引き出来ますか?とりあえずサンプルとして3つ売ってください。」って。Skypeなるもので直接話して商品見てもらって選んでいただきました。うちの包丁オーストラリアに行くみたい。

他にも「facebookを見たケニアの友達からこっちの飲食店で使いたいって連絡があったけどカタログあります?」って言ってもらえたり。カタログがないことをお伝えしたら「じゃあ、写真撮って送っときます。」って。

すごいなぁ。陶器市期間中の陶山神社はとってもグローバルです。スリランカやオランダや中国の方が佐賀弁や長崎弁をしゃべってます。それが世界に繋がってます。

今年もたくさんたくさん素敵な人達と出会うことが出来て、幸せなゴールデンウイークでした。みんないい人ばっかり。

あ、有田に来るきっかけを作ってくれた福岡のいい人もわざわざ会いに来てくれました。ご家族連れで。
いの町のみなさん、土佐和紙逓信局の一筆箋、花村さんに届きましたよー。

この旅で一番心に残ったエピソード。
海外のお菓子や飲み物を売るブースにいた最近有田に移住したというオランダ人の女性とお話ししてる時に出てきた言葉。

「有田は素敵よー。かわいい町だし。」

『かわいい町』ってすごいでね。

初めて聞くフレーズ。
そしてすごく納得のフレーズ。
また行きたくなる町。

町がどうこうよりも、やっぱりそこに住む人、そこに集う人に魅力があるからまた行きたくなるがやろうなぁ。その先に住みたくなったり。いい町です、有田。

また言うけど、みんないい人ばっかり。そしてみんなこの場所が好き。

こんな風に有田は今年も素敵でした。
有田のみなさま、お世話になりました。
また行きます。

最後にホテルへの帰り道に迷って偶然行き着いた有田ダム。美しいダム。

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